地元のために一直線!”超岡山志向”~株式会社重藤組
更新日:2026/1/17
▼目次
- 1 公共・民間の建築からトンネル工事まで多角的に展開する事業概要
- 2 先代から引き継ぎ、売上100億・従業員数5倍へと急成長
- 3 建設業界が直面する人材不足と「認知」への危機感
- 4 テレビCMから公共交通機関まで、徹底した露出戦略
- 5 ネーミングライツ取得による「しげとうアリーナ」の誕生
- 6 岡山への愛が詰まったキーワード「超・岡山思考」の真意
- 7 岡山弁の「もんげー」「でーれー」に込めた情熱
- 8 全社員一人ひとりとの対話から始まる働き方改革
- 9 資格取得と給与アップを連動させた明確なキャリアパス
- 10 感謝を直接伝える「賞与の手渡し」へのこだわり
- 11 現場の負担を軽減するデジタル化とChatGPTの活用
- 12 直行直帰を可能にする管理業務のオンライン化
- 13 現場の安全と健康を守る福利厚生の充実
- 14 家族も笑顔にするクリスマスケーキとお肉のプレゼント
- 15 かつての「特貫工事」と安請け合いによる苦い教訓
- 16 ブランド力向上により理系学生の人気ランキング1位へ
- 17 専務以下5名体制による徹底した2時間面談
- 18 スーパーフレックス導入と「岡山から1000億」のビジョン
- 19 橋梁メンテナンスやM&A、新素材開発への新たな挑戦
- 20 eスポーツ支援から繋がる建設現場の未来
2025年9月28日(日)15:00~15:55
株式会社重藤組 代表取締役社長・重藤武士さん
岡山県岡山市に本社を構える株式会社重藤組は、60年以上にわたり総合建設業として地域の発展に貢献してきました。最近では、岡山県総合グラウンド体育館のネーミングライツを取得し、10月には「シゲトーアリーナ岡山」が誕生予定。地元を盛り上げたいという“超岡山志向”の姿勢が際立つ企業です趣味のオートレースが仕事への活力になっているという重藤社長に、その熱意や今後の挑戦について、じっくりとお話を伺いました。
公共・民間の建築からトンネル工事まで多角的に展開する事業概要
クラフトバンク金村(以下、金村):まず最初に、株式会社重藤組がどのようなお仕事をされている会社なのか、その概要について教えていただけますか。
重藤武士さん(以下、重藤):建設業を主に手がけておりまして、役所の公共工事が50パーセント、民間工事が50パーセントという割合です。民間では大学や高校といった教育施設、スーパーマーケットや薬局といった商業施設など、建築が売上の7割から8割ほどを占めています。
金村:建築がメインとのことですが、土木の方でも大きな実績をお持ちだそうですね。
重藤:土木については、これまで非常に大きな仕事に携わってきました。例えば、水島のあたりでLPガスのトンネル基地を建設するプロジェクトがあり、12年間にわたって工事をさせていただきました。建築だけでなく、こうした大規模なインフラ整備も我々の強みです。
先代から引き継ぎ、売上100億・従業員数5倍へと急成長
金村:重藤組さんは岡山県を拠点に非常に勢いのある展開をされていますが、会社のこれまでの歩みについてもお聞かせください。
重藤:かつて先代が経営していた頃は住宅事業が多く、大和ハウスさんの下請けや木造アパートなどを中心に手がけていました。私が会社に戻る前は、売上が15億ほどだったのです。
金村:そこから現在の規模まで、どのように拡大されてきたのでしょうか。
重藤:私が戻ってからは、どんどん新しい人材を入れて体制を整えてきました。その結果、現在では従業員数が当時の5倍ほどになり、売上も100億円規模にまで成長させることができました。いわゆる総合建設業、ゼネコンとしてのカテゴリーで幅広く活動しています。
建設業界が直面する人材不足と「認知」への危機感
金村:建設業界全体で人材不足が叫ばれていますが、重藤組さんでも採用面での苦労はあるのでしょうか。
重藤:やはり建設業はどこも人材不足ですし、特に2024年問題に伴う残業代の課題や、職人の高齢化といった問題は深刻です。ベトナムの方など外国人の力を借りる場面も増えてきていますね。
金村:そうした中で、重藤組さんは採用に非常に力を入れていると伺いました。
