クラフトバンク総研

一般社団法人 愛知県道路標識・標示業協会

更新日:2025/10/21

【計画目標の達成に最善を尽くす】

2025年5月に開催した(一社)愛知県道路標識・標示業協会の通常総会において、鈴木康生氏(㈱キクテック)が新会長に就任した。同協会は協会員45社の専門工事会社と17社の賛助会員で構成されおり、愛知県を中心に交通安全施設の専門工事業者団体として、調査や研究などを主軸にした活動を展開。交通安全を支えるインフラである標識・標示を管理する国・県、市町村に対し、予算要望活動など積極的に展開する。区画線や防護柵の老朽化具合を独自に調査することや、次世代を担う子どもたちを守るボランティアにも注力し、協会の実行力を発揮している。

今年度には、新たに青年部会を立ち上げ「若手同士の仲間づくりを通じ、知見を広げ、次世代につないでほしい」と願いを込め、同部会の自主的な活動をサポートしていく方針だ。愛知県が設定した、「年間の24時間死者数を125人以下」「交通事故重傷者数600人以下」という計画目標の達成を使命とし、「我々の最重要使命は、『命を守る仕事』であり胸を張って次世代に繋いでいく。協会員一丸となって、公益活動や要望活動・研修会・技術提案等協会活動を展開していく」と決意を新たにする。

【子どもを守ろうプロジェクトの継続】

鈴木会長は、「愛知県の交通事故死者数は2015年から減少傾向にあるが、まだ47都道府県の中ではワースト2位に置付けるなど厳しい状況が続いている」と過酷な現実と向き合う。協会が特に力を入れている活動は、同協会発祥とされている「子どもを守ろうプロジェクト」。小学生、特に1~2年生は交通ルールの理解が不十分で事故率も高い。毎年、自治体からの要望を受け小学校周辺で「施工寄付」という形式で安全施設の提案・施工を実施している。2025年は知多市の新知小学校の通学路となっている市道を対象に、協会が無償で区画線とカラーエスコートマークなどを施工した。宮島壽男市長からの感謝状の贈呈や、地域の保護者・児童から感謝の言葉を貰えたことに、「毎年、建設業者としての存在意義を再確認できている」と胸を張る。20回目を迎える同プロジェクトは、今では全国の協会でも展開している。「多くの人々の協力を必要とする地道な活動だ。しかし、協会が有する技術の駆使により、1人でも多くの交通被害者が減ると信じている。これからもプロジェクトの継続により、地域の安全を守っていく」と語る様子は熱を帯びている。

寄付施工以外にも、春夏秋と年末に全国交通安全運動に参加する。秋の交通安全運動時では、協会員全員で3地区に分かれて「交通安全!」を声がけし、幸運を運ぶとされる「四つ葉のクローバー」(反射機能)キーフォルダーを配布するなど活動は多岐に及ぶ。

【路面標示の重要性を周知する】

協会が長期的な課題として捉えているが、自動運転の普及に伴う区画線の再生である。自動運転レベル4の社会実装を見据え、自動車メーカーなどが鎬を削る技術開発により目まぐるしい進歩を遂げているが、鈴木会長は「自動運転に不可欠な区画線が果たして健全なのか?」と疑問を呈す。区画線維持管理の基準は全5ランクで評価し5が健全、1が緊急措置段階と定義され、車線逸脱防止支援システム(LKA)においてはランク3で塗替えが必要とされる。「ランク3は、一部舗装が確認でき、形状は維持されているものの表面劣化や割れ、クラックが見られるものだが、再塗装が追いついていない」との認識を持つ。「高精度GPSやAIによる路面状況解析などのテクノロジーで補うことも可能と聞くが、基本は区画線に準拠している。かすれや剥離は、機能上大きな障害になる可能性が高く、『ランク3』での塗替えを早急に進める必要がある」と危機感を募らせる。「愛知県内における投資額は、横ばいで推移しているが、人件費や資機材の高騰により実際の工事件数は減少傾向にある」と指摘する目は真剣そのもので、主要道路の再塗装や高反射塗料の使用など、国や県へ引き続き路面標示の重要性を訴えかけていく方針を固めている。

交通安全施設技術研修会

次世代研修会・交流会

【安全・安心な道路づくりを】

(一社)愛知県道路標識・標示業協会は、「交通事故による悲しみを1つでも減少させる」という命題を果たすため、これまで数多くのバトンを受け継いできた。歴代の会長の前山会長、加藤会長の「社会情勢や技術進歩を鑑み協会業務の細部に至るまで、現状にあった最適化が求められる」という判断の下、「次世代研修会」を改編し、「青年部会」を設立して新たな船出を迎えた。次世代の人材確保・育成、交通安全の重要性を浸透させることで、協会運営の起爆剤となり得るのか。時代の過渡期を迎えているからこそ、あらゆる判断が難しく責任は重く圧し掛かる。日常生活から切っても切れない交通安全。今後も(一社)愛知県道路標識・標示業協会は、「命を守る専門工事業」として、あらゆる方策を練った事業を展開していくはずだ。

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