秋田1番の足場会社に向け、K’s足場が全力を尽くす
更新日:2025/3/24
K‘s足場(秋田県秋田市)が、社内体制のDX化を加速させている。真っ先に取り掛かった部門が、アナログが主流で進めてきた書類等の電子化。専門工事業に特化した業務効率化サービスを導入したことで、石川恭輔社長は「それまで日報や勤怠を紙ベースで記載していたが、管理・集計に膨大な時間を取られていた。当社にとって何がベストか模索したが、現場の要望に合致したシステムを選べたことで、大幅な負担軽減ができた」と率直に答える。操作・活用方法などで疑問点が出た場合は、即座に担当者とオンラインで繋がることができ、現在は経営面の相談まで行っているようだ。


石川社長は20歳で建設業に入職後、7年の足場工事の経験を積み「K‘s足場」を立ち上げた。技術には絶対の自信があったものの、即座に一人だけで業務を回していく厳しさに直面した。現場応援に奔走し、知人からの紹介に期待しながらも、冬季には解体業も兼任するなど寝食を忘れた活動をすることで、徐々に「一緒にやりたい」と言うメンバーが集結。日を追うごとに仲間は増えていき、間もなく「職人が働きやすい足場づくりを意識できるようになった」と振り返る。会社は拡大の一途を辿っていたが、組織としての戦略体制は未整備のまま。そのような最中、見学に出向いていた企業の経営者から今後の売り上げ目標を問われ、咄嗟の判断で「3年後の売り上げを1億円にする」と回答してしまう。明確な目標や方針も定めていない状況での発言だったが、石川社長は「一度宣言したからには後戻りできない状態になった」と奮起。体制強化に本腰を入れる貴重なきっかけとなり、見事に目標達成するという成功体験も手にすることができたという。


秋田県では、冬場には雪の影響で足場の仕事がない現実を考慮し、九州営業所を設置。遠距離間の移動は骨が折れることを予想したが、「意外と非日常を楽しむ社員も多く、環境の変化などにアクセントを付ける重要性も学んでいる」と近況を語る。社員が運用するSNSでも和気あいあいとした様子がアップされており、「DX化の促進により、更に役割分担を明確化し、生産性向上を追求していきたい」と意欲を示す。目指す先は、「秋田で一番の足場会社」。石川社長の「足場が形として残る期間は長くはない。だからこそ、お客さまの心に刻印されるような工事をする」との思いは創業時から変わらない。会社は来年で創業から10周年を迎える。この節目を機に、筆者はK‘s足場がどのような変貌を遂げていくかを着目していきたい。


K‘s足場のInstagram=https://www.instagram.com/ksashibaakita/
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この記事を書いた人

クラフトバンク総研 記者 川村 智子
新卒で入社した建設コンサルタントで、農地における経済効果の算定やBCP策定などに従事。
建設業の動向や他社の取り組みなどに興味を持ち、建通新聞社では都庁と23区を担当する。
在籍時は、各行政の特徴や課題に関する情報発信に携わる。2024年よりクラフトバンクに参画。
記者として企画立案や取材執筆などを手掛けている。