雨宮享さん(株式会社 酒井組・工事部長)
更新日:2025/4/28
雨宮享さん(株式会社 酒井組・工事部長)
会社ホームページ:https://sakaigumi.tokyo/
「『この会社で働き続ける』と覚悟を決めたのは、初めて現場のリーダーとして仕事を任された時だった」と振り返る。若い頃は昼夜逆転で作業する状況が多く、プライベートもない日々が続いた。それでも酒井組に留まり続けた理由を、「施工の仕事が好きだったこともあるが、何より現場を背負う責任感が芽生えたから」と率直に答える。会長である酒井政修氏と兄が同級生だったという縁も大切に、長く会社の屋台骨として下支えを続けている。

元旦に発生した能登半島地震を受け、インフラ整備の重要性を再認識。会社が山林・河川に囲まれていることもあり、「同じ土木工事でも、山の場所によって施工方法が変わるという技術的な指導にも、一層力を入れなければと改めて考えた」と本音を語る。会社は昨年、より若手の働きやすい環境にしていくため、パワハラ・セクハラの対応窓口を設置。自身の若手時代とは勝手が違い、新しい教育の仕方に戸惑うシーンはある。しかし、会社側が事前に手掛ける様々な配慮により、近年では若い社員の入社が増えており、「これまでにない、やりがいを持って仕事に取り掛かれている」と充実した日々を話す姿が印象的である。
「地域の安全・安心を守り、地元の方々と共に歩み続けられることが建設業の醍醐味。今後も時代の流れに対応しつつ、これまで習得した技術を後進に伝承することで、地場の発展に貢献していきたい」と並々ならぬ意欲を見せている。
この記事を書いた人

クラフトバンク総研 編集長 佐藤 和彦
大学在学時よりフリーライターとして活動し、経済誌や建設・不動産の専門新聞社などに勤務。ゼネコンや一級建築士事務所、商社、建設ベンチャー、スタートアップ、不動産テックなど、累計1700社以上の取材経験を持つ。
2022年よりクラフトバンクに参画し、クラフトバンク総研の編集長に就任。企画立案や取材執筆、編集などを担当。現在は全国の建設会社の取材記事を担当。