TikTokでも人気!ふかまつ社長の東北への思い~株式会社深松組
更新日:2026/1/10
▼目次
※2024年10月より番組タイトルが変更になりました。(旧タイトル:CraftBank presents「Top Runner~未来に続く道~」)
2024年10月20日(日)15:00~15:55
ゲスト:株式会社深松組 代表取締役社長 深松努さん
仙台を中心に、マンション等の住宅・工場・オフィス・商業施設・公共施設等の大規模なものから、新築・増築・改修・修繕など小規模なものまで、高品質な建築物を手掛ける株式会社深松組。ルーツが富山県であることから、北陸でも数々の建物を請け負ってきました。
代表の深松さんは、規格外の”器の大きさ”でTikTokでも人気。「ふかまつ社長の言葉を聞いて、建設業に興味を持った」と、若者たちが建設業界を志すきっかけを作っています。
収録では、そんな深松さんのおおらかな人柄があふれ出る回となりました。震災で元気を失ってしまった仙台への思い、未来を担う子供たちへの期待など、たっぷりと語っていただきました。
(宮城県岩沼市・エフエムいわぬにて収録)
来年で創業100周年を迎える深松組の歴史
クラフトバンク中辻(以下、中辻):早速なのですが、深松組の会社について、どんなことをやっている会社なのか、歴史などいろいろ教えて欲しいなと思うのですが。
深松努さん(以下、深松):うちはですね、来年100周年なんですよ。大正14年に創業いたしまして、私で3代目なんです。元々は大正14年ってまだ電気がない頃なので、要は水力発電所の建設工事がすごく盛んに行われたんですが、私の祖父が始めまして、最初は土木が中心で始まりました。私の父の時代に、要は高度成長期時代で人口がどんどん増えていったので、家が足らんとということで、建築の方にも進出して。
私が戻ったのが平成4年なんですけど、ちょうどバブルが弾けた次の年ぐらいで、仕事はいっぱいあったんですけど、要は建設業って景気の波にものすごく左右されるんで、固定的に入ってくるものがあった方がいいよねと。たまたまお客さんのマンションをいっぱい作っていたんですけど、引き取ってくれっていうのがあって、それを最初に所有したことから始まりまして。やっぱりこれは仕事がない時の固定費をちゃんと家賃で賄えるなということで、賃貸マンションも仙台と新潟に27棟、約1000戸近く持っているんですけども、その家賃収入があって、なんとかこの景気の波に左右されないような会社になってきたということです。
リーマンショックと社長就任時の試練
中辻:深松さんが社長になったのが2008年。リーマンショックの年で、2代目に会いましたですね。
深松:本当に前の年にですね、姉歯事件って皆さん覚えてます?偽装耐震事件があって。それで建築確認の基準がめちゃくちゃ厳しくなって、普通3ヶ月で下りるのが半年ぐらいかかってたんですよね。仕事いっぱいあったんです。でもなかなか下りないから着工できないっていううちにドンってリーマンが来て、それが全てなくなって。しかもあの時は民主党政権に変わって公共事業費が削られたじゃないですか。もうボンボン削られて、もう100億やってたのが30億まで減ったんですよ。
クラフトバンク田久保(以下、田久保):へえー、30億まで。
深松:それで周りは、もうスーパーゼネコンも中堅ゼネコンも地元のべ手もみんなリストラ、リストラ、リストラってやってたの。そこで、私は全社員集めて、うちはリストラしない、だから安心して働けって言ったんだけど、働く現場がないわけですよ。それで、その賃貸マンションのじゃあ屋根のペンキ塗るとか、今まで外注やってたものを社員でやろうっていうことで、やりながら、もう苦しいなと思っていたら、2011年3月11日に東日本大震災が来ました。残ってた社員がもう大車輪の活躍をしてくれて。それから13年経つんですけど。
逆境を乗り越えるための経営判断
中辻:そうなんですよね。本当にいろんなことを手掛けられているなと思ったんですが、そうやって広げていった理由にはそんな背景があったんですね。
深松:いやでもね、先に困難を経験した人の方がものすごく強くなるじゃないですか。例えば、私今59なんですけど、今までずっと右肩上がりで来ててね、今この年で挫折を味わったら多分立ち直れないですよね。間違いなく。でも私、20代の頃、前田建設工業さんっていう会社で5年間修行させてもらったんですけど、そこの現場がね、かなりひどい事故現場があって、復旧に1年かかったんですよ。24時間3交代制で現場を全く止めないんです。ほぼ休めなかったんですよ。だから体力的にはその時が一番大変でしたね。だけどそれを乗り切ったっていう自信ができて。
東日本大震災の時、私、仙台のガレキ撤去の責任者をやったんですが、精神的にはかなり大変でしたが、肉体的には前の方が全然大変だったんで、あれを経験してっから大丈夫だべと思いながらできましたね。やっぱり、若い時に早くいろんな苦労をした方が、絶対得です。今思えば本当ラッキーだと思ってますし。当時はね、そんなこと思えないのでが。だけど本当に今思えばあれがあったからこそ今があるんで、もうどんなことがあっても挫けないですよ。だって東日本大震災であんな地獄見てね、あれ以上のこと絶対ないと思ってるんで。もう絶対大丈夫だと思ってます。
田久保:本当に積み重ね積み重ねですね。
SNS活用による若年層への発信
中辻:あと、SNS等もとても積極的にされていらっしゃいますよね。
深松:Facebookは元々やってたんですけど、今若い人Facebook見ないじゃないね。で、インスタだTikTokだとか。たまたま2年前に選挙で知り合った子がいて、深松さんの言葉刺さるんでTikTokやってみませんかと言われて。TikTokのイメージは踊ってるイメージがあってね、いや俺踊れねえぞ、と言ったら、いやいやいや話だけでいいんでって言われて。じゃあやってみるか、ってやり始めたんですよね。そしたらこう徐々に徐々にフォロワー増えてって、今6300ぐらいなってて。一番バズったのがね、69万回ぐらい再生されてるんですよね。
中辻:すごい。それは何の動画なんですか?
