山口県が建設産業働き方改革セミナーを開催
更新日:2025/6/25
山口県は6月13日、山口市内で「やまぐち建設産業働き方改革セミナー~意識を変えれば会社は変わる~」と銘打ったセミナーを開催した。当日は県内建設企業の経営者や管理部門の担当者らが集まった。
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冒頭の挨拶で山口県の瀬川博巳土木建築部監理課長は、「持続可能な建設産業の構築を支援する事業の一環として開催した。皆さまが進める働き方改革に役立つことを願う」と述べた。

セミナーでは、建設ディレクター協会の担当者が、建設業の働き方改革を推進する民間資格として注目を集めている「建設ディレクター」を紹介。これまで現場技術者が担っていた工事データ作成を引き受ける建設ディレクターを活用することで、現場技術者の負担を軽減し、業務効率化に繋げられる特徴などを発表した。続いて、建設ディレクターの育成に取り組む県内企業3社によるパネルディスカッションを実施。導入効果について、12人の建設ディレクターを育成する日立建設の上村隆晃代表取締役は、「現場に行く機会が自然と増えるため、社員と現場のコミュニケーションが親密になった」と体験談を伝えた。また、山陽建設工業の美正龍大総務部長は、「現場に配属したディレクターが4ヶ月で8割の業務が可能になり、想像以上に成長速度が速い」と実感を込めた。5人の建設ディレクターを育成する井原組の井原昌二社長は、「現場の技術者が施工に集中できる環境がつくれた」と現場の効果を述べた。

講演では、「ジョウ所長の土木技術者サポートチャンネル」を運営する建設系ユーチューバーで、兵庫土木サポートの条谷貴志代表取締役が人手不足の建設企業が取り入れるべきマインドについて語った。条谷氏は「『昔はこうだった』という固定観念を捨て、新しい技術や多様な人材を積極的に受け入れてほしい」とマインドセットの変革が急務であることを強調。続いて登壇したクラフトバンクの韓英志社長は、建設業界のデジタル化を推進し、専門工事会社の生産性向上を手掛ける同社の事業を紹介。韓社長は「人手不足が深刻化する中、DX転換により利益率を重視する体質に変革しようとする各社の決断が今後の鍵になる」と説明した。

この記事を書いた人

クラフトバンク総研 記者 松本雄一
新卒で建通新聞社に入社し、沼津支局に7年間勤務。
在籍時は各自治体や建設関連団体、地場ゼネコンなどを担当し、多くのインタビュー取材を実施。
その後、教育ベンチャーや自動車業界のメディアで広告営業・記者を経験。
2025年にクラフトバンクに参画し、記者として全国の建設会社を取材する。