「森になる建築」 竹中工務店
更新日:2025/4/28
現在、開催中である日本国際博覧会(大阪・関西万博)の「大地の広場」にて、竹中工務店(大阪市中央区)の手掛けた「森になる建築」が展示されている。同建築物は、2024年8月から3Dプリンターで建築を進め、3月27日に完成。最先端のプリント技術と手作りの技を融合させた、環境に配慮した新しい建築として人気を博している。

構造体には生分解性樹脂を採用しており、外装には植物の種をすき込んだ和紙であるシーズペーパーを利用。イベント終了後に廃棄物とするのではなく、自然に還る建築を目指し工事が進められた。3Dプリンターを用いて「酢酸セルロース造」の構造体を現地で出力し、今年2月に「検査済証」が交付されたことで、日本初の「酢酸セルロース造」による未来型建築が実現した。

今後も竹中工務店は、環境との調和と社会との共創を目指した革新的な建築技術の開発に取り組んでいく方針である。
YouTube:https://youtu.be/yFLPhqrMhys
【概要】
・所在地=2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)敷地内・大地の広場
・構造=酢酸セルロース造
・大きさ=直径4.65m、高さ2.95m
・棟数=2棟
・主要仕上材=(外装)紙、植物の種子・苗、(内装)酢酸セルロース表し、(床)三和土
・設計・施工=竹中工務店
・協力事業者=素材開発・提供:株式会社ダイセル
3Dプリント機材提供:エス.ラボ株式会社
部品開発・提供:株式会社ニフコ
植栽技術開発・技術提供:阪神園芸株式会社
再生パルプ提供:大和板紙株式会社
仕上材開発・植栽指導:兵庫県立人と自然の博物館
この記事を書いた人

クラフトバンク総研 記者 川村 智子
新卒で入社した建設コンサルタントで、農地における経済効果の算定やBCP策定などに従事。
建設業の動向や他社の取り組みなどに興味を持ち、建通新聞社では都庁と23区を担当する。
在籍時は、各行政の特徴や課題に関する情報発信に携わる。2024年よりクラフトバンクに参画。
記者として企画立案や取材執筆などを手掛けている。