国土交通省が「スライド制度」を試行導入
更新日:2026/1/11
国土交通省は、建設コンサルタント業務などの委託契約において、賃金や物価の変動分を契約金額に反映させる「スライド制度(業務スライド)」を試行導入することを発表した。設計技術者単価の上昇や業務期間の長期化を踏まえ、受注者が適切に価格転嫁できる環境を整備する狙いがあり、対象は2026年度以降に新規契約する業務からとなる。

今回導入する「業務スライド」は、既に工事請負契約で運用中のスライド条項を業務委託にも適用するもの。急激な賃金水準や物価水準の変動があった場合、基準日以降の「残業務量」に対する変動額が一定の割合を超えれば、委託料の増額(または減額)請求が可能になる。試行に当たっては、スライド額を正確に算定するため、まずは「着手済」か「未着手」かが明確に確認できる業務から適用を開始する予定。具体的には、数量総括表などの項目ごとに区分し、基準日以前に手をつけていないことが明確なものを「残業務量」としてカウント。密接に関連する作業の一部でも着手している場合は、その全体を「着手済(履行済)」と見なす方針である。

国土交通省は、今後も契約後のフォローアップ調査を実施し、試行結果を検証しながら適用の拡充を検討していく姿勢を示している。
この記事を書いた人
クラフトバンク総研 編集長 佐藤 和彦
大学在学時よりフリーライターとして活動し、経済誌や建設・不動産の専門新聞社などに勤務。ゼネコンや一級建築士事務所、商社、建設ベンチャー、スタートアップ、不動産テックなど、累計1700社以上の取材経験を持つ。
2022年よりクラフトバンクに参画し、クラフトバンク総研の編集長に就任。企画立案や取材執筆、編集などを担当。現在は全国の建設会社の取材記事を担当。

