クラフトバンク総研

諏訪の美しい未来環境を創る~スワテック建設株式会社

更新日:2026/1/14

2025年8月17日(日)15:00~15:55

スワテック建設株式会社 総務部長・岩波龍一さん
大正15年創業、長野県・諏訪地域に根差し、来年100周年を迎える総合建設業者・スワテック建設株式会社。大規模な建築工事や土木工事をはじめ、民間住宅や商業店舗・工場など、幅広い分野の施工実績を重ねています。時代とともにニーズが多様化する中でも「確かな技術と信頼」で、社員それぞれの専門性を活かしチーム一丸となって質の高い施工を提供しています。番組では岩波部長に、総務部ならではの観点から課題や今後の目標を語っていただきました。

大正15年創業、来年100周年を迎える総合建設業

クラフトバンク金村(以下、金村):スワテック建設さんの会社概要についてお伺いできますか。

岩波龍一さん(以下、岩波):当社は大正15年、1926年に創業しまして、来年で100周年を迎える総合建設業者になります。この長野県諏訪地域を中心に、公共施設や企業さんの工場などの大規模建築工事、公共土木工事を手がけています。

金村:100周年というのは、ものすごい歴史ですね。

岩波:ありがとうございます。それだけではなく、個人の方の住宅建築やリフォームなど、幅広い分野での施工実績がある会社です。

完全フルオーダーの注文住宅と別荘建築

金村:総合建設業、いわゆるゼネコンという業態の中で、木造建築や住宅も手がけていらっしゃるのですね。

岩波:新築ですと、注文住宅のカテゴリーになりますね。基本的には完全フルオーダーの注文住宅をやらせていただいております。

金村:このエリアだと、別荘なども多いのでしょうか。

岩波:はい。当社のノウハウを活かして、蓼科や八ヶ岳の方での別荘事業も古くからやらせていただいております。

夏の避暑から一年中過ごせる「二拠点生活」へ

金村:別荘というのは、このあたりだとやはり需要が多いのですか?

岩波:東京からも電車一本でアクセスできますし、都会からのお客様も多いです。近年の傾向ですと、昔のような「夏の避暑」のための平屋の山小屋というよりは、一年を通して過ごせる別荘が増えています。

金村:一年中過ごせる、というのは大きな変化ですね。

岩波:冬に来ても、いつ来ても暖かく過ごせる別荘を提供させていただいています。都会との二拠点生活をされる方も増えてきましたね。

地域の魅力に惹かれる名古屋・関西からのお客様

金村:関東方面以外からも別荘の利用はあるのでしょうか。

岩波:名古屋の方や関西の方からのお引き合いもいただいています。諏訪湖があって、美しい山々に囲まれたこの街の魅力に惹かれて、別荘を持ちたいと思われる方が多いようです。

金村:最近の諏訪地域の住宅事情はいかがですか。

岩波:諏訪市でも分譲地が立ち並んでいるのをよく目にしますし、リフォームなどの個人現場も多いです。住宅のニーズはまだまだあるなと感じています。

「自分たちの町は自分たちでつくろう」創業の原点

金村:100年続く歴史の中で、創業のエピソードがあれば教えてください。

岩波:当時、今の上諏訪町役場を建て替える話がありました。それまでは築50年の木造建築だったものを、鉄筋コンクリート造にするという計画です。しかし、当時この諏訪地域にはそれを施工できる業者がいなかったのです。

金村:地域に業者がいないとなると、どうされたのですか。

岩波:東京や甲府などの大きな街から呼べばできるかもしれない。けれど、せっかく自分たちの町の役場を建てるなら、自分たちの手で作りたい、それが地域の建設業の発展にもつながるはずだ。そう考えた当時の有力者の方々や建築業者さんが技術を集めて作ったのが、当社の始まりです。

創立と創業が同じ日、全国でも珍しい歴史

金村:特定の誰かが作ったのではなく、地域の皆さんの協力でできた会社なのですね。

岩波:そのようです。特定の一人がというわけではなく、みんなで集まってできた。ですので、創立と創業が同じ日なんです。これは全国的にも珍しいらしいのですが、そこから数えて100年というのは、私としても自慢できるところです。

