クラフトバンク総研

匠の心、未来へ「KOTAKE」~株式会社小竹組

更新日:2026/1/17

2025年8月31日(日)15:00~15:55

株式会社小竹組 建築部 中村真さん、総務部 岡本愛可さん、設計・企画部 木村亮太さん

讃岐の宮大工として明治28年に創業、創立130周年を迎える香川県高松市の株式会社小竹組。公共施設や学校、病院、商業施設、マンションなど多種多様な建築物を施工し、東京にも支店を設けて香川近県だけでなく全国展開の真っ最中です。従業員の資格取得の為に無償で資格学校の全額補助をするなど、若い人材の育成にも積極的です。番組では、建築部 中村真さん、総務部 岡本愛可さん、設計・企画部 木村亮太さんが、それぞれのチームの立場から仕事への熱い思いを語っていただきました。(香川県高松市 FM815にて収録)

創業130周年を迎えた香川の総合建設業「小竹組」

クラフトバンク金村(以下、金村):まずは小竹組がどのようなお仕事をされている会社なのか教えていただけますか。

中村真さん(以下、中村):弊社は今年で創業130周年を迎える総合建設業、いわゆるゼネコンです。香川県を本拠地として、東京や愛媛にも拠点を置いており、中四国だけでなく関東方面にも力を入れています。今年4月には東京営業所が支店へと昇格しました。

金村:130周年というのは歴史がありますね。従業員数や平均年齢はいかがでしょうか。

中村:現在、従業員は90名ほどで、平均年齢は36.1歳です。比較的若い人材が頑張っている会社だと思います。

「原点回帰」を込めて社名を小竹組へ

金村:平均年齢が36歳というのは、建設業界では非常に若いですね。社名の変遷についても伺えますか。

中村:5年前、創業125周年の際に「小竹工業」から「小竹組」へと社名を変更しました。弊社の成り立ちを遡ると、昭和28年の創業当時は宮大工から始まった会社なんです。多くの従業員が支えてきてくれたおかげで今があるという「原点回帰」の思いを込めて、小竹組として新たにスタートを切りました。

金村:宮大工がルーツなのですね。具体的にはお寺や神社などの専門的な建物を手掛けていたということでしょうか。

中村:その通りです。創業者の兄弟が神社仏閣、あるいはお寺などの修繕や建設を専門に行っていたのが始まりだと聞いています。

共同住宅からホテルまで幅広く手掛ける施工実績

金村:現在はゼネコンとして、どのような物件を手掛けていらっしゃるのでしょうか。

中村:最近では共同住宅のマンションをはじめ、スーパーなどの小売店舗、自動車販売店、老人ホーム、倉庫、工場、さらには公共物件やホテルなど、非常に幅広く手掛けています。

金村:首都圏でもお仕事をされているとのことですが、そちらでの実績はいかがですか。

木村亮太さん(以下、木村):首都圏では商業施設やホテルなど、多岐にわたる案件に携わらせていただいています。

金村:地元の四国だけでなく、全国区で活躍されているのですね。これまでの実績があるからこそ、他のエリアでも引き合いがあるのだと感じます。

「お母さんが建てた学校だよ」と娘に自慢できる喜び

金村:岡本さんは、ご自身が携わった物件で印象に残っているエピソードはありますか。

岡本愛可さん(以下、岡本):ジョイントベンチャーで施工に携わった小学校があるのですが、実は今、私の娘がその学校に通っているんです。娘にはいつもこっそり「ここはお母さんが建てたんだよ」と自慢しています。

金村:それは素敵ですね。お母さんが作った学校に通えるというのは、お子さんにとっても誇らしいことでしょう。

岡本:地域に根ざした建設会社として、自分が作ったものが形に残り、それを家族が利用している様子を直接見られるのは、この仕事の一番のやりがいだと思います。

完工翌日に結婚式!中村さんの忘れられない現場体験

金村:中村さんがこれまでのキャリアの中で一番印象に残っている現場を教えてください。

中村:現場責任者として初めて任された、入社5年目の物件です。現場が非常に狭く、資材の搬入が夜間にしかできないような場所でした。実はその時、ちょうど今の妻と結婚するタイミングだったんです。前日まで夜間に資材を荷揚げして、そのまま翌日の結婚式に臨んだという、体力的に非常に過酷でしたが忘れられない思い出です。

