クラフトバンク総研

住まいのおたすけ隊

更新日:2026/1/7

【住まいのおたすけ隊を再定義】

島根電工(島根県松江市)は、昨年5月にグループ事業である「住まいのおたすけ隊」のリブランディングを実施した。住まいのおたすけ隊は、住宅工事に限らずエンドユーザーからの直接工事を受注する事業。フランチャイズ(FC)事業として、加盟企業が必要とする島根電工のノウハウを、全力でサポートできる体制を構築している。2013年の発足当初から「住まいのおたすけ隊は、電気・通信・設備業者ではなく、サービス業である」という考えを基に、小口・提案工事のノウハウをパッケージ化した地域密着型のビジネス事業として展開してきた。しかし、フランチャイズ本部・本部長の青戸智雄氏は、「時代が急速な変化を遂げる中、新たな取り組みを求める加盟企業も増え始めた状況を受け、今回の刷新を決断した。この先は、『島根電工が行う全ての活動がコンテンツ』という前提に立ち、当社が培ってきたあらゆる知見を届けていきたい」とスタンスを示す。現在は35社の企業が所属しており、各社の需要を的確に把握した進展ができるか注目である。

【成長を続ける、地域のリーディングカンパニーへ】

2025年5月に開かれた加盟企業の代表が参加する「経営者会議」では、FC本部から新たな方針が発表された。これまで「フランチャイズ」と銘打ってはいたが、島根電工グループをロールモデル(規範となる存在)と位置付け、本部と加盟事業者はアライアンス(同盟・提携)の関係にあると改めた。開始から半年近くが経過した現状を、青戸部長は「既に良い兆候は表れている」と分析。関西地域に所属する企業間では、2ヶ月に1度の頻度で集まり、経営戦略や人財育成、働き方改革に対する成功事例などを共有することで、お互いを高め合うなど独自の動きも生まれている。「当社からの提案ではなく、各社が自主的に行っている点がポイント。同規模かつ近いエリアの会社から習得できる経験・知識は多いと再認識できた。各企業の成長を活かすネットワークモデルは構築しつつあると感じている」と自信を覗かせている。

【「共創」に向けた主体的な動き】

今年10月には、北海道・東北・関東の3ブロックで初めて「おたすけ隊共創フランチャイズ・グロース会議」を開催した。同会議は、加盟企業間の相互理解や各社が継続的な成長を遂げるには、どのような指針が必要かを話し合うために実施。各エリアで真っ先に挙がった議題は、業界全体の最重要課題である「人財の採用・育成・定着」について。各社は、従来の工業高校依存からの脱却や、文系4大卒を受け入れる検討、SNSの駆使、海外人財を含めた採用チャネルの多様化などの施策を提案。当日は、内定段階からの手厚い資格取得を支援する想定や、家族参加型イベントを開催することで定着率を上げる策などにも話が及んだという。この他、各地で集中的に議論した中には、「収益改善と新領域への挑戦」「DXと組織風土改革による経営基盤強化」などが主流を占めた。青戸部長は「会議では、地域の特性を活かした既存の経営理念を尊重することをベースに、非常に有意義な情報交換ができた。現在も改善・改良を繰り返している段階だが、人が集まる成長ネットワークを構築できるよう、双方向による意思疎通を重視したい」と見立てを述べる。会議後は、「他社の成功事例を共有する採用フォーラムを開催してはどうか?」など具体的な話題が出るなど、既に「共創」に向けた主体的な動きが始まっているようだ。

【加盟企業50社を実現し可能性を拡張する】

青戸部長は、「住まいのおたすけ隊は、加盟事業者の皆さまと『共に創る』ものであり、この可能性を更に拡張するには、加盟企業を50社にする必要がある」と展望を話す。これまでは定期的に送るDMなどを中心に企業を募ってきたが、「今後は加盟企業から自然と『このフランチャイズ加盟して良かった!』との声が上がる戦略を練り、それが口コミとして広がる政策を採る」と語る。本部としても、次世代幹部育成プログラムや研修コンテンツなどの支援策を提示するなど、今までにない流れを作れている。島根電工が掲げるスローガンは「あたりまえの毎日をつくる」。旧態依然とした建設業のイメージを少しでもフランチャイズの力変えていけるよう、今後も住まいのおたすけ隊は共存共栄を主軸にした組織運営を目指していく方針である。

YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCHX3c1RQGKL8ewFk9k3tz4g/videos

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