重藤:どうすれば人を採用できるかを徹底的に研究しました。結論としては、まずは会社を認知してもらうしかないと考えたのです。おじいちゃんやおばあちゃん、学生さんたちに「そんな会社知らないよ」と言われないよう、名前を知ってもらうための投資を始めました。
テレビCMから公共交通機関まで、徹底した露出戦略
金村:「認知」を高めるために、具体的にはどのようなプロモーションを展開されているのですか。
重藤:テレビCMは毎日流していますし、バスのラッピング広告も6台ほど走らせています。さらにタクシーの背面広告や駅の中など、出せるところにはすべて「重藤組」の名前を出しています。
金村:岡山の方なら、どこかで必ず目にするような状況を作っているのですね。
重藤:空港から降りてきたところにも看板を置いています。とにかく岡山の街中に重藤組のマークがある状態を目指しました。何をしている会社かを知ってもらう前に、まずは名前を覚えてもらう。そのためのメディアミックスを戦略的に行っています。
ネーミングライツ取得による「しげとうアリーナ」の誕生
金村:プロモーションの中でも、特に大きな話題となっているのがネーミングライツですね。
重藤:はい、10月1日から「しげとうアリーナ」という名前がスタートします。入札の結果、我が社がネーミングライツを取得することができました。これは県民の皆様への認知度を高める上で、非常に大きな期待を寄せています。
金村:アリーナとなると、スポーツイベントなどで多くの方が集まる場所になりますね。
重藤:バスケットボールやバレーボールの試合、それからマラソン大会など、県内外から何万人という方々が来場されます。そこで学生さんをはじめ、多くの方に「しげとうアリーナ」という名前に触れていただくことで、親しみやすさを醸成したいと考えています。
岡山への愛が詰まったキーワード「超・岡山思考」の真意
金村:重藤組さんのホームページやメディアでよく目にする「超・岡山思考」という言葉について、その意味を教えてください。
重藤:私はずっと岡山育ちで、この「晴れの国」岡山が本当に大好きなのです。好きすぎてどう表現すればいいか分からず、「超」という言葉をつけました。ただの「好き」ではなく、めちゃくちゃ好きだという情熱を込めています。
金村:まさに郷土愛を全面に押し出したスローガンなのですね。
重藤:岡山にはいいものがたくさんあります。食べ物も美味しいですし、三大河川があって水も豊富です。地震も少なくて安全な場所ですから、スポーツをするにも最適な環境です。この素晴らしい岡山をもっと世界中の人に知ってほしいという想いがあります。
岡山弁の「もんげー」「でーれー」に込めた情熱
金村:「超・岡山思考」に関連して、岡山弁を交えた表現も多用されていますよね。
重藤:岡山弁で「とても」を意味する「すげー」「もんげー」「でーれー」といった言葉をよく使います。「でーれー岡山が好きで」といった言い方をすることで、地元の方々との距離も縮まりますし、自分たちのルーツを大切にしている姿勢を示せると考えています。
金村:方言を使うことで、重藤社長のパッションがよりダイレクトに伝わってくる気がします。
重藤:地元の方には親しみを持っていただき、県外の方には岡山の勢いを感じていただきたい。雨がほとんど降らないのに水が豊富だとか、中国山地と四国山地に守られて台風が直接来にくいといった岡山の強みを、これからも「超・岡山思考」で発信し続けます。
全社員一人ひとりとの対話から始まる働き方改革
金村:組織が大きくなると社員一人ひとりの声を聞くのが難しくなりますが、社内でのコミュニケーションはどうされていますか。
重藤:数年前から、一人ひとりと面接をする時間を設けています。要望を聞いたり、「給料が安い」という不満があれば、それに対して「じゃあ1級の資格を取ろうか」と具体的な解決策を提示したりしています。
金村:社長自ら、あるいは経営陣がしっかり対話の場を作っているのですね。
重藤:専務以下、5名の役員が手分けをして、一人あたり2時間ほどかけて面談しています。単なる業務報告ではなく、生活リズムや趣味、果ては髪の色や髪型の相談まで、本音で話せる関係性を築くようにしています。
資格取得と給与アップを連動させた明確なキャリアパス
金村:給与アップの条件として資格取得を提示されるのは、社員の方にとっても納得感がありそうです。
重藤:「もっと稼ぎたい」という意欲があるなら、それに見合う技術や資格を身につけてもらうのが一番です。将来的に所長になりたいのであれば、こういうステップで頑張ろうねと、会社としての期待を明確に伝えています。
