クラフトバンク総研

DX導入でクボケイが新たな領域に挑戦へ

更新日:2025/5/2

新築・リフォーム工事などを手掛けるクボケイ(長野県上田市)が、建設業に特化した経営管理ツールの導入により、バックオフィス業務の生産性向上を実現している。きっかけは、昨年7月にあった窪田陽介氏の社長就任。創業者である父からの事業承継後、会社内の課題を洗い出し、「事務員1人の知識と経験に依存していた業務を、誰が担当しても作業可能な体制に変える必要がある」とDX導入を決断した。社員に若手が多いことも功を奏し、比較的早期に社内のデジタル化が浸透したという。

窪田社長は、「これまで決算期を過ぎないと利益率の詳細は不透明だった現実があった。DX導入により、リアルタイムな数値の見える化を実現したメリットは計り知れない。勤怠・スケジュール管理や在庫確認など、事務作業に掛かる時間も減ったが、当社にとっては過去の統計データを随時閲覧できるよう変革できた点が、何よりも重要だった。まだ使いこなせていない機能もあるので、更に使いこなせるよう心掛けたい」と変化を語る。職人としての活動を続けながら、会社としての現況把握をする必要のある窪田社長にとって、バックオフィス業務の効率化と、現場作業に集中する環境ができた効果は大きかったようだ。

窪田社長は、学生時代から漠然と「家業を継ぎたいな」と考えていたが、父からの助言を受け入れる形で、新卒では他社での勤務を選択。様々な経験を蓄積した後、「クボケイ」に入社することを決めた。入社当初は、現場での仕事を習得するまで苦労した。しかし、「建設現場では四季の変化も肌で感じられ、何よりお客さまから直接感謝を伝えて頂ける喜びが、働く原動力になっていた」と当時を振り返る。俗に言う「家族経営」という状況に甘えることなく、目標にする品質重視の施工を追求し続けた結果、下請けの仕事だけでなく、会社ホームページからの依頼も増加。一級家具技能士である弟・智文氏の参画後は、建築だけでなく家具・建具の造り付けなどのトータルプロデュースも可能になり、顧客の要望に応じたコーディネートも提供している。

窪田社長は、「これまで職人を主体とする企業として運営していきたが、より組織の強化を進めるには、いずれは設計士の採用を視野に入れる可能性がある」と想定する。今年1月には中途で社員が入社したが、それでも需要に対して、供給が追い付けていない現状がある。しかし、「これまで培ってきた経験と、デジタル化の加速を融合することで、従来では成し得なかった実績を出してみせる」という希望は捨てていない。「当社の目標は、『建築を通じて、街の資産価値を向上させること』。会社としては新築需要が減少する中、既に先を見据えてリフォーム・リノベーション業を主軸にする検討にも入っている。今後も時代の急速な変化にもDX駆使で対応し、盤石な組織体制で邁進できるよう全力を尽くしたい」。

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