山岳Tの履工に関する自動打設システム開発 奥村組など
更新日:2025/4/26
奥村組と北陸鋼産は、山岳トンネル工事における覆工コンクリートの自動打設システムを開発した。省人化・省力化を進めながら、覆工コンクリート打設の品質を安定して確保することを目的としている。

従来の覆工コンクリート打設には、多くの熟練労働者が必要で、技能によって品質にばらつきが生じやすい課題があった。同システムは、奥村組が過去に開発した「高速打設システム」と「圧力計による打設高さ検知システム」を組み合わせたもの。圧送ポンプ機のリモコンとバイブレータ制御盤を接続し、設定された高さに応じて、ポンプの圧送速度、ポンプとバイブレータの稼働・停止を自動で制御。打設作業を行いながら、覆工コンクリート打設を打設口の切り替え作業を除き自動施工する。


大規模施工実験による検証では、バイブレータ稼働のタイミングや作業時間を人力に依らず制御したことで、一定の品質基準が満たされたという。現在は、道路トンネル現場で本システムを試行中で、この結果を基に技術を向上させるとともに他の工程の自動化も推進していく方針だ。
この記事を書いた人

クラフトバンク総研 記者 信夫 惇
建通新聞社に10年間勤務。東京支局・浜松支局・岐阜支局にて、県庁などの各自治体や、建設関連団体、地場ゼネコン、専門工事会社などを担当し、数多くのインタビューや工事に関する取材に携わる。
2024年にクラフトバンクに参画。特集の企画立案や編集、執筆などを手掛けている。