深松:次のようなことを言ったんですよ。生きることに当たってね、その要は自分のためってこうみんなすぐ思うじゃないですか。タライがありますよね。タライがあって、自分のためって水をこっちに引っ張ると、水は当たって逃げていきますよね。人のためってやると戻ってきますよね。全てこれなんですよ仕事は。だから建設業に関していえば、建設業って自分の仕事を作るよりも圧倒的にお客さんの頼まれた仕事をやるのが多いので、だったらお客さんが元気になるお手伝い、例えば私仙台なんで、仙台の発展、宮城の発展、元気になるお手伝いして。そしたら、世話なったからじゃあ深松ちゃん頼むねって言ってもらえるんですよ。これが最高の営業だと思ってて。
だからまずはとにかくみんなが元気になるお手伝いをこうゴンゴンゴンゴンしてね、ってやろうということを社員の前でも言ってますし。飲み会もですね、やっぱりみんなでワイワイワイワイ楽しく飲むのが大好きだし。酒が好きじゃないんです。ワイワイが好きなんです。
中辻:あ、そうなんですか。お酒お好きなのかなとは思いました。
深松:いやいや、飲むのは好きですけど、でもその酒をこう一人で飲むことはないですよ私。相手がいないと絶対飲まないですね。とにかくね、みんながこうハッピーな顔をしてんのがやっぱ一番のご馳走ですわな。と思ってプライベートも仕事もやってんです。
次世代へのメッセージと教育活動
中辻:なるほど。やはりさっきの話とすごくつながるなと思って。いろいろ経験してきた深松社長のそういう言葉だからこそ、若い子たちは、これから自分が社会に出ていってわからないことだらけの中で、そういう言葉を教えてくれるのがすごいなんか興味が持てるというか、気になるんだろうなと思いました。
深松:やっぱり今大学とか高校でも授業をよくやるんです。それで、今日本って人口減っていっているじゃないですか。ニュース見てると、日本はどんどん国力がなくなってね、暗くなってるわけですよ。それで話をする前に、皆さんに質問するんですよ。「10年後20年後日本が良くなるって思う人って手挙げて、というと、まあ半分以下。もう50%以下が悪くなると思ってるわけです。でもアジアで同じ質問するとね、ほぼ100%みんな良くなるって言うわけよ。この差は何だと思いますか」と。
日本は人口が減るのはしょうがないですよね。しょうがないんですが、世界は、私が社会人になった時は50億人だったんですよ。今80億人です。これから100億人いくわけです。それで、コロナでありがたいことに、Zoomで世界中の人たちと画面で話せるようになりましたよね。あと1、2年でAIが即時通訳するから、もういろんな国の人と平気で喋れる。そうするとね、いいもの、いいシステム作っていけば、市場は100億なんですよ。今まではね、海外は自分が行ってシェイクハンドしてこないと契約ならなかったんです。ところがもう画面上でできるじゃないですか。しかもね、日本ってこんないい国ないんですよ。私ミャンマーで仕事やってるからよく分かるけど、女性が2時3時一人で歩ける国は日本だけ。どこに行ってもゴミ箱もないのに綺麗ですよね。これも日本だけ。1000円以下の店行っても笑顔でいらっしゃいませ、これも日本だけ。皆さんね、この国に住んでるから当たり前と思ってるかもしれないんですけど、この当たり前は世界ではないんですよ。それもぜひ分かってくれって言う話をしています。
それで今までの人口増社会の方程式はこれから使えない、という話もします。人口減社会、みんな初体験だから誰も正解は分からない。だからもうチャレンジガンガンして、と。今はミスするなって教育されてるんです。すると究極はチャレンジしなくなっちゃうんですよ。だからそれじゃダメだよって。みんなガンガンチャレンジしまくって、そうするとだんだんだんだん方程式作れるからって。自分たちで方程式作れると思ったらワクワクしねえかって。俺らは今まで作られた方程式の中で動いてるんだけど、これから皆さんは自分たちで作れるんだよって。そう思ったら日本の将来楽しくない?って。今では講義するとその日中にレポートを先生が送ってくれるんですが、するとね、結構みんなに刺さっているんですよね。
田久保:なるほど。
