ブレイブが地域最優先の経営方針を固める
更新日:2025/5/2
ブレイブ(埼玉県上尾市)は現在、InstagramやLINEなどSNSを活用したPR活動に力を入れている。山本勇人社長は、「正確な技術を持ち合わせていても、皆さまの目に留まる機会を作らなければ意味がない。塗装工事の良し悪しは、短期間で判断することが難しい。施工写真もセットにした情報提供の継続により、当社の特徴を出すことを意識している」と話す通り、小まめな更新を心掛けている。特に補助金活用時における注意点の喚起は閲覧者から好評を得ており、工夫を凝らしたアップに日々磨きをかけている。

会社は、今年で4期目を迎えた。友人からの影響で入職した塗装業界だったが、天候に多くの影響を受ける点や収入も安定できない点などから、転職が頭をよぎったことも1度や2度ではなかった。しかし、相談を持ち掛けた実父からの「外仕事で体力を使うが、信念を持って取り組み続ければ、必ず日の目を見るはずだ」とのアドバイスで開眼し、「塗装業を一生の仕事にする」と決意。無事に一人親方として前身の『山本建装』を立ち上げ、その後「紆余曲折を繰り返しながらもメンバーの増員が続いたことで、会社の設立を実現できた」と振り返る。屋号には「いちず塗装」を掲げ、常に社員が働きやすい環境を意識。「お客さまも社員も笑顔になってほしい」という一途な思いが込められており、技術的な面だけでなく、真心も込めたサービスを提供し続けたいとの気持ちが表れている。


山本社長は、直近の目標を「地域で一番と言われる塗装屋になること」に設定。売り上げを増やしたいという本音はありつつも、数字に囚われ過ぎると本質を見失う危険性もあると判断し、具体的なノルマを定めない方針を固めた。「最優先事項は、地域の人に信頼・応援される企業になること。地場に根差した皆さまから、『いちず塗装に依頼すれば間違いない』と認知して頂けるよう、着実な経験を積み重ねていく」と強い意気込みを見せる。「いずれは、次世代のリーダーとして業界全体を引っ張る企業になる」という意識は誰よりも高く、社内には「自分たちもその役割を担って見せる!」と下支えを名乗り出る若いメンバーが多く控える。山本社長の口癖は、「施工時に綺麗に見えるのは当たり前。数年後に圧倒的な差を出すために、常に丁寧に下地を整える」。塗装工事は高額で形のない商品。しかし、この地道かつ繊細な作業の積み重ねの先には、山本社長が思い描く光景が待ち受けているはずだ。



この記事を書いた人

クラフトバンク総研 記者 川村 智子
新卒で入社した建設コンサルタントで、農地における経済効果の算定やBCP策定などに従事。
建設業の動向や他社の取り組みなどに興味を持ち、建通新聞社では都庁と23区を担当する。
在籍時は、各行政の特徴や課題に関する情報発信に携わる。2024年よりクラフトバンクに参画。
記者として企画立案や取材執筆などを手掛けている。