広島県建設業協会連合会・青年部会
更新日:2025/7/2
【広島県建設業協会連合会・青年部会が発足】
2025年3月28日に広島県建設業協会連合会・青年部会の設立総会が開催された。発足により若手建設人として習得した知識・経験・技術を活かし、団体として積極的な活動を続けることで、建設業界の発展を目指していく。青年部の部会長に就任した人物は、竹内朗氏(竹内・代表取締役)。総会の挨拶では、「重責に身が引き締まる思いだが、若い人に少しでも建設業に興味を持たれるよう、仕事の醍醐味・魅力を伝えていきたい」と挨拶。公共工事の縮小や資材の高騰、少子高齢化など、先行きの不透明な状況が続くが、新たな価値や経営モデルを提示することで、未来を創り出せるよう全力を尽していくことを宣言した。


【未来に向け新しいビジョンを描く】
青年部会は、広島県内10区の建設業協会に所属する55歳以下のメンバーで構成しており、現在は19人で活動する。運営方針は、業界の未来に向けて、新しいビジョンを描くこと。組織の活性化には新規会員の増加が不可欠と捉え、最優先事項を「会員の増強」に掲げる。竹内部会長は「働き改革やDX導入を加速化するには、企業の意識改革・向上が必要。会員同士が弱みを補え合えるよう、意見交換や情報共有の機会を増やしたい」と方向性を示す。今年度の主な事業として、昨年度まで連合会・本部が担っていた毎年11月に開催する「建設フェア」を引き継ぐ意向であり、「直近ではこの重要なイベントを成功できるよう。具体的な内容を協議していく」と方針を述べる。各会員が若手主流で構成されているため、メンバーは現場に出ていることも多く出席が滞ることもある。全員が集まる機会も少ない中、広島県内の新たな原動力となれるよう、どのような輝きを放てるか注目である。


【経験を通して視野が広がる環境を】
建設業に関心を持ち、キャリア転換を検討する若者に対しては、「青年部会が中心となり支えられる役割を果たせるかがポイントになる」と見立てる。自身は文系出身だったが、家業を継ぐために様々な資格を習得し、38歳で社長に就任した。「文系に進んでしまうと、その後に技術的な仕事にモチベーションを保ち、挑戦を続けることが困難になるケースもある。このギャップを埋めるためにも、早期にリスキリングの重要性を伝え、様々な経験を通じて視野を広げられる環境を整えたい」とビジョンを述べる。生産年齢人口が減少の一途を辿る中、未経験でも学ぶ意欲のある若者を歓迎できる、門戸の広い体制を構築したいとの考えは誰よりも強い。広島県の転出超過ランキングは、4年連続で全国ワーストを記録する状況だ。しかし、「この難局を行政とも連携を深めることで克服し、地域の建設業を後世まで残す足掛かりにしたい」という決意を見せている。


【団体の垣根を越えて】
同じ広島県内には、広島建設青年交流会(小林護会長)があり、「地域への貢献と建設業界の向上」を信条とした活動を続けている。「若い世代で建設の魅力を発信し、明るい未来を創る」という目的は共通であり、竹内青年部会長は「設立初期の当部会から見れば畏れ多い存在だが、長い歴史の中で積み重ねてきたノウハウを吸収し、共に広島県の建設業を盛り立てられるようになりたい」と明言する。組織の活性化に真っ先に必要なことは「1人でも多くの仲間を増やすこと」。県内全体にも課題は山積する状態だが、「団体の垣根を超えた綿密な協力体制を敷き、計画する事業を着実に遂行することで、建設業界の発展に繋げたい」と話す語気を力強い。広島県建設業協会連合会・青年部会の挑戦は始まったばかりだ。

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この記事を書いた人

クラフトバンク総研 編集長 佐藤 和彦
大学在学時よりフリーライターとして活動し、経済誌や建設・不動産の専門新聞社などに勤務。ゼネコンや一級建築士事務所、商社、建設ベンチャー、スタートアップ、不動産テックなど、累計1700社以上の取材経験を持つ。
2022年よりクラフトバンクに参画し、クラフトバンク総研の編集長に就任。企画立案や取材執筆、編集などを担当。現在は全国の建設会社の取材記事を担当。