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若手活性化による変革をスタート 福山建設工業協会

更新日:2025/4/25

広島県建設業協会連合会に青年部会が設立し、4月から正式にスタートすることが決まった。発案者は、福山建設工業協会(広島県福山市)の藤木貴志会長(松原組・常務取締役)。藤木会長は、「実際に動いて下さったのは、竹原建設交友会の岡本会長(岡本組・代表取締役)だから」と謙遜するが、考案した理由を「私の入会時は、同世代が圧倒的に少なく横の繋がりを持てなかった。理論は学べたが、感情面でのコミュニケーションが出来なかったので、この状況を変えたかった」と明確に意見を述べる。青年部会の創設を機に、若手間での交流がどのように活性化していくか注目である。

藤木会長は、「建設業は、国籍や性別、年齢を問わず、誰でも働くことが出来る数少ない職種。雇用の受け皿としては、これ以上の業種はなく、志が高ければ匠の領域まで辿り着けるなど魅力が多い」と醍醐味を話す。一次産業の中では、地域を盛り立てる起爆剤となり得る分野で、新規入職者を増やすための突破口とも考える。自身が常務取締役を務める松原組では、これを実践するため新卒社員の初任給を28万円、年間2回の賞与を設定。スーパーゼネコンでも「地域職」というカテゴリーを設け始め、人材確保が激化する中、今年度も7人の新入社員を採用できており、地域において先手を打った動きを見せている。

福山建設工業協会としては、常に「労務単価の上昇と適正工期を守ること」を主張。単価が上がっても、経営者だけが潤うことがないよう、細心の注意も払っている。「正直、働き方改革の推進に関しては、休みが増えてしまうことで、まだ日給で働いている人の給与は下がり、逆に新規入職者の減少に繋がっている点を懸念している。しかし、建設業が時代に逆行することだけはないよう、会長としての立場も考えたバランスある発言を心掛けている」と柔軟な姿勢を示す。松原組では「まず日本人の教育を最優先し、実際に自分の技術と給与が上がる喜びを知ってほしい」と、現段階では技能実習生を受け入れていない。しかし、「現状維持だけでは、いずれパンクしてしまうリスクがある」と、昨年から社員には海外の職業訓練校への視察を指示。理想の追求は続けるが、来るべき日を見据えた準備も欠かさない。藤木会長のスタンスを象徴するような振る舞いで、広島県内にも良き影響として波及し始めているようだ。

藤木会長は、「県内の建設業が永続的な発展を果たせるよう、協会では若手の経営者を多く育てていきたい」と展望を述べる。その根底には、「若い人が一定の活気が持てるサイクルを作らなければ、業界全体が停滞していく恐れがあり、それだけは避けたい」との強い思いがある。現在、会長に就任して3期目を迎えているが、既に複数の有力な若手経営者が現れており、バトンタッチのタイミングも考える時間が増えたという。「建設業は、社会に奉仕できる元気で力強い地場産業。先行きが不透明な時代に突入し難局は多いが、引き続き目の前にある課題を解決し続けることで、広島県内の未来を明るいものに変えていきたい」と意気込みを述べた。

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