金村:それはすごいスケジュールですね。ボロボロの状態で式を挙げられたわけですか。

中村:そうですね。疲れ切った状態ではありましたが、今でもその建物を見ると当時のことを鮮明に思い出します。苦労して建てたものだからこそ、思い入れもひとしおです。

資格取得を100%サポートする手厚い制度

金村:小竹組の福利厚生や教育体制について伺いたいのですが、資格取得の支援が非常に手厚いと聞きました。

岡本:はい、「資格者取得補助制度」を設けています。資格を取得したい社員が予備校に通う費用や、教材費、受講料などを会社が全額、100%補助する制度です。

金村:全額補助というのは珍しいですね。合格してからお祝い金を出す会社は多いですが、通学費用までというのは驚きです。

岡本:社員の成長を全面的にバックアップしたいという考えからです。取得にかかる費用を気にせず、スキルアップに集中できる環境を整えています。

安心してスキルアップに励める「7年間の在籍」ルール

金村:全額補助となると、会社としてもリスクがあるように思えますが、何か条件などはあるのでしょうか。

中村:資格を取得した後、7年間在籍してくれれば返済の必要はありません。普通に仕事を続けていれば、一切お金を払う必要がないという仕組みです。

金村:7年というのは現実的なラインですね。それだけ長く一緒に働いてほしいというメッセージでもありますね。

中村:さらに、無事に合格した際にはお祝い金を別途支給しますし、月々の手当もつきます。今のところは7年としていますが、もっと短くしてもいいと思えるくらい、社員には積極的に活用してほしいですね。

若手が主役となる「平均年齢36歳」の活気ある職場

金村:先ほど平均年齢が36歳と伺いましたが、建設業界では驚異的な若さです。若手社員が増えている要因は何だと思われますか。

岡本:福利厚生を充実させたこともありますが、採用専任の担当者を設けてリクルートに力を入れ始めたことが大きいと思います。各学校を訪問して地道に顔を繋ぐなどの活動が実を結び、ここ5年ほどで若い人材が集まってくれるようになりました。

金村:採用担当の方は、専任で動かれているのですか。

岡本:他の業務も兼務しながらですが、採用シーズンには県外を飛び回って活動しています。入社後のフォローも含めて、一貫してサポートできる体制を整えています。

東京からUターン、小竹組に決めた理由

金村:木村さんは中途入社とのことですが、小竹組に入社されたきっかけは何だったのでしょうか。

木村:以前は東京の設計事務所に勤めていたのですが、地元の香川に戻ることを検討していた際、学生時代の恩師から今の私の上司を紹介していただいたんです。

金村:恩師の紹介だったのですね。入社の決め手は何でしたか。

木村:当時、私が取り組みたいと考えていた「BIM」などのデジタル技術に対する考え方が、会社の方針と合致したことが大きかったです。面接の際も非常に真摯に話を聞いてくださり、ここなら新しいことに挑戦できると感じました。

部署の垣根を超えたフレンドリーな社風

金村:実際に入社してみて、社内の雰囲気はいかがでしょうか。

木村:上下関係の礼節はありつつも、非常にフレンドリーな会社です。部署が違っても気さくに話しかけてくれますし、わからないことがあれば何でも教えてくれる。想像以上に風通しの良い職場だと感じています。

金村:お三方のやり取りを見ていても、コミュニケーションの良さが伝わってきます。若い世代が多いことも、その雰囲気作りに寄与しているのかもしれませんね。

中村:現場の人間も平均年齢は30代前半ですから、同世代が多くて話しやすいというのはあると思います。ベテラン層も若い人の意見を積極的に取り入れようとする柔軟な姿勢を持っています。

バックオフィスのDXで業務効率を大幅に改善

金村:ここからはデジタルの取り組みについて伺います。総務などのバックオフィスではどのようなDXを進めていらっしゃいますか。

岡本:まずは有給休暇などの申請業務をデジタル化しました。以前は紙ベースでしたが、システム上で申請から承認、管理まで完結できるようにしたことで、場所や時間を問わず手続きが可能になり、大幅な時短に繋がっています。

