東広島内装センターが次のステージに向けた社内体制を形成へ
更新日:2025/5/2
東広島内装センター(広島市)は、1991年に内装工事専門店として設立。現在は、「空間に彩を」や「想いを形に」などを理念に、顧客の要望を体現する工事専門集団として、幅広い活躍を見せている。野村滋常務は、大学を卒業後に車関係の仕事に従事した後、父である達也氏が創業した「東広島内装センター」に入社を果たした。異業種からの転職だった為、当初は戸惑いもあった。しかし、「周囲には年齢も近く気心の通じる仲間も多かったので、比較的に早く社内の雰囲気に馴染むことができた」と当時を振り返る。

「創業者の息子だから」という色眼鏡で見られないよう、野村常務は自らの志願で他の新卒と同様の待遇を希望。10年近く施工を体験した後、現場監督や営業など様々な業種を経験したことは、「会社全体を把握するに当たって、必要不可欠なことだった」と本音を話す。現在は、主に新規開拓を担当し、自らの足で顧客と関係構築するスタイルを堅持。数十年オフィスのリニューアルのない企業に対し、「綺麗なオフィスで働く状況をアピールしなければ、入社希望者の『ここで働きたい!』という気持ちを折ってしまうリスクがある」などの提案により新たな需要を作り、オフィスや工場などのリニューアル・改修などを直接請け負っている。


日が経つにつれて、経営に対して着実に手応えは掴めている。しかし、企業拡大を加速させるには、「受注件数をもっと増やし、毎年順調に増加する社員の育成を促進しなければならない」と焦る日々も増えてきた。「このような時にこそ重大なミスが発生し得る」と、最近では社長が社内の調整を担い、野村常務は対外的な顧客との関係構築に専念するという、経営層の役割分担を実施。外回りが多く会社を不在にしがちな野村常務だが、「このような状況下だからこそ、社員とのコミュニケーションを綿密に行い、若手社員に次のステージを見せなければ」と強い使命感を抱いているという。この過渡期を乗り越えられるかが、東広島内装センターのターニングポイントになりそうだ。

「当社は、関わる全ての人に対して、『笑顔のあふれる幸せな未来の実現を目指す』というミッションを掲げており、今後はこれを社内外に浸透させていくために全力を尽くす。もちろん、社員の人間面での成長・スキルアップを推進することは重要な要素だ。しかし、その反面で社員に『東広島内装センターに居れば安心して家族を養える』と感じて貰える基盤作りが、何よりも大事なことも紛れもない事実。この一見相反する両側面を、絶妙なバランスを取りながら調整できるよう注力していきたい」と展望を述べた。

この記事を書いた人

クラフトバンク総研 編集長 佐藤 和彦
大学在学時よりフリーライターとして活動し、経済誌や建設・不動産の専門新聞社などに勤務。ゼネコンや一級建築士事務所、商社、建設ベンチャー、スタートアップ、不動産テックなど、累計1700社以上の取材経験を持つ。
2022年よりクラフトバンクに参画し、クラフトバンク総研の編集長に就任。企画立案や取材執筆、編集などを担当。現在は全国の建設会社の取材記事を担当。