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工業都市・山陽小野田市で”ONLY ONE”を目指して~富士産業株式会社

更新日:2026/1/14

▼目次

2025年4月20日(日)15:00~15:55

ゲスト:富士産業株式会社 児玉和美さん・松永恵さん・山田大貴さん

セメントの町として栄える山口県山陽小野田市で、産業機械・建築資材卸売りと総合建設業を営む富士産業株式会社。1966年に創業し、来年には60年の節目の年を迎えます。住宅リノベーションに注力する児玉さん、一般職から建設事業部に自らの希望で異動した松永さん、社内のデジタル推進の委員会に所属する山田さん。次世代を担う三人それぞれの目標や夢も語っていただきました。(山口県山陽小野田市 FMスマイルウェ~ブにて収録)

創業1966年、機械販売から建設まで担う多角経営

クラフトバンク中辻(以下、中辻)まずは富士産業さんがどのようなお仕事をされている会社なのか、教えていただけますか。

松永恵さん(以下、松永):私たちの会社は、主に各種商品の卸売業や工場機械の販売を行っています。それに加えて、建設業についても幅広く手がけている会社です。

中辻:山田さんは、今日は発電所の近くから駆けつけてくださったそうですね。

山田大貴さん(以下、山田):はい、工場内にあるバルブのメンテナンス作業を終えてから、こちらに伺いました。弊社は1966年創業ということで、非常に歴史のある会社なんですよ。

山陽小野田に根ざした「日立特約店」としての誇り

クラフトバンク津吉(以下、津吉):海がよく見える素晴らしいスタジオでお話を伺っていますが、地域での特徴などはありますか。

松永:産業事業部については、日立特約店ということもあり、日立グループの製品を扱って様々なお仕事をさせていただいています。

中辻:工場機械の取り扱いだけでなく、建設の方も幅広いのですよね。

松永:建設業の方は、一般住宅の設計・施工から、プラントのような大きな建物まで一貫して行っています。計画の段階から施工管理まで、自社で責任を持って担当しているのが特徴です。

住宅から店舗まで、設計のプロとして歩む23年

中辻:児玉さんと松永さんは建設事業部に所属されていますが、普段は具体的にどのような業務を担当されているのでしょうか。

児玉和美さん(以下、児玉):私は現在、主に住宅関連を担当しています。一般住宅や店舗の新築、あるいは改装などの設計業務がメインですね。

中辻:設計のお仕事は、キャリアとしてずっと続けていらっしゃるのですか。

児玉:そうですね。現場管理というよりは、設計の方でずっと歩んできました。ただ、富士産業に入ってからは、現場をきちんと管理することも含めて、多くのことを勉強させていただいています。今は現場に出て頑張る時間も増えています。

資格取得への挑戦、現場補助で磨く施工管理の視点

中辻:松永さんは、現在はどのようなお仕事に注力されているのでしょうか。

松永:私は今、絶賛資格取得のために勉強しているところです。実務としては、大きなプラントの新築工事の補助として現場に入り、日々学びを得ています。

津吉:目指していらっしゃるのは、どのような資格なのですか。

松永:施工管理と建築士、両方の資格取得を目指しています。施工管理には実務経験が必要になりますが、現在ちょうど4年の経験を積むために、現場での実務と勉強を並行して行っている状態です。

女性社員の活躍と個性を尊重する作業着

津吉:女性の方が作業着を着て現場に出られている姿は、非常に頼もしく、かつ素敵ですね。お二人の作業着は色が違いますが、何か決まりがあるのですか。

児玉:富士産業のロゴが入った作業着なのですが、実は薄いグレーと紺色の2色から選べるようになっているんです。女性が着ると可愛いと言っていただけることもあり、嬉しいですね。

