防災関連製品フォーラムを開催 高知県産業振興センター・高知県
更新日:2025/4/28

高知県産業振興センターと高知県は2月27~28日の2日間、県内で高知県防災関連製品フォーラムを開催した。能登半島地震の発生を受け、県民の防災意識向上や県内の企業が提供する防災関連製品の普及促進を目的に、急遽開催を決定した。
当日は250人以上が来場し、県内の企業18社による防災関連製品などを展示。能登半島地震での被災経験や支援活動のセミナーを開き、多くの来場者が発表内容に耳を傾けた。

冒頭の挨拶で、栗山典久理事長は、能登半島地震の犠牲者・被災者に哀悼の意を示した上で、「大地震の発生は他人事ではない。今回のフォーラムを、近い将来に発生が予想される南海トラフ地震に備える機会と捉えてほしい。被害を少しでも軽減するため、県内では多くの防災関連製品が作られている。セミナーや参加者間での交流を通じ、防災意識の向上と同時に新たな製品の開発やバージョンアップに役立ててほしい」と呼び掛けた。

セミナーでは、実際に現地で支援活動を行ったアクアデザインシステム(高知市)の武田良輔社長が輪島市の避難所から中継で支援活動や現地の情報を紹介した他、四万十市役所地震防災課主事・岡村郁弥氏が1・5次避難所での支援活動で感じたことなどを報告した。また、現地を旅行中に被災した高知丸高(高知市)の髙野広茂会長は、「石川県と高知県は地理条件が似ており、災害発生時には大きな被害が出る可能性が高い。命を守るために、できることなら逃げることよりも逃げる必要のない安心な場所に住むことも考慮してほしい」と訴えた。

高知県は、南海トラフ地震発生時に甚大な被害の発生が予想されている。「防災先進県高知」として、県内企業の防災製品を知り、備えることにより今後も災害に強い県を目指していく。
この記事を書いた人

クラフトバンク総研 記者 信夫 惇
建通新聞社に10年間勤務。東京支局・浜松支局・岐阜支局にて、県庁などの各自治体や、建設関連団体、地場ゼネコン、専門工事会社などを担当し、数多くのインタビューや工事に関する取材に携わる。
2024年にクラフトバンクに参画。特集の企画立案や編集、執筆などを手掛けている。