深松:嬉しいですね。そして最後には、建設業ということもあって、皆さんね、目に触れるもの全て建設業だかんね作ってんのって言います。皆さんの家からね、今日どういう手段でこの学校に来たか分かんないけど、地下鉄だ、道路だ、自転車だって。道路の下には上下水道、ガス、水道全部入ってますよと。それも全て建設業産業が作ってんだからねって。当たり前すぎて気づいてないでしょって言うとね、みんなハッとなるわけです。俺中央大学の商学部でその話したの。そしたらね、レポートでね、「私の就職の選択肢に建設業は入ってなかったけど、今日話を聞いて建設業受けます」ってこれめっちゃ嬉しかったんですよね。
田久保:すごいですね。
深松:変わるんですね。だからね、やっぱ当たり前すぎて分かってないことをちゃんと言葉にして伝えてあげると、みんな変わるわけですよ。だから私が建設業をやっててね、やっぱり本当に大勢の方に伝えたくて、だからSNSやろうと思ったんです。
建設業界の当たり前を発信することの重要性
田久保:SNS始めてからこう街で顔を指されることとかも増えたんじゃないですか。
深松:いやこないだね、サービスエリアでラーメン食ってたらね、「社長、見てます」とか言われて、あ、どうもみたいな。全然知らない人に言われるんですよもう。
中辻:そうなんですね。それってやはり若い子が多いですか?
深松:いや結構おじさんもいたりしますね。私全国でよく災害の話とかで講演するのですが、講演終わった後にこう来て、「いつも見てまして、今日本物に会えて嬉しいです」とか言われて、「ありがとうね」みたいな。
田久保:芸能人だ。すごい。サイン書かないといけないですね。
中辻:それぐらい影響力があるんですね、SNSは。
深松:そうですね。だからまあ、いいことは発信した方がいいですよねやっぱりね、と思いました。
中辻:本当に知らずに過ぎてしまうことっていっぱいあるので。改めて、そうやって目と耳で聞ける情報が入ってくる数を増やすと、本当に建設業について知る機会が増えるから、それがあると絶対前向きな方に進んできますよね。
バブル崩壊後の現場での経験と教訓
中辻:深松さんはその建設業にこう従事されてて、なんか今までのこう印象に残ってることというか、なんか思い入れのあるエピソードとかあったりしますか?
深松:さっきも言ったんですけど、私は新入社員で前田建設工業に入ってね、その事故現場があったんです。で直すのにもめちゃくちゃまあお金かかるだろうなって思ったんですけど、まあ発注者が東京都で、うちらは全然ミスもなくその設計図面通りやってるのに、まあその東京都の担当者からね、お前らが悪いと言われて。もうメラメラなってた時に、前田社長が来られてね、「いや、東京都相手にね、裁判するわけいかない」と。「金いくらかかってもいいと。とにかく復旧してくれ」って言われて、あの時ね、もうその現場にはOEM含めてものすごい数いたんですよ。その人たちのベクトルがね、急にこのメラメラメラから「いや社長が言うならやっか」みたいな。あの変化ってすごかったんですよ。で、やっぱ社長ってかっこいいなってまず思ったんですよね。
それと、そのあとにその東京支店の、土木課長で川島さんという方がいたんだけど、私たち動揺してるじゃないですか現場が。そこで一喝入れられて、「お前らしっかりしろ」と。「現場のことはお前らが一番分かってんだ、全部報告しろ」って。「俺たちがついてっからなんとかするから」みたいなことを言ってくれて。めっちゃかっこいいなと思いましたね。もうあの、自分土木屋として、本当にその現場にいたことが本当に矜持るしかないです。あれが私の今自分が社長になって、あの像を描きながら、やっぱりみんな見てるわけですよ。
田久保:そうですよね。
深松:トップが動揺したら下に動揺伝わっちゃうじゃないですか。これをね、あの社会人2年生で、まあ1年生の終わりなんですが、3月だったから本当に2年生になる手前なんですけど、そこで経験できたことは私にとってめちゃくちゃ良かった。それと先ほど言った通り何と言ってもその震災ですね。震災でまあ13年経ちましたけど、あの仙台のそのガレキ撤去をまず1年でやり遂げて、その後の復興工事も10年で仙台はほとんど完璧に終わったんですけど、まあいろんなことあったわけですよ。もうこれを話すとこの番組が5時間ぐらいになっちゃうんで言いませんけど、普段90分ぐらい講演するんですよね。それぐらいの中身濃いことがあって、まあそのおかげでまた今があってですね。