金村:来年2026年の100周年に向けて、何かお祝いなどの計画はあるのですか。

岩波:今、役員を含めていろいろと練っているところです。総務部長として、まさにその企画のど真ん中にいるので大変ですが、楽しみでもあります。

製造業からスワテック建設へ、曽祖父からの縁

金村:岩波さんご自身がスワテック建設に入社されたきっかけは何だったのでしょうか。

岩波:もともと私は諏訪の製造業の方に勤めていました。実は、会社ができた時に集まったメンバーの一人が私の曾祖父だったのです。

金村:ご親族が創業に関わっていらしたのですね。

岩波:はい。その縁もあって祖父もスワテックで働き、社長まで務めました。父も社長をやっていた時に、総務の関係で人が欲しいということで声をかけてもらい、入社したという経緯があります。

「将来は建設業に」という強い意識はなかった

金村:代々継いでこられたということは、やはり将来は家業をという思いがあったのですか。

岩波:思い返してみても、他の会社の社長さんがおっしゃるような「昔は現場に遊びに行った」というエピソードは全くなくて。ただ、家として携わってきたという認識はぼんやりと持っていました。

金村:現場の仕事については、入社してからどう感じましたか。

岩波:私はバックオフィスの人間ですが、月に数回は現場のパトロールに同行します。そこでベテラン社員が「この道は俺が入社してすぐ作ったんだ」と話すのを聞くと、正直羨ましいなと思いますね。

自分の足跡が町に残る「羨ましい仕事」

金村:羨ましい、ですか。

岩波:自分の足跡というか、やったものが形としてあちこちに残っているというのは、すごいことだなと。建設業の仕事は「地図に載る仕事」とよく言われますが、本当に素敵ですよね。

金村:職人さんたちが嬉しそうに語る瞬間は、見ていてホッコリしますよね。

岩波:そうですね。当たり前にみんなが使う場所に、自分たちの仕事が生きている。それを誇らしく話す姿を見ると、この仕事の良さを感じます。

入社から13年、経理から採用まで広がる業務

金村:岩波さんは入社されてどのくらいになりますか?

岩波:13年ほどになります。全くの未経験で入社しました。最初は経理だけだったのですが、採用をやる中で少しずつ仕事の幅が広がっていきました。

金村:印象に残っている仕事や、地域の変化を感じることはありますか。

岩波:石彫公園の前の道路ですね。昔ホテルがあった場所を解体して、道路を通す工事を当社でやらせていただきました。Googleマップなどで過去の経緯を見たり、駅前の再開発を見たりすると、やはり印象に残ります。

文系・未経験者・高校生まで広がる採用の門戸

金村:採用のお仕事について伺います。この10年で採用の状況はどう変わりましたか。

岩波:以前は大学や専門学校で専門分野を学んだ方を採るのが中心でしたが、近年は未経験の文系の方や、高校生の採用も増えてきました。普通科の生徒さんも含めて、バックグラウンドを問わず採用しています。

金村:学部学科を問わないというのは、大きな方針転換ですね。

岩波:何を勉強したかよりも、これからどうしたいかという意欲を優先しています。現場の親方衆も「やる気があれば大歓迎だ」と言ってくれています。

現場の理解と「やる気」を重視する社風

金村:「建築学科の奴しか認めない」というような声は出なかったのですか。

岩波:聞いたことがないですね。私が採用を始めた時は手探りでしたが、各事業部の親方を集めて「こういう形で採用したい」と確認した際も、建築・土木の両方から「学部学科は問わなくていい」と言ってもらえました。

金村:少子高齢化で採用が厳しい中、工夫されているのですね。

岩波:困っていないと言ったら嘘になりますが、採用の窓口を広げて、育てていけたらいいなというマインドに変わってきていると感じます。

DXの第一歩はコミュニケーションツールの導入

金村:デジ建ということで、デジタル化やDXの取り組みについてお伺いします。

岩波:数年前、まず最初に取り組んだのが社内のコミュニケーションツールです。それまではメールや電話だけだったのを、チャットソフトを導入しました。5、6年前のことです。

金村:チャットツールの導入はスムーズでしたか?

岩波:皆さん使ってくれています。特に新入社員同士や、若手が先輩に質問する時に、メールよりもハードルが低くてやりやすいようです。クラウドを使ったファイル共有も同時に始めました。

「建設ディレクター」による現場の分業化

金村:情報の検索や共有も楽になりますよね。他にもありますか?

