太田幸男さん(エリアジャパン・代表)
更新日:2025/5/2
太田幸男さん(エリアジャパン・代表)
東日本大震災では、勤務先である名取市サイクルスポーツセンターで被災した。復興工事の際、土留部材引抜同時充填工法(ジオテツ)工法を目の当たりにした。当初は手伝いという形でサポートに携わっていたが、実際に施工作業に従事し、その精度と品質及び今後の可能性に共鳴し、協同組合Mastersに参画を決意し、組合員としても、ジオテツ工法普及の為に展示会や見学会など広報・営業活動を手掛けている。

ジオテツ工法の長所を「施工後に見る地盤の様子が、他と明らかに違う点」と明言する。素抜きと言われる、対策なしで実施する引き抜き工事との差は一目瞭然であり、同工法により堤体・堤防下の水みち対策、軟弱地盤地中内の底盤の滑りを未然に防げる魅力を示す。現在は、営業力と施工班の育成力にも注力。明確な技術習得には一定の鍛錬が必要であり、「知ってもらう事と施工部隊の増強は、喫緊の問題。盤石な体制が整備できるまで課題解決に向けた取り組みを続けたい」と話す視線は、常に前を向いている。

現在の施工実績は900件を超えた。この状況に対して太田代表は、「早期に1500件を達成してみせる」と直近の目標を語る。実現には、自身の関わる広報営業力を更に強化する必要性もあることを理解している。「ジオテツ工法は、被災地の手助けとなる有力な選択肢の1つ」。太田代表が掲げる理念の拡散は、天変地異が頻発する国土の保護や国土強靭化に直結しており、更なる活躍を期待せずにはいられない。

ジオテツ工法研究会のホームページ:https://www.hikinuki.jp/
この記事を書いた人

クラフトバンク総研 編集長 佐藤 和彦
大学在学時よりフリーライターとして活動し、経済誌や建設・不動産の専門新聞社などに勤務。ゼネコンや一級建築士事務所、商社、建設ベンチャー、スタートアップ、不動産テックなど、累計1700社以上の取材経験を持つ。
2022年よりクラフトバンクに参画し、クラフトバンク総研の編集長に就任。企画立案や取材執筆、編集などを担当。現在は全国の建設会社の取材記事を担当。