それでまた全国からこうその話聞かせてくれってオファー来るじゃないですか。私からしてみれば、あの時日本中世界中の人から助けてもらったんですよ、仙台は。てか被災3県は。だからその恩返しだと思ってるんで、オファーがあったら私絶対断らないのね。必ず行きます。必ず行って、本当の生の話をします。で、生の話なんていうのはもうテレビでは絶対出てこないし、評論家の人もその場にいなかったから分かんない話ばかり。だから私の話はみんな聞いてびっくりするわけですよ。
だけど、「いやこうなりますからね、現実は」と。だから備えとしてこうしてくださいと。日本は災害来るのはね、これ宿命なんでしょうがないです。だから来たらどうするなんですよ。来たらどうするをいっぱい方程式作ったんです。協定という形でいっぱい作ったんで、そこは逆に真似してくださいと。そうしとけば、いざという時に整う準備ができてればトラブルないでしょっていうことですよね。まあ混乱しないですぐできるから。まあそういうことをお伝えしてるんですけど。だからまあこんな経験なかなかできないんでね、本当に、よくこの建物を建ててみんなが作ってるからっていう風景がやっぱりいつまでも残ってるって、これは建設会社として醍醐味なんですよ。だけどものその災害が起きた時に、もう今までのありとあらゆるお客さんから「なんとかしてくれ」って来るわけですよ。でも一斉にできないじゃないですか、あまりにも多すぎて。そこで営業に言ったのはね、「絶対断るな」と。「必ず行きますから待ってください」と。それだけでいいと。そしたらお客さん待ってんですよ。だって他に頼んだってみんな断られるから。ていうね、あん時ぐらいね、なんかもうありがたがられたことはなかったので。
新潟の中越地震あったじゃないですか。私新潟でも仕事やってるんでね。それで新潟の人から、もう大工さんも誰も見てくんないと。そこで富山からあのダイクを連れてって家を見たわけですよ。で、大工さんが見て「あ、これなら直せるな」って言った瞬間に、そこにいた家族大号泣ですよ。自分の家がもうなくなるかどうかという瀬戸際でしょ。そこがその一言でみんなもう大泣きして。まあ大工さんがその3週間ぐらい泊まり込みで直してあげて、めちゃくちゃ感謝されたんですよ。だからね建設業ってね、なんというか、人の命とか気持ちも救える産業だって思っちゃったわけです。だからこれはなかなか体験した人しか分からないんですけど、私はたまたまそういう場面とか知ってるんで、こんな尊い産業ねえなと思ってやってます。
カッコいい大人たちとの出会い
中辻:確かに、建設っていう文字からも、何かを作る、新しいものをなんか作る、建てるとかいうところにちょっとフォーカスしがちですけど、本当に事故とか災害とかに最もこう力を発揮するのも建設ですよね。あと、やはり若い時にかっこいい大人と一緒に仕事ができたことがすごくこう深松さんの中で強く残ってるんですね。
深松:いやもうめちゃくちゃ残ってます。皆さんも絶対あるはずだよね、その部活の時のこの先輩かっこよかったあこれだとかね。いや本当にカッコよかったすよ。もうだって、大の大人たちがみんな動揺しまくってるのに、そこだけ一人その課長が一括でドーンつって。そしたらね、その課長は副社長まで行きましたよ。
田久保:それはすごい。
深松:前田建設工業って同族会社ですから、社長は前田さんなんですけど、川島さん副社長まで行ったんです。やっぱそうだよなと思いましたもん俺。もうすごいリーダーシップ。まああれが私のその根底の中ではもう先生なんです。しかも同じ大学の先輩だったし。
中辻:あ、そうなんですか。ちょっと縁を感じちゃいますね。
深松:そう。そして私が辞める時には、「お前もうちょっといねえのか」って言われたわけですよ。俺いたかったんですよ、もう情が移ってて。「だげどももうダメだ」っていって、5年で戻ったんですけど、まあ今考えればそれはそれで正解ですね。やっぱり早く戻った方がいいに決まってるんで。
デジタル化への取り組みと現場のDX