岩波:「建設ディレクター」の養成を進めています。社員に講座を受講してもらい、主に公共工事の書類作成などを、現場監督の業務から分担する仕組みです。今は土木の方でテスト運用している段階です。

金村:現場の負担を分業で減らしていくのですね。

岩波:現場の遠隔管理とまではいきませんが、監督がやる業務をバックオフィス側でサポートし、より現場に集中できる環境を作りたいと考えています。

建築現場でのBIM活用と設計・施工の連携

金村:建築の現場ではいかがでしょうか。

岩波:建築の方でもBIMのソフトウェアを導入しています。設計した図面がそのまま現場の施工図になるような活用を進めています。

金村:スワテック建設さんのような総合建設業ですと、自社で重機を保有するよりも、そうした設計や管理のデジタル化が重要になりますか。

岩波:そうですね。重機についてもICT建機を活用しています。公共土木工事では、座標データから施工する実績も増えてきています。

丁張りが不要になるICT建機と3Dデータの威力

金村:ICT建機を導入した現場での変化はありますか。

岩波:ベテラン社員に聞くと、昔は山の中で数人がかりで丁張り(測量)をしていたそうです。それが今は測量機の自動追尾機能を使えば一人でもできます。さらに3D図面を使えば、そもそも丁張り自体がいらない場合もあります。

金村:省力化がかなり進んでいるのですね。

岩波:はい。諏訪のような山間部の土木では、こうした技術が非常に便利です。協力業者さんも対応が進んできており、今後も積極的に進めていく方針です。

デジタル化の課題は「全社員への浸透」

金村:デジタル化を進める上での苦労はありますか?

岩波:やはり、使える人とそうでない人のギャップですね。一度使った人は次も使いますが、まだ手をつけていない層との差をどう埋めるかが課題です。

金村:忙しいと、つい今までのやり方に戻ってしまいますよね。

岩波:工期が迫っていると「とりあえず今回は今までのやり方で」となりがちです。そこをどう全体に広めていくか。教える側も忙しいので、全社員に浸透させるプロセスが今の課題だと感じています。

社内書類のペーパーレス化で見えてくる効率化

金村:今後さらに進めたいデジタル化はありますか?

岩波:社内の書類とそのプロセスを見直したいです。工事の受注報告や、終わった後の精算書など、今はExcelで作ってプリントアウトして回しています。

金村:そこをデジタル化するとどう変わるのでしょうか。

岩波:単にデジタルにするだけでなく、そのプロセス自体が本当に必要かを見直したい。ペーパーレス化を進めることで、現場の社員がより自分の業務に集中できるようになればいいなと思っています。

2024年問題への対策と残業削減への思い

金村:建設業の2024年問題、残業規制についても意識されていますか。

岩波:もちろんです。現場の負担をどれだけ簡素化できるか。必要な部分は残しつつ、不要なプロセスは削ぎ落としていきたい。

金村:それが残業の削減に直結するわけですね。

岩波:はい。現場が夕方に終わった後に書類を作るという状況を、少しでも改善したい。そうすることで、社員がより健康的に、長く働ける環境にしていきたいです。

SBT認証取得と脱炭素社会への取り組み

金村:未来の話として、今後取り組んでいきたいテーマはありますか。

岩波:脱炭素への取り組みです。昨年11月にSBTの中小企業版の目標を立てて、認証をいただきました。

金村:建設業として、どのように脱炭素に関わっていくのですか。

岩波:諏訪は製造業が多いので、サプライチェーンの中で脱炭素の取り組みは必ず求められるようになります。グリーン電力の契約や太陽光パネルの設置など、お取引先企業の環境対応をお手伝いできるようにしていきたいと考えています。

50年、100年先も続く企業を目指して

金村:岩波さん自身のこれからの目標を教えてください。

岩波:私はバックオフィスの人間として、社員が現場で安心して、納得して働ける環境や社内体制を整えるのが役割です。社員が会社に対して満足感を持てる仕組みづくりを進めたいですね。

金村:時代に合わせて、建設業のイメージも変えていきたいですか。

岩波:はい。昔ながらの「背中を見て覚えろ」という時代ではなくなっています。若い子たちが安心して入ってこられる、そして諏訪の街を支える誇りを持てる、そんな会社として50年、100年と続けていきたいです。

■スワテック建設株式会社 https://www.swatec.co.jp/
■LCV-FM https://lcvfm769.jp/

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