クラフトバンク総研

桑原組が東屋の竣工式を実施

更新日:2025/7/11

桑原組(滋賀県高島市)は、同社グループ会社の安曇川スポーツセンター内にある東屋の竣工式を実施した。

 サークル内のコンペにて、予算・技術・維持管理などの現実的な制約も議論した上で、幅広い世代がスポーツを楽しみながらコミュニケーションを取れる場として東屋の提案し、桑原組が施工協力を行う形で本格始動した。設計では、伝統的な木造技法「継手・仕口(つぎて・しぐち)」を取り入れ、釘や金具を極力使わず木材同士を組み合わせる工法にも挑戦した。

 現場では、学生たちは現場監督や施工協力会社とも連動し、状況に合わせながら柔軟な調整を遂行。理想・現実のギャップと向き合いながら、約1年半を費やして東屋が完成した。完成後、学生からは「大工さんの段取りの速さが本当に印象的だった。工具の使い方も一から教わりながら、微調整が一致した瞬間、この上ない達成感を味わえた」「長期のプロジェクトに携われたことで、『誰かにとって使いやすい空間作り』を考え続けていた」などの感想が上がった。

 桑原勇人副社長は、「今回のプロジェクトでは、単なる職場見学や短期体験でなく、設計から施工、完成までのプロセスを共に歩むことで、建築の奥深さに触れる契機になったと感じている。今後は、他大学にも広く門戸を開き、地域に根差した多様なものづくりを、次世代と共に育めるよう全力を尽くしていく」と展望を述べた。