砕石は地域No.1シェア!地元・宮古市の発展のために~陸中建設株式会社
更新日:2026/1/10
▼目次
- 1 本州最東端、岩手県宮古市からの来訪
- 2 創業62年、地域を支える「地場のゼネコン」
- 3 建築・土木・採石・不動産の四本柱
- 4 民間工事7割、工場や倉庫の建設に強み
- 5 異業種から建設業界へ。前職の知識を活かす
- 6 前職の会社からの受注という「恩返し」
- 7 継ぐつもりのなかった家業への「反骨心」
- 8 建設業へ入るきっかけとなった「宮古のお祭り」
- 9 「陸中」の名に込められた郷土への愛着
- 10 自動販売機の売上で地域貢献。絵本の寄贈
- 11 サンタに扮して届ける「特大絵本」
- 12 ショッピングモールの中にある本社オフィス
- 13 宮古の方言が由来の「おもっせ広報」
- 14 建設業の醍醐味は「地図に残り、人に響く」
- 15 ミッション「願いを築く」に込めた想い
- 16 現場の大工さんも共有する「おせっかいな優しさ」
- 17 7年前から導入している「LINE WORKS」
- 18 お客様との距離を縮めるLINE活用
- 19 「kintone」を活用したデータ管理の集約
- 20 異業種からの転職組が主導するデジタル化
- 21 「サーバーなし」の状態からの改革
- 22 失敗を恐れず後押しする経営姿勢
- 23 未来へのビジョン。自ら「仕掛ける」建設会社へ
- 24 地域の垣根を超えたコラボレーション
- 25 意外なヒット商品。採石の「ネット通販」
- 26 本州最東端から「外貨」を稼ぐ
2025年4月6日(日)15:00~15:55
ゲスト:陸中建設株式会社 代表取締役 伊藤峻さん
1963年会社設立「地域に何ができるのか、それがすべての発想の原点である」を企業理念とし、宮古市を中心とした岩手県内にて建築・土木・砕石・不動産事業を展開する陸中建設株式会社。砕石は地域No.1のシェアをもち、今年で62周年を迎えました。「人のつながりで受注に結びついている」と語る、若き三代目・伊藤社長。地元・宮古への愛や感謝がにじみ出る収録となりました。
本州最東端、岩手県宮古市からの来訪
クラフトバンク中辻(以下、中辻):本日は岩手県宮古市からお越しいただいたということで、遠いところありがとうございます。宮古と聞くと南の方を想像しますが、岩手県にあるんですよね。
伊藤峻さん(以下、伊藤):岩手県の宮古市は、本州最東端に位置する場所です。東京からだと新幹線と車で5時間、6時間ぐらいかかってしまいますが、とってもいいところです。
クラフトバンク津吉(以下、津吉):本州最東端、いつか行ってみたいです。お土産もいただいたそうで。
伊藤:姿の「いかせんべい」ですね。宮古ではとても有名なところなので、ぜひ後で召し上がってください。
創業62年、地域を支える「地場のゼネコン」
中辻:早速ですが、陸中建設さんがどんなお仕事をされている会社なのか教えていただけますか。
伊藤:陸中建設は1963年に会社設立されまして、今年で62年目を迎える会社です。「地域に何ができるか、それがすべての発想の原点である」という企業理念として、宮古市を中心に建設業を営んできました。
津吉:地域の方からは、どのような立ち位置の会社として見られているのでしょうか。
伊藤:地域のゼネコン、地場のゼネコンというふうな位置づけの会社で、今は営業しております。
建築・土木・採石・不動産の四本柱
中辻:やっていらっしゃる業種としては、どのような展開をされているのですか。
伊藤:建築、土木、採石、不動産事業の4つをメインで展開しております。
津吉:その中でも、特にメインとなっているのはどの分野なのでしょうか。
伊藤:建築がメインで、だいたい7割ぐらいが建築、土木・採石が2割から3割、不動産が1割ぐらいの割合でやってます。採石に関しては、地元では一応ナンバーワンのシェアを持ってるかなというふうに思っています。
民間工事7割、工場や倉庫の建設に強み
中辻:建築が7割ほどを占めているとのことですが、どのような建物を建てられることが多いのですか。
伊藤:民間の住宅もそうなんですけれども、主に工場ですとか倉庫ですとか、そういうふうなちょっと大きめの建物を建てるのが得意な会社です。
津吉:公共工事と民間工事の比率はどのようになっていますか。
伊藤:公共工事と民間工事の割合としては、民間工事の方が今は7割ぐらいを占めている会社ですね。