金村:能力を正当に評価する仕組みがあるからこそ、定着率も上がっているのでしょうか。
重藤:そうですね。昔のように「背中を見て覚えろ」ではなく、どうすれば給料が上がり、どうすれば幸せになれるかを論理的に示すようにしています。その結果、今は離職者がほとんどいない状態を維持できています。
感謝を直接伝える「賞与の手渡し」へのこだわり
金村:最近では珍しい「賞与の手渡し」を続けられている理由について教えてください。
重藤:ボーナスは必ず私から手渡しして、一人ひとりに「いつも感謝していますよ」と言葉を添えるようにしています。社員のみんながいるからこそ、私の給料も出るのだと本気で思っていますから、その感謝を形にしたいのです。
金村:振込ではなく手渡しというところに、重藤社長の温かいお人柄を感じます。
重藤:手渡す瞬間に顔色や体調も確認できますしね。感謝を直接伝えることで、会社と社員の絆を深めていきたい。環境面ではペーパーレス化やIT活用を進めていますが、こうした心の通うコミュニケーションだけは、アナログな方法を大切にしています。
現場の負担を軽減するデジタル化とChatGPTの活用
金村:業務のデジタル化については、現在どのようなツールを取り入れていますか。
重藤:ChatGPTを積極的に使っています。現場日報の作成や文章作りをAIで行うことで、これまで時間をかけていた事務作業を大幅に簡素化しました。また、ISOの管理も簡略化し、働きやすい環境づくりを進めています。
金村:ChatGPTを書類作成に使うことで、具体的にどのような変化がありましたか。
重藤:一番は残業時間の削減ですね。これまでは現場が終わった後に事務所に戻ってから日報を打っていましたが、今はスマートフォンやパソコンで現場からそのまま入力できます。AIが文章を整えてくれるので、作業が格段に早くなりました。
直行直帰を可能にする管理業務のオンライン化
金村:報告業務をオンライン化したことで、現場監督の方々の動きも変わりましたか。
重藤:はい。事務作業のために事務所にわざわざ戻る必要がなくなりましたから、時間が空けば現場からそのまま直帰してもいいという方針にしています。とにかく残業をさせたくない、早く帰ってほしいというのが会社としての強い想いです。
金村:「早く帰れ」と言われるだけでなく、デジタルでそれが可能な仕組みを整えているのが素晴らしいです。
重藤:ツールを使いこなすことで、現場管理の精度を落とさずにスピードを上げることができます。若い社員はデジタルの扱いも早いですから、彼らの能力を活かしながら、古い体質の建設業から脱却しようとしています。
現場の安全と健康を守る福利厚生の充実
金村:過酷な現場環境を改善するために、具体的にどのような対策をされていますか。
重藤:熱中症対策には特に気を配っています。現場で氷を配ったり、ファン付きの空調服を全員に支給したりするのは当然として、水分補給も徹底させています。社員の健康は何よりも優先すべき事項です。
金村:保険などの安全面での配慮もされているのでしょうか。
重藤:全員に手厚い保険をかけていますし、コロナ禍の時も特別に保険金が降りるような仕組みを整えていました。安心して働ける環境がないと、いい「ものづくり」はできませんから、安全面と環境面には投資を惜しみません。
家族も笑顔にするクリスマスケーキとお肉のプレゼント
金村:社員のご家族に対するサポートも非常に充実していると伺いました。
重藤:クリスマスには全社員にケーキを渡していますし、お誕生日には5000円ほどのプリペイドカードを贈っています。また、ご家族にも喜んでいただけるよう、奥様向けに「1万円分のお肉」をプレゼントして、家族で美味しいものを食べてもらうような企画もしています。
金村:社員だけでなく、その背後にいるご家族まで大切にされているのですね。
重藤:お子さんが中学校や高校に入学した時にお祝いを出したり、赤ちゃんが生まれた時にお祝いをしたり、ありとあらゆる場面で社員の人生を支えていきたいと思っています。みんなが幸せになって初めて、重藤組が成り立つわけですから。
かつての「特貫工事」と安請け合いによる苦い教訓
金村:今でこそ素晴らしい環境ですが、過去には大変な時期もあったのでしょうか。
