中国シーリング工事業協同組合
更新日:2025/8/19
【同級生が同時期に就任】
2009年に開催した中国シーリング工事業協同組合の通常総会で、理事長に槻谷秀典氏(ツキタニ工業・代表取締役)、副理事長に佐々木聡氏(サンゼオン・代表取締役)が就任した。先代の理事長から「若返りが必要だから」との指名により突如依頼された重責。断る権利は持ち合わせておらず、「旧知の仲である同級生同士なら、多少の困難は乗り越えられるかもしれない」と考え、「その場で引き受ける意向を伝えた」と2人は声を揃える。それから15年近くの月日が経過したが、その関係性は今なお強固なままで団体の運営を続けている。
と佐々木聡副理事長(右).jpg)
【全国シーリンググランプリ大会の実績と効果】
長い間、組合としては国家資格制度「シーリング防水工事作業」技能検定試験のサポートを主軸に活動してきたが、近年では培った技能を競う「全国シーリンググランプリ大会」が組織の活性化を果たしている。特に今年の全国大会では、関西シーリング工事業協同組合の予選で優秀な成績をおさめた実習生のポン・チャントッチ氏(シーレックス)が優勝を果たすなど、これまでにない展開を生み出している。シーリンググランプリは、関西シーリング工事業協同組合がシーリング技能士の更なる技能の研鑽とモチベーションアップを目指し、10年以上前に始められた事業である。目的に賛同した様々な地域の組合が参加可能であり、2023年に全国組織で開催される運びとなった。各地域のシーリング技能者が全国で一同に会することで、特に優れた技能や道具が共有されることになり、地域間でのコミュニケーションを図ることで、業界全体の活性化・発展に繋げている。

【技術習得の先にある景色】
組合としては、4週8閉所の定着を目指すなど、若手入職者を増やするための取り組みも実施しているが、槻谷理事長は「まだ鮮明な効果を出せていない状況下にある」と本音を述べる。シーリングは、1度工事を担当すると、その後も定期的にメンテナンスの依頼を受けるなど、次に繋げられる業務も多い。「特に今受け持っている案件には、先代から引き継いだ工事も複数あり、このバトンを次の世代に渡す使命も私たちは担っている」と佐々木副理事長は強調する。技術の習得が経験則に比例する比重が大きいなど、一定以上のトレーニングの蓄積は重要になる。しかし、それを乗り越えれば、建物の調査から施工、引き渡しまで全て1人で行うこともでき、顧客から直接感謝の言葉をかけられた点。また、自身が行った調査の見立てと現実が全て一致した点など、「シーリング工事は、他では味わえない充実感を得ることができる魅力的な仕事」と醍醐味を話す2人の笑顔が印象的である。

【団体としての強みを活かす】
理事長・副理事長の就任時から約16年。しばらくは団体の代表を務める意向を保ちつつ、「今後は代替わりの準備にも入りたい」と槻谷理事長は率直に話す。近年では、岡山の企業が組合員に加わるなど、徐々にだが増員も実現している。しかし、中国エリアでは依然として広島の会社が多い現状を受け、「他地域での会員増強も手掛けることで、業界内で影響力を少しでも上げていきたい」と佐々木副理事長は明確な意志を示す。会員が増えれば、組織としての説得力が増し、適正な利潤を追求できる可能性も高まる。組合にある技能検定試験・全国シーリンググランプリ大会・シーリングスクールなどの強みを、今後の躍進に繋げていく方針があるようだ。「建設業界におけるシーリング工事の地位向上、シーリング技術の向上を目指す」と銘打つ中国シーリング工事業協同組合。この追い風をどのように活かすことができるのか。「私たちシーリング工事のプロ集団が、為すべきことは多い」と2人が語るように、これから組合が実施する事業に注目である。


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この記事を書いた人

クラフトバンク総研 編集長 佐藤 和彦
大学在学時よりフリーライターとして活動し、経済誌や建設・不動産の専門新聞社などに勤務。ゼネコンや一級建築士事務所、商社、建設ベンチャー、スタートアップ、不動産テックなど、累計1700社以上の取材経験を持つ。
2022年よりクラフトバンクに参画し、クラフトバンク総研の編集長に就任。企画立案や取材執筆、編集などを担当。現在は全国の建設会社の取材記事を担当。