津吉:男性の力強さとはまた違う、華やかさがありますね。見学に来られているもう一人の女性社員の方も含め、女性が活躍しやすい環境が整っているのですね。

児玉:はい、現場に出る際も、自分たちのスタイルで意欲的に取り組むことができています。

プラントメンテナンスの最前線、工場の心臓部を守る

中辻:山田さんは産業プラント事業部に所属されていますが、建設事業部とはまた異なる役割があるのですよね。

山田:そうですね。私は工場の中に入って、ベルトコンベアやバルブといった設備のメンテナンス工事や施工を普段は担当しています。

中辻:工場のインフラを支える非常に重要なポジションですね。富士産業の創業時のルーツはどこにあるのでしょうか。

松永:スタートは卸売業からでした。この山陽小野田の地で始まり、そこから地域に根ざして事業を拡大し、今の形まで成長してきたという歴史があります。

富士商グループホールディングス、400人が集う絆

津吉:富士産業さんは富士商グループホールディングスの一員とのことですが、グループ内での交流などはあるのですか。

松永:はい、お仕事での繋がりはもちろんありますが、年に一度、グループ全体での大運動会を開催しています。

津吉:グループ全体となると、かなりの規模になりそうですね。

松永:社員だけでなく、家族も参加できるイベントなんです。参加人数は400人を超え、非常に盛り上がりますよ。豪華な景品も用意されていて、みんな楽しみにしています。

富士商ドームで開催、世代を超えた社員交流の場

中辻:それだけの人数が集まるとなると、場所の確保も大変そうですが。

松永:体育館で行うこともありますが、昨年度は私たちの「富士商ドーム(きららドーム)」で開催しました。ドームを貸し切って体を動かす機会はなかなかないので、貴重な体験ですね。

津吉:お三方とも、その運動会には参加されたのですか。

児玉・山田:はい、参加しました!グループ全体の仲が非常に良く、アットホームな雰囲気がありますね。

コンピュータの世界から家業の道へ、23年前の決断

中辻:皆様が建設業界や富士産業に入られたきっかけについて、ぜひお一人ずつ伺いたいと思います。まずは児玉さんからお願いいたします。

児玉:私は23年前に入社したのですが、学生時代はコンピュータのプログラミングを勉強していました。全く異なる分野だったのですが、結婚した先の家業が建設業だったことがきっかけです。

津吉:プログラミングから建設へ、戸惑いはありませんでしたか。

児玉:最初は何もわからない状態でしたが、唯一、図面だけは少し触れたことがあったんです。そこからスタートして、仕事の楽しさに気づき、気づけばずっとこの業界で歩み続けています。

手描き図面からCADへ、技術の変遷と共に歩む

中辻:23年前となると、図面作成の環境も今とは随分違ったのではないでしょうか。

児玉:そうですね。学生時代は機械の図面などを手描きで描いていました。ちょうどCADが普及し始めた頃で、入社したタイミングでみんなと一緒に習いに行ったのが懐かしいです。

津吉:アナログからデジタルへの移行期を最前線で経験されてきたのですね。

児玉:はい。当時は男性ばかりの業界でしたが、パソコンの導入も含め、少しずつ環境が変化していく様子を肌で感じてきました。今では女性が増えたことも、本当に感慨深いです。