異業種から建設業界へ。前職の知識を活かす
中辻:伊藤さんは、入社される前はどのようなお仕事をされていたのですか。
伊藤:私は前職は電子部品業界で働いておりました。建設業界に入って10年ぐらい経ちましたけれども、まだ製造業の知識の方が少し強いかなというふうに思っています。
津吉:建設業に飛び込まれて、前職の経験が活きたと感じる場面はありますか。
伊藤:やはりお客様の特徴を捉えることができたのが、受注に繋がったのかなと思っています。前職の知識があったからこそ、細やかなプレゼンができた部分もありました。
前職の会社からの受注という「恩返し」
中辻:これまでの仕事の中で、特に嬉しかった、あるいは印象に残っている仕事はありますか。
伊藤:前職の電子部品業界の会社から、お仕事をさせていただいたというのが今までで一番嬉しかったですね。
津吉:元いた会社から受注するというのは、すごいドラマですね。どういった経緯だったのでしょうか。
伊藤:人の繋がりですね。私が入社した時の直属の上司がそのプロジェクトのリーダーでして、その方から入札に参加しないかとお声がけいただきました。そこで弊社としても頑張りまして、受注させていただいたことが一番印象に残っています。
継ぐつもりのなかった家業への「反骨心」
中辻:もともと家業を継ぐことは決めていらっしゃったのですか。
伊藤:実は、絶対に継ぎたくないと思っていました。親がやっていた会社に入るか、違う道を進むか迷った時、宮古で働くのはいいけど自分の会社は継ぎたくないなという反骨精神があったんです。
津吉:敷かれたレールを歩きたくないという思いがあったのですね。
伊藤:そうですね。負けず嫌いというか、親の言うことは聞きたくないという気持ちがありました。それで最初は電子部品業界に進んだんです。
建設業へ入るきっかけとなった「宮古のお祭り」
中辻:そこからどのようにして建設業界、そして陸中建設へと心が動いたのでしょうか。
伊藤:30歳の時に、宮古のお祭りにスタッフとして参加したことがきっかけでした。そこで仮設トイレや照明を設置する仕事をしていたのが建設業の方々だったんです。
津吉:お祭りの裏方として働く建設業の方たちの姿を見て、何か感じるものがあったのですか。
伊藤:世界に物を売ることも誇らしいことだけど、宮古にもっと何かをするべきではないか、俺がいるところはここではないかと思って転職をしました。あの日、自分の生きる道はこっちかなという覚悟が決まりました。
「陸中」の名に込められた郷土への愛着
津吉:社名にある「陸中」という言葉には、どのような背景があるのでしょうか。
伊藤:「陸中」は明治時代ぐらいの国の名前ですね。三陸海岸は陸前、陸中、陸奥(むつ)とありまして、その陸中と言われていたので、おじいさんが付けたんだと思います。
中辻:もともとは「陸中砂利建設」というお名前だったとお聞きしました。
伊藤:はい、採石業から始まった会社ですので、その名前でした。採石は祖父の代から60年前からずっと地域に根付いてやってきたので、今もナンバーワンのシェアを維持できているのだと思います。
自動販売機の売上で地域貢献。絵本の寄贈
中辻:お祭りで感じた「地域のために」という想いは、現在どのような活動に繋がっていますか。
伊藤:父からも「地域に貢献しなければいけない」とずっと言われていたので、自然とそういう考えになりました。例えば、会社に設置している自動販売機の売上の一部を、地元の保育所や保育園に絵本として寄贈する活動を数年前からやっています。
津吉:自動販売機の利益を絵本に変えて贈る。とても素敵なアイデアですね。
伊藤:おかげさまで好評で、お父さんやお母さんからも「ありがとうね」と言っていただけることもあります。
サンタに扮して届ける「特大絵本」
伊藤:寄贈するのは普通の絵本じゃなくて、A3ぐらいの大きな絵本なんです。私も初めて見た時は驚きました。
中辻:A3サイズ!それは子供たちからすれば、相当なインパクトがありますね。
伊藤:子供の体の半分ぐらいあるデカい絵本なんです。それを園児たちが読んでいる姿を見ると、こっちも嬉しくなりますね。毎年クリスマスの時期には私がサンタの帽子を被って、サンタに扮して持っていくんです。毎年元気をもらっています。
津吉:サンタさんからそんなに大きな絵本をもらったら、一生の思い出になりそうです。
ショッピングモールの中にある本社オフィス