田久保:ここからはですね、少しこうテーマを変えて、あの社内のいわゆるこうデジタル化とかDXみたいなところについて、あの深松組さんに取り組まれていることをお伺いできればと思います。現場のこととか社内のこと色々あると思うんですが、まずその社内のDXみたいなところで今取り組まれていること色々あられるかと思うんですがお聞きしてもいいでしょうか。
深松:そうですね、最初はサイボウズですね。まあいろんなとこが皆さん取り入れてると思いますけど、サイボウズから入って、全社員に行事をお知らせするとか、もう共通のプラットフォームを作って、まずそこから何年前かに、もう7、8年なると思いますけど、そこからこう始まったんですよね。
そして、まあ国交省がやっぱりBIMだCIMだっていう話になってるんで、現場の方ではもう本当に今ドローンを飛ばしてます。30分やればもう点群データですぐ図面できちゃいますし、電子黒板も使ってるし、あといろんな出来形の図面管理もえ3Dのやつ入れたり。あと今度ドローンのこの操縦士の免許も今取らせてて、それを今度内製化しちゃえばもっと金かかんないじゃないですか。まあそういうことで、土木の方がやっぱり進んでますよね建築よりは。
田久保:建築はやっぱりBIMで。
深松:建築はBIMで今REVITでうちやってるんですけど、やっぱり民間のお客さんの打ち合わせで、画面持っていってもうその場で「こここうしたい」って言ったらパッパッパってそこで変えて、「じゃあこうですああです」っていうことで話が進みます。我々は頭で理解できるけど、お客さんはこう2次元の平面図だとね、普通ではできないんで。そうそういうの見せてやると打ち合わせも本当に早く進むし、まあ3回が本当に1回で済んじゃうとかいったこともあるんで、今非常にこれは民間営業では役立ってるんですよね。
レビット導入の難しさと若手社員の活躍
田久保:REVITって図面のBIMのソフトだと思うんですけど、実際に使いこなすのは多分結構難しいですよね。
深松:そう、難しくてね。まあだいぶ使いこなしちゃってるんですけど、ところが今度あの福井コンピュータのほうがやっぱ主流になってくるみたいで。こういろんなの出てくるんでね、そこが非常に難しいんですよね。でどんどんこう新しいニューバージョン出てくるじゃないですか。だからそこの見極めが非常に難しくて。せっかくこっちで覚えたのにこっち行っちゃったらまた1から10違う、とかもあるんで。そこは多分皆さん試行錯誤してると思うんですけど。まあ間違いなく入れたことによってプラスになってることは多々あるので、そこの扱いはデジタル世代若手職員の方がやっぱり慣れが早いので、すごくやりがい持ってやってくれてますよね。
AIコンシェルジュと生成AIの活用
深松:最近入れたのがAIコンシェルジュです。要はAIですね。建設業に特化したAIなんで、施工計画作る時に「あここどうなってたかな」って質問すると、ブワーってこう書いてくるわけですよ。そして法令は読み込んでるから全部入ってるんですよ。だから例えば生コン試験するのにこの温度どうするとか、というのも、頭ではうろ覚えでどっかで引っ張って来なきゃわかんないのを、それをポンと打ち込むとブワーっと出ていくわけですよ。それをコピーしてペッて貼り付ければいいじゃないですか。これは便利ですね。
田久保:建設業法とか建築基準法とかが全部入っているんですね。
深松:普通のチャットGPTだと何か余計なものを引っ張ってくるんですけど、ここはそこの建設業に特化してるやつなんで、変な情報入ってこないですよ。なのでそこはもう百貨店の先生がそばにいるみたいな感じでみんなそれで使ってやってるんで。本当に専門家に聞かなくても全部ここが覚えてくれてるから、正しいことを教えてくれるでしょ、という風に。
田久保:すごい。
深松:楽ですよね。こんなのもうガンガン入れよう、みんなで使い回しましょう、となってて。回すほどみんな賢くなってくるんで。
田久保:調べる時間とかって結構可視化しにくいですけど、多分現場の人からするとめちゃくちゃ嬉しいですよね。
深松:一言入れただけでブワーって出てくるって言ってますね。じゃあこの部分だけ施工計画書に入れよう、とピッとやってポッて貼り付けただけでいいじゃないですか。これは多分ものすごく削減になると思うんですよ。これが一番最近入れたやつですね。
残業規制と働き方改革への対応
