地域密着のEV設備設置で、アロー電工が独自戦略を打つ
更新日:2025/5/2
アロー電工(兵庫県加古川市)が、家庭用EV(電気自動車)充電設備の「施工実績700件突破 特別キャンペーン」を実施した。キャンペーンは、アロー電工が手掛けたEV設備の設置数が、700件を突破した記念に行ったイベント。9月27日~10月31日までの期間、先着10名の工事費を20%割引するサービスであり、応募者が殺到し盛況な形となった。

アロー電工は、2007年に柿本昭英社長が、個人事業主として創業した電気工事業者。15年以上も地域に密着したエアコン取り付け・アンテナ工事や、EV設備の設置などを手掛けており、今年7月に法人化を実現。会社としての更なる発展・繁栄を目指している。柿本社長は、「会社設立は、インボイス制度への対応や大手企業との取引数増加も要因だったが、最も大きな動機は『家庭用のEV充電器設備に関する情報があまりに少ない』と痛感したこと。これらを解決するには、組織としての活動が不可欠だった」と経緯を話す。この課題を克服するため、柿本社長は早速、「自宅に電気自動車(EV) 充電コンセントを設置する時の疑問7選」と題した動画をYouTubeにアップ。見事に18万再生以上を達成し、自身の見立て・戦略が正しかったことを証明した。

柿本社長が、最初にEV事業に着目した時期が2015年。近所のガソリンスタンド閉鎖が続出する状況を見て、「地球環境の配慮が差し迫っている現状を考慮すると、次に需要が増す部門はEVだ」と確信し取り組みを開始した。その後、政府が打ち出した「2035年までに新車販売の全てをEVにする」という方針も追い風となり、会社としての実績も順調な滑り出しを見せている。確かな施工技術や顧客に寄り添う接客にも定評があり、特にLINEで指定個所の画像を送るだけで、概算費用などを即座に提出できる応対には、依頼者側が戸惑いを見せることもあるようだ。


「インターネットが普及し便利な時代に変化したからこそ、何かあればすぐに駆けつけられる存在になりたい」と柿本社長は理想像を話す。現在の目標は、「EVの電気工事=アロー電工」という評価が業界内で定着すること。実現には、地域・生活に密着した事業者・職人を更に増やし、その蓄積と拡散を影響力に繋げる必要があることは理解している。それ故に「いずれは、電気に関する悩みを、すぐに解決する技術集団に位置付けられたい」という気持ちは人並み以上に強い。「社員数の増加や教育システム徹底のなど、克服すべき点も多くあるが、当社はあくまで地場に根差した親しみのある存在として、今後も安心・安全・高品質の施工を、ワンストップで提供し続けていく」と意気込みを述べた。
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この記事を書いた人

クラフトバンク総研 編集長 佐藤 和彦
大学在学時よりフリーライターとして活動し、経済誌や建設・不動産の専門新聞社などに勤務。ゼネコンや一級建築士事務所、商社、建設ベンチャー、スタートアップ、不動産テックなど、累計1700社以上の取材経験を持つ。
2022年よりクラフトバンクに参画し、クラフトバンク総研の編集長に就任。企画立案や取材執筆、編集などを担当。現在は全国の建設会社の取材記事を担当。