矢田勇人さん(株式会社トータルプラス・代表取締役)
更新日:2025/9/24
ロープアクセス(無足場)工法を主軸に、建物の調査診断から設計、補修・改修工事まで豊富な施工実績を持つ。同工法は、足場を組まずロープに吊られた状態での作業により、低コスト・工期短縮を実現する独自技術。四国全域から関西までのエリアで、シーリングや清掃業、商品陳列業務など多角的な事業を展開する。当初、3人での創業となったが、現在の社員数は30人に到達する勢いを見せている。

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前職では、塗装・シーリング工事業に従事していた。しかし、建物に対する調査・補修の領域を、同業者が表面的な対応に留めていた点に着目。「適正な品質施工と、ロープ技術を組み合わせれば、柔軟性を増した改修工事を提供できるはず」と決意したことが、「お客さまとの信頼強化に繋がった」と振り返る。「狭小地で足場が立てられない」「高層階の一部のみ補修が必要」という案件でも、適格に指定箇所でのアプローチができる強みを活かす。「ロープ技術は上下の昇降だけでなく、左右や斜めの立体的な移動も可能で適用範囲が広い。足場を設置せずとも従来と同等の施工が実現でき、コストパフォーマンスの観点からも非常に優位性がある」と強調する。


重要課題に「技術指導と人材確保」を挙げる。若手だけで構成したメンバーで現場に向かうと、施工の仕上がりにバラつきが生じるケースもあり、「統一基準の確立が不可欠と感じている。社員のモチベーション向上のためにも、各自が目標を持ち、成長を実感できる環境を整えたい」と展望を語る。四国におけるロープ技術の先駆者として、常に全力で取り組む姿勢は地域に活力を与えており、今後の更なる躍進に期待したい。


株式会社トータルプラスのHP:https://www.total-plus.jp/
この記事を書いた人

クラフトバンク総研 記者 川村 智子
新卒で入社した建設コンサルタントで、農地における経済効果の算定やBCP策定などに従事。
建設業の動向や他社の取り組みなどに興味を持ち、建通新聞社では都庁と23区を担当する。
在籍時は、各行政の特徴や課題に関する情報発信に携わる。2024年よりクラフトバンクに参画。
記者として企画立案や取材執筆などを手掛けている。