日本型枠工事業協会・福島支部
更新日:2025/8/27
【創設50周年を迎えて】
日本型枠工事業協会・福島支部は今年、創設50周年を迎えた。支部長を務めるのは、七海力夫氏(東海建設・代表取締役)。母体である日本型枠工事業協会と同じ50周年の節目を迎えられた現実に「驕ることなく、駆体業者の先頭に立つ組織として、後世に残る姿を模索したい」と意気込みを述べる。前任者から指名を受けた就任にプレッシャーは大きかったが、「この貴重な機会を業界改善に繋げてみせる」と並々ならぬ思いを胸に全力疾走を続けてきた。現在は5期目に入り、「在任期が長いからこそ、周囲との連携や信頼関係を強化できる」との信念で団体運営に取り組んでいる。


【前向きな変化を活かす】
七海会長が自社である東海建設(福島県)の社長と、日本型枠工事業協会・福島支部の支部長に就任した時期は同じ2013年。2年前には東日本大震災が発生し、県内では沿岸部を中心に津波と原発事故などによる被害が甚大で、建物やインフラに大きな被害に見舞われていた。建設需要は高まる一方、目を覆いたくなる現実に直面せざるを得ない日々。同時期に2つの重役を引き受けることに迷いはあったが、最終的には「社長業と支部長。肩書きは増えたが、『建設業を改善するために全力を尽くす』という使命は変わらないはず」と断固たる決意で役割の全うを誓ったという。双方の役職に就いて以降は、一貫して単価の引き上げに取り組んでおり「牛歩ではあるが、少しずつ上昇したのは良かった。先行きの不透明の時代が続くが、明るい兆しが見え始めていると信じている」と近年の前向き変化を捉えている。


【職人の処遇改善に必要なこと】
支部での重点課題として、真っ先に掲げるのは「職人の処遇改善」。時間外労働の削減や休日の確保を通じて、益々の4週8休の定着を前提とした活動を目論む。実際に支部内では比較的早期から取り組みを進められたことを、「会員各社の努力の賜物」と誇らしげに語り、職人の年収水準を「500~600万円に押し上げるには、労務費の引き上げが急務」と語気を強める。資材や燃料費の高騰が続く中で、単価の是正を図るには、発注者に対する丁寧な説明と粘り強い交渉が不可欠。少子高齢化に伴う労働力不足や技能継承の停滞も深刻な課題と捉えており、「外国人技能者の活用も進んでいるが、日本人技能者の確保は最優先事項に進めなければ、型枠工事業界の土台から崩壊する危険性もある」と警鐘を鳴らす。団体を通した柔軟な働き方の導入や省力化技術への投資など、現場力の底上げにも団体のトップとして積極的な姿勢を見せている。

【次なる50年を見据えて】
七海会長は、当面の目標を「まずは会員数を現在の39社から50社に増やしたい」と明確示すに。実現には、加入する意義を実感して貰える仕組み作りは必須と考えており、「講習費用の減免、有益な情報提供、学び合える場の整備など、非会員との差別化を図りたい」と述べる。今秋には、全国の指標となる型枠工事の標準単価が発表される予定であり、「資材や燃料費の高騰を踏まえると、経費削減にも限界がある。地方での単価反映のあり方に注目している」と既に先を見据えた行動の準備に入っている。前途は多難だ。しかし、ここで頓挫すれば「ここまでバトンを繋がれてきた先輩方に顔向けができない」と仁義を重んじる一面も覗かせる。50周年を迎える福島支部では、記念行事や青年部の立ち上げといった新たな取り組みも本格化している。次なる半世紀に向けて、どのような歩みを見せていくのか。その展開に引き続き注目していきたい。


この記事を書いた人

クラフトバンク総研 記者 川村 智子
新卒で入社した建設コンサルタントで、農地における経済効果の算定やBCP策定などに従事。
建設業の動向や他社の取り組みなどに興味を持ち、建通新聞社では都庁と23区を担当する。
在籍時は、各行政の特徴や課題に関する情報発信に携わる。2024年よりクラフトバンクに参画。
記者として企画立案や取材執筆などを手掛けている。