中辻:陸中建設さんの本社は、少し変わった場所にあるとお聞きしました。
伊藤:会社の敷地内に、ファミリーレストランやドーナツ屋さん、メガネ屋さん、服屋さん、本屋さんなどがある複合施設がありまして、その中に本社があります。
津吉:ショッピングモールの中に建設会社の事務所があるなんて、初めて聞きました。
伊藤:そうかもしれませんね。少ないかもしれません。ドーナツを買いに来た時に弊社の建物が見えたり、ロゴが見えたりすることで、知らず知らずのうちに記憶に残っていればいいなと思っています。
宮古の方言が由来の「おもっせ広報」
津吉:その複合施設の名前がまた面白いんですよね。
伊藤:「おもっせ広報」と言います。「おもっせ」というのは方言で「面白い」という意味なんです。宮古あたりや岩手全体でも通じると思います。
中辻:「面白い広報」で「おもっせ広報」。親しみやすさが伝わりますね。
伊藤:父が命名したんだと思います。親しみやすい広場を作りたいというイメージがあったのではないでしょうか。地域との繋がりを持って、親しみやすい場所にしたいという想いが込められています。
建設業の醍醐味は「地図に残り、人に響く」
中辻:建設業界に入って10年、伊藤さんが感じるこの業界の魅力は何でしょうか。
伊藤:建設業はよく「地図に残る仕事」と言われますが、私は「人」にフォーカスしたいと思っています。安いだけで受注が来るわけではない。基本機能は同じでも、「あなたのところで建てたいよ」と言っていただけるように、人から選ばれることが大切です。
津吉:機能や価格以上の「付加価値」を人に感じてもらう、ということですね。
伊藤:相手に奉仕する心がないと営業はしていけません。相手を幸せにしたい、喜んでもらいたいと思って仕事をすると、すごく楽しくなってくるんです。
ミッション「願いを築く」に込めた想い
中辻:陸中建設さんでは「ミッション・ビジョン・バリュー」を定められているそうですね。
伊藤:ミッションは「願いを築く」と設定しています。私たちは住宅や工場を建てますが、建てて終わりではありません。
津吉:建てた後の、そこでの生活や活動こそが本番である、と。
伊藤:そうです。お客様にとっては、建ててから幸せな生活を送ったり、生産活動をしたりすることが目的です。その「願い」を私たちが一緒に考えて形にしていく。図面には載っていないことを提案していくのが私たちの仕事だと思っています。
現場の大工さんも共有する「おせっかいな優しさ」
伊藤:うちの大工さんもそうなんです。「この高さに棚を作るより、もうちょっと低くした方が使いやすいよ」といったアドバイスを現場レベルでやっています。
津吉:マニュアル通りに作るのではなく、使う人の幸せを現場で考えているのですね。
伊藤:お客様がハッピーになり、うちもハッピーになる。そんなウィンウィンの関係を築きたいというミッションが、社員にも浸透してきていると感じています。
7年前から導入している「LINE WORKS」
中辻:ここからはDX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組みについて伺いたいと思います。コミュニケーションツールとして何を導入されていますか。
伊藤:一番は「LINE WORKS」ですね。7年ぐらい前から導入しています。リアルタイムで従業員間の情報交換をしたいという思いがありました。
津吉:7年も前から!かなり早い段階での決断だったのではないですか。
伊藤:当時はまだLINE WORKSぐらいしか選択肢がなかったのですが、スピード感を持って営業したい、お客様の声をすぐに共有したいという目的で導入を決めました。
お客様との距離を縮めるLINE活用
伊藤:LINE WORKSは普通のLINEとも連携できるので、住宅の施主様など、お客様とのやり取りにも使っています。密な連携が必要な時には非常に便利です。
中辻:最近は不動産会社さんなどでもLINEでのやり取りが主流になっていますよね。
伊藤:メールだと「お世話になっております」から始まって大変ですが、LINEなら気軽にお客様と心の近さを感じながらやり取りできます。「今日はここまで進みました」と写真や動画で報告できるのも、スピード感があっていいですね。
「kintone」を活用したデータ管理の集約
つよし:LINE WORKSの次に導入されたデジタルツールは何でしょうか。