設計した建物が形に残り、子供たちに誇れる喜び

中辻:長年、設計のお仕事をされていて、最もやりがいを感じる瞬間はどのような時ですか。

児玉:やはり、自分が設計した建物が実際に形として残っていくことですね。それを自分の子供たちに見せてあげられるのは、何物にも代えがたい喜びです。

津吉:お母さんが作った建物だと胸を張って言えるのは、素晴らしいことですね。

児玉:はい。そして完成した時に、お客様の喜ぶ顔を直接見られることが、一番の原動力になっています。ものづくりの良さを日々実感しています。

父の背中を見て決意した、自邸の管理と継承

中辻:松永さんが建設業界へ飛び込んだきっかけは何だったのでしょうか。

松永:私は元々グループ会社で総務や経理を担当していましたが、4年前に父が家を建ててくれたことが大きな転機になりました。父も建築に関わる仕事をしていたんです。

中辻:お父様が建ててくださったご自宅が、きっかけになったのですね。

松永:はい。父がいなくなった後、この家を自分自身で管理していきたいと強く思ったんです。それが理由で、事務職から現場の道へと進むことを決めました。

背中を押した先輩の言葉、異動への挑戦

津吉:事務職から現場職への異動には、勇気が必要だったのではないでしょうか。

松永:不安はありましたが、総務時代の先輩方が「やってみなよ」と背中を押してくれたことが大きかったです。会社全体がチャレンジを応援してくれる雰囲気だったのも助かりました。

中辻:実際に現場に出てみて、いかがですか。

松永:覚えることは山ほどありますが、児玉さんをはじめ、建設事業部の先輩方が丁寧に教えてくださいます。部署を越えて産業事業部の方もサポートしてくれるので、とても心強い環境です。

小売業からアグレッシブな現場の仕事へ

中辻:続いて、山田さんのきっかけを教えていただけますか。

山田:私は高校卒業後、しばらく小売業の仕事をしていました。接客中心の毎日でしたが、知り合いから富士産業を紹介してもらったことが、業界に入るきっかけでした。

津吉:小売からプラントのメンテナンスへ、180度の方向転換ですね。

山田:一つの場所に留まるのではなく、自分の足で現場に出向いて活動したい、もっとアグレッシブな仕事をしたいという思いが強くなったんです。富士産業ならそれができると感じました。

職業病が語る仕事への熱意、バルブやベルトに心躍る

中辻:実際に現場での仕事を始めて、ご自身の中で変化したことはありますか。

山田:ありますね。休みの日でも高速道路を走っていて工場が見えると、ベルトコンベアやバルブに目が釘付けになってしまいます。「あそこの手入れをしたらもっと綺麗になるな」とか、つい考えてしまうんです(笑)。

津吉:それはまさに職業病ですね。でも、それだけお仕事に熱中されているということですね。

山田:はい。自分が関わったところが綺麗になったり、正常に稼働し続けたりするのを見ると、この仕事を選んで良かったと心から思います。

築150年の古民家再生、伝統技法に触れた衝撃

中辻:これまでのお仕事の中で、特に印象に残っている現場についてお聞かせください。

児玉:私は築150年を超える古民家のフルリノベーションが、一番印象に残っています。現代の金物などは一切使わず、手作業で木を加工して組み上げていく現場でした。

津吉:150年前の建物となると、今の工法とは全く異なるのでしょうね。

児玉:そうなんです。柱や梁が太い丸太でできていて、今の規格に合わせるのが本当に難しかったです。でも、それだけ時間が経っても全く傷んでいない。昔の職人さんの技術の凄さを肌で感じました。

江戸時代の硬貨やお皿、梁に刻まれた職人の名

中辻:工事の過程で、何か面白い発見などはありましたか。

児玉:はい、驚きました!解体中に江戸時代の硬貨やお皿が出てきたり、梁の裏に当時の大工さんが自分の名前を刻んでいたりしたんです。「〇〇エモン」という名前がいくつもありました。

津吉:150年前の職人さんと時を越えて繋がったような、ロマンのあるお話ですね。

児玉:はい。良いお家はこれほど長く受け継がれるのだと感動しました。簡単に壊して新しいものを作るだけでなく、古いものをリスペクトして大切にする魅力を再確認した体験でした。

グループ一丸で推進するDX、AIによる動画制作

中辻:富士産業さんのデジタル化やDXへの取り組みについても、ぜひ山田さんからお話を伺いたいと思います。

山田:弊社ではグループ全体で各社にDX委員会を立ち上げ、全社的に取り組んでいます。年に一度、その成果を発表する大会があるんです。

津吉:具体的には、どのような成果を発表されたのですか。

山田:建設事業部が手がけた過去の建築物の写真を使って、AI技術で動画を作成しました。写真を元にAIがドローンで撮影したかのように奥行きや角度をつけた動画にしてくれるんです。

