ZEBとCASBEE・Sランクの認証取得 矢作建設工業
更新日:2025/9/12
矢作建設工業(名古屋市東区)は、愛知県長久手市にある研究施設「エンジニアリングセンター」の改修を行い、「ZEB」と「CASBEE-ウェルネスオフィス」Sランクの認証を取得した。


今回の認証取得は、空調・照明の改善や断熱性能強化により、一次エネルギー消費量を基準値より126%削減できたこと。また、空間の見える化や機能性向上、バイオフィリックデザイン、耐震性強化など、建物利用者の健康性・快適性の向上を達成したことで実現した。同社は、ZEBやCASBEEなどの持続可能な建物を普及させることで、企業としての社会的責任を果たす意向を示し、保有するエンジニアリングセンターの改修に取り組んだ。

改修後は、屋根の断熱性能強化や空調機器の適正化、照明制御(調光・センサー制御)により、大幅なエネルギー消費量の削減を実現。実験棟の屋上に太陽光パネルを設置し、エネルギー消費量の76%分を創出したことや、蓄電池と太陽光パネルの設置がBCP強化にも寄与するなど、顕著な実績を残している。改修は2025年8月に完了しており、既に供用が開始している。

エンジニアリングセンターでは今後、温度・湿度・電力使用量の測定や、知的生産性測定アンケートなどデータの収集・分析を行うことで、随時運用の見直しを手掛けていく。矢作建設工業は、今回の取り組みを顧客への技術提案に活かすことで、脱炭素社会の実現や、働く人の健康性・快適性の維持・増進に繋げていく方針である。

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クラフトバンク総研 編集長 佐藤 和彦
大学在学時よりフリーライターとして活動し、経済誌や建設・不動産の専門新聞社などに勤務。ゼネコンや一級建築士事務所、商社、建設ベンチャー、スタートアップ、不動産テックなど、累計1700社以上の取材経験を持つ。
2022年よりクラフトバンクに参画し、クラフトバンク総研の編集長に就任。企画立案や取材執筆、編集などを担当。現在は全国の建設会社の取材記事を担当。