国際圧入学会がシンガポールで国際会議を開催
更新日:2025/5/2
国際圧入学会は、7月3~5日に「第3回 圧入工学に関する国際会議」をシンガポール国立大学で開催した。

同学会は、技研製作所(高知市)の創業者・北村精男氏が名誉会長を務める、鋼矢板や杭を地盤に静的に貫入する圧入技術の科学的な解明と普及を目的に発足した学術組織。当日は、「持続可能な建設に向けた圧入工法の優位性と気候変動への取り組み」をテーマに、17カ国から研究者や技術者など208人が参加し、日本からは過去最多の100人が出席。サステナブルな開発に向けた課題や圧入工学の最新技術・研究成果を共有し、基調講演やテーマ講演、各分野のプレゼンテーション、圧入工法の見学会などの他、多角的な議論を行った。
今回の会議では、募集した論文に対する表彰式が行われ、5つの部門で受賞者15名を表彰。日本からは中央大学や名古屋大学の他、技研製作所、佐藤重機建設、日本製鉄などから計10人が選出された。基調講演では、山口しのぶ博士が「持続可能な開発目標(SDGs)と気候変動対策の進展」をテーマに講演し、SDGsの現状や気候変動に関する国際的な取り組み、相互に関連するリスクの理解や影響などを説明した。
会議3日目には、シンガポール市内で圧入工法のデモンストレーションを実施。昨年、シンガポールに初導入された「ジャイロパイラー」と「クラッシュパイラー」、「ゼロパイラー」の3機種を紹介した。
次回の会議は、2027年にオランダで開催される予定である。

この記事を書いた人

クラフトバンク総研 編集長 佐藤 和彦
大学在学時よりフリーライターとして活動し、経済誌や建設・不動産の専門新聞社などに勤務。ゼネコンや一級建築士事務所、商社、建設ベンチャー、スタートアップ、不動産テックなど、累計1700社以上の取材経験を持つ。
2022年よりクラフトバンクに参画し、クラフトバンク総研の編集長に就任。企画立案や取材執筆、編集などを担当。現在は全国の建設会社の取材記事を担当。