伊藤:「kintone」ですね。顧客管理や売上管理、社員評価、協力会社のデータ管理など、管理手法のひとつとして多角的に活用しています。
中辻:情報を分析したり管理したりする中心的な役割ですね。
伊藤:今はkintoneをいじれる社員が2人いまして、定期的にメンテナンスをしたり、新しい管理手法を追加したりしています。デジタル人材が育ってきたなと感じています。
異業種からの転職組が主導するデジタル化
中辻:そのkintoneを担当されている方は、もともとデジタルに詳しかったのですか。
伊藤:一人は製造業や水産加工業から転職してきた社員で、もう一人は新卒から入ってくれた子です。営業から総務的な方にシフトしてもらったのですが、彼らを「育てていった」という感覚です。
津吉:「勉強していきましょう」と声をかけて、自社でデジタル人材を育成されたのですね。
伊藤:若手はやはりタブレットが欲しいと言いますね。紙ベースではなくタブレットで管理したいという声があれば、積極的に導入して提供しています。
「サーバーなし」の状態からの改革
中辻:デジタル化を進める上で、過去に大きな壁はありましたか。
伊藤:私が10年前に今の会社に入った時は、なんとサーバーがなかったんです。給与計算のデータすら「あの人のパソコンに入ってるよ」というスタンドアロンの状態でした。
津吉:それは、そのパソコンが持ち去られたり壊れたりしたら終わりですね。
伊藤:まさに「これはまずい」と思ってサーバーを導入し、その1年後にLINE WORKSを入れました。リテラシーが低い状態からのスタートだったので、最初は苦労しましたね。
失敗を恐れず後押しする経営姿勢
伊藤:現場から「これを変えたい」という声が上がってくるのは、私としても後押ししていきたいと思っています。例え失敗したとしても、チャレンジしたいという気持ちは大切にしたいんです。
中辻:社長がそうやって背中を押してくれると、若手も提案しやすいですね。
伊藤:地域に対してもそうですが、組織としてもそういうフード、挑戦する風土は必要だと思っています。社員がデジタルを使って効率化し、ハッピーになる環境を作っていきたいです。
未来へのビジョン。自ら「仕掛ける」建設会社へ
中辻:これから陸中建設として、あるいは伊藤さん個人として挑戦してみたいことはありますか。
伊藤:宮古市がさらに発展することを第一に考えていきたいです。これまでの建設会社は公共工事や民間工事を「待って」受注してきましたが、これからは自分たちから「仕掛けて」いきたいと思っています。
津吉:受動的な姿勢から、能動的に事業を創り出していくということですね。
伊藤:はい。私たちは「ハード」を作れる強みがあります。そこに自分たちで「ソフト」面、つまり運営やサービスなどの仕組みを乗せていく。自ら事業を立ち上げていくべきだと考えています。
地域の垣根を超えたコラボレーション
伊藤:具体的には、宮古にある力のある水産会社さんや製造業の方々と繋がって、一緒に何かをやっていきたいですね。
中辻:異業種との掛け算で、新しい価値を生み出すのですね。
伊藤:自分たちが店舗を建てて、さらにその経営にも携わるとか。宮古のためになることを多角的にやっていきたいです。いろんな会社と繋がって一緒にやっていくことが、今後の鍵になると思っています。
意外なヒット商品。採石の「ネット通販」
伊藤:実は、一部すでにやっていることがありまして。採石を通販で売っているんです。
津吉:石を通販で!それはどのような需要があるのですか。
伊藤:ガーデニング用ですね。社員がグッピーの水槽に自社の石を入れているのを見て、これは個人でも欲しい人がいるんじゃないかと思ったんです。うちで取れる石は少し青みがかっていて綺麗なんですよ。
中辻:BtoCへの挑戦ですね。建設現場以外にも、自社の資源を届けるルートを開拓されているのは素晴らしいです。
本州最東端から「外貨」を稼ぐ
伊藤:宮古以外の人に宮古のものを買ってもらう。つまり「外貨」を稼ぐことが大切だと思っています。
津吉:宮古のファンを増やし、地域にお金を落とす仕組みですね。
伊藤:観光客の方に来ていただいたり、宮古の石や産品をネットで全国に届けたり。建設業としての強みを活かしながら、宮古全体を盛り上げていくプロデューサーのような役割を担っていきたいです。
▪️中建設株式会社 https://rikuchu.co.jp/
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