金村:現場から事務所に戻らずに申請できるのは便利ですね。他にはいかがでしょうか。

岡本:スケジュール管理や施設予約、社内通知などのコミュニケーションツールも活用しています。会議室や社用車の予約状況をリアルタイムで全員が把握できるので、非常にスムーズです。アンケート機能なども使って社内の意見集約も効率化しています。

現場管理を変えるクラウドサービスと電子小黒板

金村:工事現場でのデジタル活用についてはいかがでしょうか。

中村:数年前から工事写真の管理にクラウドサービスを導入しています。スマートフォンで撮影した写真がそのままクラウドにアップされ、事務所にいる上司がすぐに確認できる仕組みです。

金村:昔のようにデジカメで撮って、事務所に戻ってからパソコンに移す手間がなくなったわけですね。

中村:そうです。電子小黒板も活用しています。スマートフォン上で黒板を作成して写真に写し込めるので、重い黒板を持ち歩く必要がありません。写真の整理も自動で行われるため、管理業務が飛躍的に楽になりました。

デジタルネイティブ世代が現場の常識を変える

金村:デジタルツールを導入した際、現場の反応はいかがでしたか。

中村:ベテランの監督たちも、一度使い始めるとその便利さを実感して喜んでいます。今の若い世代はスマートフォンを使い慣れていますから、導入への抵抗感はほとんどありませんでした。

木村:20代の若手と話していると、1つの現場が終わる頃には1万枚以上の写真を撮っていることもあるそうです。彼らにとっては「とりあえず撮っておいて、後からクラウド上で良いものを選ぶ」というのが当たり前の感覚なんですね。

金村:撮る枚数も桁違いですね。でも、それだけデータがあれば、後からの確認も確実になりますし、技術の継承にも役立ちそうです。

次世代を担う人材の育成と環境づくり

金村:今後の展望について伺います。中村さんは建築部としてどのような目標をお持ちですか。

中村:2年前から新入社員の教育係を設けているのですが、若手の悩みや苦労を吸い上げ、フォローできる体制をより強固にしていきたいです。現場監督は忙しく、厳しい仕事だと思われがちですが、若手が前向きに取り組める環境を整え、彼らが成長できる手助けをしていきたいですね。

金村:「背中を見て覚えろ」ではなく、しっかりとしたサポート体制を築いていくということですね。

中村:はい。わからないことを聞きやすい雰囲気作りや、定期的な面談を通じて、一人ひとりの成長を会社全体で見守っていきたいと考えています。

「この会社でずっと働きたい」と思える組織へ

金村:岡本さんは、総務・管理の立場からどのような未来を描いていますか。

岡本:各部署の業務をもっと効率化し、福利厚生をさらに充実させていきたいです。社員一人ひとりの声に耳を傾け、より働きやすい環境を整えることで、「この会社でずっと働き続けたい」と思えるような組織にしていきたいと思っています。

金村:社員の満足度が、会社の成長に直結するということですね。

岡本:その通りです。私自身、この会社が大好きなので、その思いを全社員と共有できるよう、現場と管理部門の橋渡し役として全力を尽くしたいです。

BIMを推進し、香川の建設業界を牽引する存在に

金村:木村さんは、ご自身のテーマであるBIMについていかがでしょうか。

木村:私が先頭に立って、社内でのBIM活用をさらに進めていくことが使命だと思っています。現在は、法規チェックに強い国内産ソフトと、意匠設計者にとって使い勝手の良い海外産ソフトの2種類を使い分けて、最適な設計環境を構築しているところです。

金村:2つのソフトを使い分けているのは、かなり高度な取り組みですね。

木村:小竹組だけでなく、香川県、ひいては四国全体の建設業界においてBIMの普及を推進し、それを牽引するような存在になりたいと考えています。3次元で可視化することで、現場の効率化だけでなく、お客様への提案力も飛躍的に向上させていきたいです。

■株式会社小竹組 https://kotakegumi.com/
■FM815 https://www.fm815.com/

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アーカイブ配信:https://audee.jp/program/show/300006512

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