コスト削減と高クオリティを両立するAIの力

中辻:写真からドローンのような動画が作れるとは驚きです。反響はいかがでしたか。

山田:発表会では非常に高い評価をいただきました。実際のドローン撮影は費用も時間もかかりますが、AIなら手元の写真から数時間で、しかも高いクオリティで作ることができます。

津吉:これまでの実績をアピールする上で、非常に強力な武器になりますね。

山田:はい。私たちはAIが作ったものに矛盾がないかチェックするだけで済みます。最新技術を補助ツールとして活用することで、これまでにない表現が可能になりました。

業務の「二重手間」を解消したい、現場からの切実な声

中辻:DXを推進する中で、現在課題と感じていることや、現場から上がっている要望はありますか。

山田:見積作成と、その後の利益計算が別々のソフトになっているという「二重の手間」を解消してほしいという声が一番大きいです。これを一本化して効率化したいと考えています。

津吉:事務的な負担を減らすことで、より本来の業務に集中できるようになりますね。

山田:そうですね。今はノーコードツールやRPAなどを勉強して、自分たちの手でそうした仕組みを構築できないか、試行錯誤しているところです。

クラウド化で情報共有を加速、直行直帰でも円滑に

中辻:児玉さんは、DXによる業務改善にどのような期待を寄せていますか。

児玉:現場の仕事は直行直帰も多いので、クラウド上で情報を共有し、共同編集できる環境が整うことを非常に期待しています。誰が最新のデータを持っているか、探す時間をなくしたいですね。

津吉:情報の断絶を防ぎ、スピード感を持って対応できるようになるのは大きなメリットですね。

児玉:はい。DX委員会で山田さんたちが私たちの要望を丁寧に吸い上げてくれているので、より使い勝手の良い環境が整うのを楽しみにしています。

若手から動く組織へ、20代が主役の会社風土作り

中辻:山田さんが描く、富士産業のこれからの未来像について教えてください。

山田:20代、30代の若手社員が、上司の指示を待つだけでなく自分たちから進んで動ける、そんなアグレッシブな組織を自分たちの世代で作っていきたいです。

津吉:若手が主役となって会社をリードしていく、頼もしい姿勢ですね。

山田:そのためにも、DX委員会などを通じてコミュニケーションのツールを充実させ、情報の風通しを良くしていきたいと考えています。若い力で会社をアップデートしていきたいです。

空き家問題をリノベーションで解決、地域の住まいを守る

中辻:児玉さんの今後の目標についても、ぜひお聞かせください。

児玉:この地域でも空き家問題が深刻化しています。そうした物件をリノベーションして、若い世代でも手が届く魅力的な住まいとして再生させることに貢献したいです。

津吉:古民家再生の経験を活かして、地域の課題解決に繋げていくのですね。

児玉:はい。「富士産業に相談すれば、中古住宅がこれだけ素敵に変わる」と思っていただけるよう、実績を積み重ねていきたいです。新築とはまた違う価値を提案し続けたいですね。

資格取得と他部署連携、富士産業を支える一本の柱に

中辻:松永さんは、これからどのようなことに挑戦していきたいですか。

松永:まずは現在勉強している施工管理と建築士の資格を確実に取得し、プロとして現場を任せてもらえるようになることが第一の目標です。

津吉:資格があれば、できることの幅もぐんと広がりますね。

松永:はい。そして部署の垣根を越えて、産業プラント事業部の方とも連携し、会社全体を支えられるような存在になりたいです。何でも挑戦させてくれるこの環境で、大きく成長したいですね。

■富士産業株式会社 https://fuji-ind.co.jp/
■FMスマイルウェ~ブ http://www.sw897.jp/

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アーカイブ配信:https://audee.jp/voice/show/103028

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