重藤:以前は「特貫工事」といって、安い仕事を無理やり取ってきて、工期も5ヶ月かかるところを3ヶ月で叩くような無理なことをしていました。すると、せっかく10人入れても、現場がハードすぎてみんな辞めていってしまうんです。
金村:営業が安く取ってきて、現場が疲弊するという悪循環ですね。
重藤:そうなんです。現場は利益も出ないし、工期も短い。そんな環境では社員が定着するはずがありません。その苦い経験から、ブランド力を高めて良い仕事を選ぶようにし、会社全体を改革していきました。
ブランド力向上により理系学生の人気ランキング1位へ
金村:改革の結果、今では採用面でも大きな成果が出ているそうですね。
重藤:地元の理系学生の就職したい企業ランキングで、岡山でナンバーワンになることができました。CMや看板での露出と、入社した後の働きやすさが両立できている証拠だと思っています。
金村:地元の大手企業を抑えての1位は、本当にすごい実績です。
重藤:「知っている会社」から「働きたい会社」へと変化できたのは、継続的なブランディングと、全社員との面談を通じて現場の不満を取り除いてきた努力の結果です。これからも「選ばれる会社」であり続けたいですね。
専務以下5名体制による徹底した2時間面談
金村:先ほどおっしゃっていた面談についてですが、役員の方々も相当な時間を割いているのですね。
重藤:専務、常務、部長、部長代理といった5名の体制で、全社員と向き合っています。一人2時間というのは結構な長さですが、定型的な質問だけでなく、「本音で不満はないか」をじっくり聞き出します。
金村:それだけ時間をかけるからこそ、社員の方も心を開いてくれるのでしょう。
重藤:役員が現場のリアルな悩みを知ることで、制度の改善も早くなります。精神的な安全性が担保されていないと、本音は出てきませんからね。ただの「偉い人との面談」ではなく、「一緒に会社を良くするための対話」だと認識してもらうようにしています。
スーパーフレックス導入と「岡山から1000億」のビジョン
金村:働き方の制度面では、コアタイムなしのスーパーフレックスも導入されているそうですね。
重藤:はい。時代の変化に合わせて、より柔軟な働き方ができるようにしています。ただ、これはまだ試行錯誤の段階で、これからも協議しながら最適な形を探していく予定です。常に新しいことに挑戦し続けなければ生き残れません。
金村:これからの将来的なビジョンについては、どのようにお考えですか。
重藤:今は売上100億ですが、ハッタリでもいいから「1000億」を目指そうとみんなに言っています。目標を高く持たないと衰退してしまいますから。5年後には150億、9年後には300億と、着実にステップアップしていく計画です。
橋梁メンテナンスやM&A、新素材開発への新たな挑戦
金村:売上を伸ばしていく上で、具体的にどのような事業領域を強化していきますか。
重藤:橋のメンテナンスや、劣化が進んでいる下水管のリニューアルなど、日本のインフラを守る仕事はまだまだたくさんあります。また、後継者がいない建設会社さんとのM&Aも積極的に進めて、グループの規模を拡大していくつもりです。
金村:建設以外の分野への興味も尽きないようですね。
重藤:カーボン素材を使ったものづくりにも興味があります。鉄よりも強くて軽いカーボンを、建設やドローンの分野で活用できないかと考えています。私は模型やラジコンが大好きなので、そういう自分の趣味を事業に活かせれば最高ですね。
eスポーツ支援から繋がる建設現場の未来
金村:重藤組さんはeスポーツの支援も積極的にされていますが、これは建設業とどう繋がるのでしょうか。
重藤:eスポーツの選手と、建設重機の遠隔操作には共通点があると思っています。実際、ドローンの測量やラジコンでの重機操作はすでに始まっています。ゲームをするような感覚で、自宅にいながら現場を管理する。そんな未来がすぐそこまで来ています。
金村:建設業が若者にとってより魅力的なものになりそうですね。
重藤:障害のある方や学校に来られない方でも、eスポーツを通じて社会と繋がり、そこで得たスキルを建設現場のリモート操作に活かす。そんな「かっこいい建設業」を、岡山から世界に向けて発信していきたいと思っています。
■株式会社重藤組 https://shigeto.co.jp/
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