徳島県建設業協会・青年部
更新日:2025/3/24

【青年部の会長に就任】
2023年7月、徳島県建設業協会・青年部の会長に岡山正樹氏が就任した。前任者が4年務めた後に、引き継いだ責任あるバトン。協会本来のあり方を模索すると同時に、次世代の担い手確保・育成、建設業の魅力を発信することなどに取り組んでいる。岡山会長は、「青年部では、『技術・経営・発想力に優れた組織』を目指している。会員相互の親睦や交流を通じ、業界全体の健全な発展と地場に根差した活動を手掛けたい」と意気込みを語る。就任直後は、「責任感と不安が半々の状態だった」と本音を漏らす。しかし、「会員や事務局の手厚いサポートにより、年間を通した行事を無事に消化できようになった」と変化を語る。同級生・同世代も集まる各種講習会や研修会では、青年部ならではの意見や行動力を示せており、他県の青年部との交流や情報交換を行うことで、新たな可能性の模索も試みている。

【万が一を考慮した活動を継続】
青年部では昨年度、とくしま防災フェスタや県内小学校での出前授業、高校生の現場見学会などイメージアップと地域貢献に尽力した。そのような流れも活かし、現在は国・県の発展に繋がる構造改善に関する知見の獲得や、協会長・関係機関への提言も目論む。昨年10月には、石川県建設業協会青年部と能登半島地震に関する意見交換会を実施。南海トラフ地震に対する備えに向け、多く実例をヒアリングでき、「道路啓開の手順などを改めて把握し直す重要性を痛感した」と気を引き締める。定期的に開く防災訓練では、青年部に所属する全ての会員に役割を分担させており、昨座に現場救助に向かうための準備を徹底している。「災害発生後は、緊急車両も機能できなくなるほど、インフラが崩壊する事態を想定している」と基本スタンスを語る通り、常に万が一を考慮した現場目線の活動を継続できている点が特徴である。

【徳島市のメンバーを増やす】
青年部は徳島・鳴門・川島・脇町・三好・阿南・那賀と、7つの支部で構成されているが、岡山会長は「100社ほどが所属する状況において、なぜか最も業者数が多いはずの徳島市のメンバーが、1番少ない状況となっている」と本音を話す。同業者が集まる動機は、切磋琢磨の必要性を痛感したことや、最前線の情報を共有したいなど様々だが、「日頃から横の繋がりを維持しなければ、非常事態には対応できないことは歴史が証明している」と警鐘を鳴らす。会員の勧誘活動にも積極的な力を入れており、会長に就任以降で徳島支部に4社の新規入会を実現するなど、良い兆候も生み出せている。最近では、県の職員との交流・提携する機会を企画するなど、これまでにない対策も試みており、新規会員を更に増やせるかも注目である。

【担い手の確保と地域活性化】
昨年、徳島県建設業協会では女性部が創設されるなど、新たな動きが生まれているが、岡山会長は「担い手の確保と建設を通じての地域活性化は喫緊の課題。特に次世代を見据えた人材の育成は急務であり、ここに重点を置いた組織運営を心掛ける必要がある」と見立てを語る。実現には、より一層の技術研鑽と活動の活性化が必須になるなど課題も山積だ。岡山社長が建設業界に入職してから24年。業務が過度に輻輳した際、身体的な過酷さを感じることはあるが、現在に至るまで「使命感が途絶えたことは1度たりともない」と断言する。「建設業は、人々が生きていく上で必要不可欠なインフラを守る魅力的な産業。今後も地域貢献が建設業の第一歩という現実を改めて証明できるよう、与えられた使命を全うしたい」と語る姿には熱を帯びている。「地域の守り手」としての重責を迷うことなく背負う覚悟と存在感。徳島県建設業協会・青年部を主軸にした地域振興が、県内全体に創出されることを期待したい。

この記事を書いた人

クラフトバンク総研 編集長 佐藤 和彦
大学在学時よりフリーライターとして活動し、経済誌や建設・不動産の専門新聞社などに勤務。ゼネコンや一級建築士事務所、商社、建設ベンチャー、スタートアップ、不動産テックなど、累計1700社以上の取材経験を持つ。
2022年よりクラフトバンクに参画し、クラフトバンク総研の編集長に就任。企画立案や取材執筆、編集などを担当。現在は全国の建設会社の取材記事を担当。