埼玉県型枠工事業協会
更新日:2026/2/3
【設立50周年を前に】
埼玉県型枠工事業協会は来年、創立50周年の節目を迎える。現在、団体の指揮を執る人物は、白戸修会長(白戸工務店・代表取締役)。協会内では青年部会の立ち上げから関わるなど、40年以上に渡り埼玉県内の型枠業界に情熱を注ぎ続けてきた。2014年に会長職を引き継いでから、持ち前の行動力で業界の地位と単価の向上に奔走している。「これまで現場・会社・団体など幅広い分野での業務を手掛けてきた。常に課題は山積する状況にあるが、引き続き積極的な活動をすることで未来を切り拓いていきたい」と常に先を見据えている。

【オープンな関係性を確立】
会長に就任以降、最も重視してきた点を「会員同士の信頼関係」と明示する。かつての協会は、会員同士が仲間ではあるがライバル関係でもあり、「会議でどこまでが本音か分からないような、特有の違和感・緊張感があった」と述懐する。この何とも言えない空気を打破したのが、白戸会長が青年部時代に主導した積極的な交流会。他支部の青年部会とも連携し、阪神・淡路大震災の被災地や長野冬季オリンピック施設、FIFAワールドカップ日韓大会のスタジアムに訪問するなど、全国各地を泊まりがけで視察し、現場で吸収した知見を共有した。酒も酌み交わすことで築いた「腹を割った付き合い」が、今に至るオープンな関係性を確立したという。現在も定例会議「七日会」などを通して、最前線の情報を分かち合うことで、一致団結した事業展開を実現している。

【外国人技能実習生を「一生の仲間」に】
深刻化する担い手不足に対し、白戸会長は20年以上も前から解決策を模索してきた。バブル期には400人を超えていた自社に所属する大工が、130人程度に減少する難局に対し、外国人技能実習生に活路を見出した。白戸会長は、埼玉県を中心に首都圏で外国人の受け入れを支援する「城北管理協同組合」を発足。50社を超える企業と共に、200人以上の外国人技能実習生を迎え入れることに成功した。特筆すべきは、単なる労働力ではなく、共に業界を下支えする「一生の仲間」として歓迎する真摯な姿勢である。面接の段階から、日本に永住希望の人材を厳選し、日本語教育や技能士資格の取得を全面的にバックアップしている。「3~5年で帰ってしまうのは本人だけでなく、各社にとっても不幸なこと。永住権を目指せる環境を整え、『生涯における仲間』として歓待できる準備を進めたい」と一歩先を想定した施策を試みている。

【「型枠ってカッコ良い」を目指す】
「ホワイトカラーが相応の対価を得ている中、過酷な屋外環境で働く職人が低収入では担い手は集まらない」。白戸会長は、現場で汗を流す専門工事業者の処遇改善を最優先課題に掲げ、職人が高年収を見込める産業構造の改革を訴える。現状を打破するための必須事項は、「若年層に対して、『型枠工事は魅力に溢れている』というPRを強化すること」と見立てる。「私たちの世代が『黒部の太陽』を観て土木に憧れたように、若者にとって『型枠ってカッコ良い』と直感的に感じられるような仕掛けをする必要がある」と趣向を凝らす意向を見せている。
【次なる未来に向けて歩む】
今年65歳を迎えた白戸会長は、今後のキーワードに「継承と若返り」を挙げる。「DXやAIを存分に駆使できる若い世代に、これからの協会を牽引してほしい。若者が自由な意志で発想を出し、具現化できる環境を現時点から整えていきたい」と後進の育成に強い意欲を見せる。どれほどテクノロジーが進歩しても、最後は現場に携わる職人の「技能」が左右する現実は変わらない。地図に載り、何十年も形として残る建物を造り上げる達成感。この醍醐味を次の世代に繋ぐため、白戸会長は挑戦止める気配を見せない。次なる半世紀に向けて歩み始めている埼玉県型枠工事業協会。白戸会長が築いてきた信頼の土台は、新たな変化を柔軟に取り込みながら、埼玉の未来を支える強固な駆体となっていくはずである。
協会のホームページ:
この記事を書いた人
クラフトバンク総研 記者 松本雄一
新卒で建通新聞社に入社し、沼津支局に7年間勤務。
在籍時は各自治体や建設関連団体、地場ゼネコンなどを担当し、多くのインタビュー取材を実施。
その後、教育ベンチャーや自動車業界のメディアで広告営業・記者を経験。
2025年にクラフトバンクに参画し、記者として全国の建設会社を取材する。