田久保:建設業って今年2024年問題で残業時間の上限規制が始まって、業界的にはこう少しずつ規模感の大きな会社さんから小さいところも含めて、結構デジタル化の波は来てるかなという風に感じるんですけども、7、8年前からすでに取り組まれたっていうところで、まあサイボウズさんとかもそうですし、最初どういうきっかけで必要だなと思って始められたのかとかお聞きしたいです。多分周りはまだほとんど何もやってないみたいなところからスタートだったと思うんですけど。
深松:船井総研さんが、大手さんもみんな入れててえらい便利なってますよっていうことを聞いて、じゃあとりあえずあの全ての機能は使いこなせないからここだけまず取り組んでやってみようかみたいなことから始めたんですよね。そこからこうみんなイロハニホヘトでこうどんどんいろんな機能を使い始めてっていうので。やっぱりこう眺めててもね、実際使わないと絶対覚えないじゃないですか。だからこれはどっちみちやるなら早い方がいいなと思って入れたんですよね。
残業規制の話について。今年4月から始まったじゃないですか。大手さんもみんな入れてて、例えばこう時間でシャットアウトしちゃうとかいう話もあるんですけど、でもあれは私も色々意見がございまして。まあ法律だからしょうがないんですけど、若手の方は今まで土日学校休みで週休2日が当たり前の生活で来てたので、当然社会入ってもそれは当たり前だよねっていうのは分かるんです。だからその人たちはその枠でやってもらえばいいんです。ただ私の世代は土曜日も授業やってたし、あの現場も土曜日もやってたんです。特に50代の人たちは子供たちが大学生なんですよ。その残業代も要は収入ですからね、その収入で子供たちの教育費を払ってたのに強制的にするなって言われたら、その会社の基本給が低かったら、じゃあ転職せざるを得ないよね、となってしまう。
田久保:たしかにそれはそうですね。
深松:すると今中小企業よりも大手さんの方が給料がいいので、じゃあ行きたくないけども教育費のことを考えたらそっちに行かざるを得ないので行っちゃいますっていうことも出始めてるんですよね。そうすると、大手さんは大手さんででかいプロジェクトやってますよね。でも、基本的なことは仙台市も宮城県もほとんど中小企業が仕事やってんですよ。WTO超える案件だけ大手さんが入ってくるといった感じで、基本的な身の回りの仕事はほぼ中小建設業、地域建設業やってるわけですよ。そこから人がどんどんいなくなっちゃうと、もう本当大変なことになっちゃうんですよね。だから私選択制にしてほしいんですよ、選択制。働きたいと、別に残業も厭わないと、構いませんという人はそのまま働かしてくださいと。で今の枠で、特に若い子たちがそれでいいっていうならそのままでいいんです。だからこれを十把一絡げにするからいろんな問題起きちゃうんだと思うんです。今4月から適用なって、半年経ちましたよね。これからもっといろんなもの出てくるはずなんですよ。まあ来年1年経ったらね、そこをちょっと検討していただきたい。本当に切実な問題なんで、子供の教育費ですからね。だからそこは私は、働かしてくださいって人は手挙げ方式にして、その人は労基に登録して残業時間を外してもらって昔のやつに合わせてもらう、とかにしてもらいたいなって思ってるんです。
田久保:なるほど。まあでも実際50代の方だけじゃなくて、全体的には確かにその週休2日嬉しいっていう声もあるとは思うんですけど、若い人でも多分ガンガン働きたいって人はいますよね。
深松:いやいっぱいいますよ。コンサルに行った子なんてもう死ぬほどやってますからね本当に。でもそれがこう評価されてやっぱり給料アップとかどんどん評価されるからもうガンガンやるわけですよ。やっぱりやりがい持ってる子たちはもう全然違うので、そういう部分の人たちはまあそういう働き方を選んで。働き方も多様性があるんだから、その枠ではまる人たちとはまらない人たちも、それぞれが働きやりがいがあるようなシステムにしてもらってやらせてもらえばいいなと思ってますね。
社内RPAと内製化の推進
田久保:ちょっと話を変えまして、今AIコンシェルジュの話もありましたが、次このテーマ取り組んでみたいなとか、このテーマ取り組む必要ありそうでこれからこう未来やってみたいこととか、社長の中で構想があったりされますか?
