下水道インフラ老朽化対策に関する調査 セイスイ工業
更新日:2025/11/15
セイスイ工業(千葉県若葉区)は、下水処理業務に関わっている自治体職員102人を対象に、下水道インフラ老朽化対策に関する実態調査を実施した。調査期間は、2025年10月6日〜10月10日。


今回の調査では、72.6%が下水道インフラの事故リスクを「高い」と認識する一方、約4割が予算不足により対策が進まないと捉えていることが明らかになった。2025年以降に発生した下水道管破損による道路陥没事故の報道を受けて、76.5%の自治体が何らかの具体的な対応を行っており、対応内容は、緊急点検の実施が66.7%で最多、対策計画の見直しが44.9%、予算要求が38.5%と続いた。

災害や事故による下水道施設の機能停止に備えたバックアップ体制について、十分に整備されていると回答したのは31.4%にとどまった。一部のみ整備されているが41.1%、全く整備されていないが15.7%に上った。下水道インフラに関する事故リスクについて、非常に高いと思うが40.2%、やや高いと思うが32.4%で、合わせて72.6%が高いと認識している。事故リスクが高いと感じる理由は、法定耐用年数50年を超えた下水道管路が多いからが54.1%で最多である。

道路陥没は、工事現場の安全性を脅かすだけでなく、緊急対応による工程への影響も大きい。予算不足や人員不足により対策が進まない中、仮設水処理プラントなど柔軟なバックアップ体制の整備が急務となっている。限られた予算の中でも、最低限の即応力を確保するため、自治体は仮設対応の導入を検討すべき時期に来ている。

調査結果:chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://seisui-kk.com/report_20251106.pdf
この記事を書いた人
クラフトバンク総研 記者 信夫 惇
建通新聞社に10年間勤務。東京支局・浜松支局・岐阜支局にて、県庁などの各自治体や、建設関連団体、地場ゼネコン、専門工事会社などを担当し、数多くのインタビューや工事に関する取材に携わる。
2024年にクラフトバンクに参画。特集の企画立案や編集、執筆などを手掛けている。

