五十嵐公一さん(株式会社官社・取締役)
更新日:2025/12/9
「これからは専門工事の力が主役になる」

清水建設で経験を積んだ後、確信を持って左官業を営む家業に戻った。大学では建築学を学び、前職では施工管理として大規模な現場を担当した。職人の配置や工程を統括する中で、左官を始めとする専門工事業の技術が現場を支えている現実を目の当たりにした。
入社後に直面したのは、社員の半数以上が65歳以上だった現実。危機感から採用活動を刷新し、5年で16人の若手の採用を実現した。SNSやラジオ、求人広告の他、社屋の前に設置した看板に入社を呼び掛けた内容を掲載すると、予想外の反響を生み出し「次世代を担う多くの仲間を獲得することができた」と手応えを語る。


社内では技能検定への挑戦が活発で、今年は6人が2級に挑戦し全員が合格。仕事後や休日にも練習を重ね、先輩が後輩を支える体制も確立しつつあり、「努力が実を結果に繋がる喜びを力に変えてほしい」と常に前だけを見る。


現在31歳。現社長から番頭業務を引き継ぎ、会社の舵取りを担う準備にも入っている。「2030年までに従業員を30人に増やし、新潟で一番の左官屋にしたい」と先を見据える姿は力強い。創業82年の伝統と斬新な経営手法を強みに、同社は既に100年企業に向けた取り組みを始めている。



株式会社官社のHP:https://www.kansha-niigata.co.jp/
この記事を書いた人
クラフトバンク総研 記者 川村 智子
新卒で入社した建設コンサルタントで、農地における経済効果の算定やBCP策定などに従事。
建設業の動向や他社の取り組みなどに興味を持ち、建通新聞社では都庁と23区を担当する。
在籍時は、各行政の特徴や課題に関する情報発信に携わる。2024年よりクラフトバンクに参画。
記者として企画立案や取材執筆などを手掛けている。