深松:まず、社内の決済の話もそうなんですけど、私出張が多いので私がいないと判子が押せなくていつまで経っても決済いきませんっていうのは今まであったんで、今電子帳簿法になっちゃったんで、そこはコラボフローとBtoBで回覧とその契約書の決済は2つ分けてやってるんですね。でそれ以外にそのRPAもですね。RPAでこれも2年前に1回やってみませんかと言われて、でやりたい人に手挙げてもらって初級編を受けてもらったんですよ。そこでハマった子がやっぱりそのうち何人か出てきて、で自分でもう簡単なやつはこう作って回してたんですよね。それを見てて、今度国がリスキリングってことでそういう講習の3/4は国がお金出しますということなったんで、また再度やりたい人募集したんですよ。そこでまた10人ぐらい手挙げたんで、初級編中級編上級編があるのでそれぞれのスキルに応じてちゃんと受けなさいと。うちSEが2人いるんで、ここはもう上級編受けて、逆に他の人からの質問はもうお二人が答えられるようになってねっていうことにして。
田久保:社内に内製化されてるってことですね。SEの方を。
深松:そうです。あの工務事務の子がね、まあいろんなシステムをボンボン作っちゃうわけですよ。「いや社長これ楽なんですわ」って。「ボタン1つ押してね、私が他の作業やってる間にやってくれんですわ」みたいな。で、それがこう1個できるとどんどん楽しくなっちゃうみたいで、そしたら周りの連中も「いやこれもできねえかあれもできねえか」って頼んでくるんですよう。そうやってこう会社がどんどん回ってくるようになると、これ非常にいいなと思ってて。だからまあ最終的には得意な子たちが社内のちょっとしたことはもう勝手にRPAで社内でこうもう組んじゃって、回せるような仕組みを作ってくれるといいなって思ってます。
田久保:ちょっと気になったんですけど、その手挙げで募集したっていうのは全社員さん向けにやられたんですか?その内勤の方とかを対象に。
深松:内勤もそうだしあと現場の人もそうなんですけど、まあ基本内勤ですね。内勤が多くて。でやりたいという人にやらしたんですけど。
田久保:なるほど。そういうボトムアップの方が絶対進んでいきますよね。多分やりたい人がどんどんやってくみたいな方が。
深松:ですよね。まあそういうことで、非常にこれは将来に種を今蒔きつつあるみたいなね。
中辻:結構社員さんも多いですよね。
深松:多いですね。150人ぐらいかな。
中辻:やっぱり社員さんとのコミュニケーションとかって気を遣っていらっしゃるんですか?できるだけ話すようにとか。
深松:あのね、普段ほとんど俺社内にいないんですよね。その公的な役も多くて。で、社内旅行はこう年1回やってるんですよね。
中辻:TikTokに上がってましたね。
深松:そうそう。今年はあの北海道連れてって、去年は伊勢神宮。
中辻:あ、私三重出身なんです。
深松:そうなんですね。それで外宮内宮連れて行って、名古屋行って帰ってきてみたいな。前は宮古島連れて行ったんですよ。
うち宮古島でも仕事やってるんですけど、社長ばっか行ってとか言われるから、もうじゃあみんな連れてくって言って。たまたまチャーター便が出たんですけど、そのチャーターで行って、でみんな喜んでね。そういう時にこういろんな話するじゃないですか。で楽しくやれてそうとか、いろんな話いっぱい聞かれるんですけど、それもあるあるだなと思いながら聞いてて。まあそういうのも言える環境をやっぱ作ってあげないとダメなんで、あんまり悶々とさすと辞めちゃうんでね。今辞められるともう痛手なんで。できるだけそういうことはやろうと思って。こないだ20代の子たちだけで集まりがあったんですけど、それを主催した人が来て、「社長これやりますから」って。「何人集まったの」って言うと、「20何人います」と。「ほいでいくらでやるの」って言ったら「5000円飲み放題でやって」って言うから、「じゃあ俺半分出すから」ってポケットマネー半分出して、「これだけでやれ」って。そしたらそれをいろんなやつに変えて、みんなでビンゴ大会やって景品やったって言ってましたね。
中辻:いいですね。
深松:こうやって喜んでましたって写真送ってきてくれましたよ。まあそういうのやってガス抜きさしてね、みんなでこうわあわあやってくれと。
中辻:そうやって世代でも交流、会社の中でってことですよね。
深松:そうそう。やっぱり相談できる人がいないから辞めてしまうとかいうのがすごく多いので、やっぱりこう部門間分け隔てなくみんなでわあわあやってくれと思って。でやっぱり会社を良くするために、あの建設的な意見言うやつはもうボンボン聞いてあげてね、やろうと思ってるんで。
中辻:そうですよね。社長がもう全部見切れなくなってくるじゃないですかやっぱ。そういうのをこう自発的にやってくれる人がまとめて進めてくれるとありがたいですよね。
深松:そう、ありがたいですよね。
東北大学との連携とペロブスカイト太陽電池
田久保:本当にいろんなお話をお聞きしたんですけど、最後に深松さんがこう今手掛けてることとか、これからこうやっていきたいなと思ってる展望みたいなのがあれば、是非お伺いしたいなと思います。
深松:うちね、100周年事業ということで、東北大学の理学部と今基礎研究をやってるんですよ。5000万寄付して。あのペロブスカイトって知ってます?
