昭和建設が創業100周年に向けた挑戦に入る
更新日:2026/1/21
昭和建設(横浜市保土ケ谷区)が、昨年11月16日に創業60周年を迎えた。工藤圭亮社長が、創業者かつ父親でもある護氏から事業のバトンを受け継いだのは2004年。グループ企業が展開する不動産事業が好調の一方、縮小傾向であった建設事業の影響もあり、当時は社内に閉塞感が漂っていた。このような状況を打破するため、工藤社長は就任直後から営業体制の抜本的な見直しに着手。「昭和建設の知名度を上げる!」と、新規事業にも果敢な挑戦を続けた結果が実り、強固な経営基盤を築くことができた。現在は、一般住宅の建設から公共施設の大規模リニューアルまで、幅広い建築案件を手掛けられるようになり、工藤グループの中核企業を担えるまでに変化したという。


社内の変革を実現できた要因を工藤社長は「協力会社も含めた『組織力』を再構築できたこと」と分析する。以前までの協力会は形骸化し、激化する競争社会を勝ち抜くには限界を感じていた。「現状の慣れ合い体制では生き残れない」と判断した工藤社長は、協力会の解散という苦渋の決断を下す。その後、志を同じくする精鋭企業だけを集めた、新たな協力会「昭友会」を結成した。役員企業23社とは対等なパートナーとして切磋琢磨し、非常事態でも相互補完できる強固な信頼関係を維持し、現在協力企業は100社を超える。このネットワークこそが、同社の高品質な施工力を支えており、近年では本格的に土木分野へ参入。インフラ整備や維持管理の重要性が増す中、盤石な施工体制を築けたことで、将来的には建築と並ぶ事業の柱に育て上げる意向を示している。


工藤社長が提示する建設会社の使命は、「地域社会に必要とされ貢献すること」。2015年には、地元の和田町商店街で「スリッパ卓球選手権」などユニークな取り組みを次々とスタートさせており、地域の活性化にも寄与した。当初、同選手権は小さな商店街だけのイベントだった。しかし、その熱気は瞬く間に神奈川県内全域に拡大。多くの建設会社からの協賛を獲得できた実績を受け、「引き続き、多くの人々が交流できる機会を届けたい」と、「人」を重視した企画を提案し継続する強い意志を示している。


工藤社長の眼差しは、すでに次の100周年を見据えている。「父が築いた礎を、私が時代の移り変わりに適応しながら守り育ててきた。今後は、これを次の世代にどのように繋ぐかをテーマに組織を運営していく」と明確なスタンスを示す。現在、社内には20代の若手社員が増え、活気が溢れている。次世代を担う中堅社員の教育にも余念がない。昭和建設は、「お客さまに愛され続ける企業経営」を最優先事項に掲げ、この先も大胆なチャレンジを繰り広げていくはずである。



この記事を書いた人
クラフトバンク総研 記者 松本雄一
新卒で建通新聞社に入社し、沼津支局に7年間勤務。
在籍時は各自治体や建設関連団体、地場ゼネコンなどを担当し、多くのインタビュー取材を実施。
その後、教育ベンチャーや自動車業界のメディアで広告営業・記者を経験。
2025年にクラフトバンクに参画し、記者として全国の建設会社を取材する。