田久保:知ってます知ってます。太陽光の。
深松:そうそう。あれの実証実験を今自社ビルでやってるんですね。で、既存の太陽光って今メガソーラーっていっぱいあるじゃないですか。あの上にペロブスカイトを塗ると発電効率が上がるっていう研究をしてるんですよ。今あるやつに塗るという。
タンデム型といって、上と下で違う波長を吸収するんで、理論上は1.5倍ぐらいなるんですよ。そうすると、例えば今メガソーラーで20年で終わっちゃうじゃないですか。それがまた20年伸びたりとか、要はリパワリングできるんです。ゴミにしなくて済むんですよね。今ある設備をそのまま使えるんで。それの今実証実験をやってまして、これがうまくいけば、今ある既存のメガソーラー持ってる人たちみんなハッピーになるわけですよ。
田久保:たしかにそうですね。
深松:それを東北大学の先生と今一緒にやってて。ペロブスカイトは薄くて軽くて曲がるんで、いろんなとこに貼れるんですよ。なので今窓に貼ったりとか、壁に貼ったりとかっていう実験もしてて、やっぱりこれからの次世代エネルギーの主流になると思うので、それを地元の中小企業が大学と一緒にやってるっていうのが面白いなと思ってて。
100年企業としての決意と次世代への責任
深松:あと、今よりもいい仙台、いい宮城、いい日本を皆さんの世代に残したいと思ってるんです。20代30代の子たちに。だから今できることはもう全部やろうって思ってて。今東北大学さんと理学部と基礎研究に3000万寄付して、今度また3000万寄付するので6000万なるんですけど、それも基礎研究なんで、応用研究いくまで時間かかるのね。だけどノーベル賞取る人たちって、この基礎研究をいっぱいやってその失敗成功の積み重ねが応用研究いった時に、あれ待てよと、この失敗使えるなってなったのが大体ノーベル賞なんだよ。今日本政府は、この技術5年後に実用化なりますか、ならないやつには金出しません、だからならないんですよまだ。ならないんだけど、5年で作れるのは他の国にすぐ真似されてしまう。でもこれは真似できないんですよ。だからそこの部分もウチらの世代が次の世代のためにやってあげようと思って今やってるんです。
今あの太陽光発電、日本に3億枚以上あるんですけど、あれゴミに化けちゃうんですよね。当然寿命来るから。ゴミに化けたら大変な環境破壊になっちゃうんで、今ペロブスカイト太陽光発電にすると、スマホにあるペラペラの、この薄さで発電できるわけ。今世界では寿命競争なんですよ。効率は今のやつと同じぐらい、シリコン系と同じぐらいあるんで。で私今これをやろうと思ってて、私もメガソーラーいっぱい持ってるから、それが発電しなくなったらその上にこれを貼れば土台で使えるじゃん。そしたらゴミにしなくてよくなるんですよ。薄いんで加重かからないんで、また発電しなくなったらまたペロって貼ればいいじゃん、って。
田久保:確かに。ずっとできる。
深松:そうそう。そうやってなんとか今の作ったやつを無駄にしないで、再エネの循環にしていければいいなと思ってて、そういう研究やってるんです。
中辻:すごい。
田久保:なんでそんなに次世代に残していこうというこうマインドになられたんですか?
深松:やっぱ震災だね。人の死をいっぱい見ちゃって。死にたいと思って死んだ人ゼロじゃん。だからその人たちの分までも、やっぱりウチらが生かされた命だから、その人たちが本当であれば過ごすだろう人生を、次の世代の人たちにやっぱり稼いでもらわなきゃいけないので、だったら世界と競争できる日本でなきゃダメじゃないですか。日本は資源ないので技術いくしかないですよ。技術だったらやっぱそういう優秀な大学が日本にはあるんだから、そこにやっぱり民間が研究提共同研究でどんどん金投資してあげてやんなきゃダメなんですよね。アメリカとか海外の大学はほぼ民間の投資で成り立ってるんですが日本はそういう文化がない。
中辻:そうですよね。
深松:うん、だからやっぱり目の前も大事だけど、私はその先が大事だと思って。これからは官民一体とならないと。それぞれの産業が多分みんな人手不足になっていますよね。人手不足を埋めるタイミーのバイトあるんだけど、今度は産業版タイミーなんですよ。建設業で言うと4月5月6月は一番仕事で暇なんですけど、この時期に忙しい業界があれば、ウチら労働生産人口の10%いるから、その10%の人口をお手伝いにいけるわけです。お手伝いできればそこでまたスキル身につくでしょ。そうすると多能工となるので、みんなで多能工同士なれば、少ない人間で効率よくできるじゃないですか。そうやってこの人口減社会の日本を支えていかないと、今までの当たり前は守れなくなっちゃう。
田久保:なるほど。
深松:江戸時代、明治は初期は日本3500万しかいなかった。それでやってきてたんだから、今もやれないことないわけですよね。ましてやそん時にインターネットもなければスマホもないんだから。今はもっと便利になってるんで。だから諦めないで頑張ってねっていうことですね。
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