カーテンランドリー事業を突破口に。インテリアダイシンが100年企業に向けた活動を開始
更新日:2025/5/2

インテリアダイシン(香川県丸亀市)は、年間150棟以上の新築住宅の内装を手掛け、公共工事や大型ビルの工事等も得意する一方、住宅のリフォームなど、インテリアに関わる業務に取り組んでいる。真室幸太郎社長は、内装材の商社で経験を積んだ後、父が個人事業主として創業した同社に入社。2年後には、「更なる可能性を拡張していくこと」を目的に法人化を決断した。

入社直後から、「自分の給料は自分で作る」をモットーに、父のバックアップも得ながら新たな顧客開拓を実施。当初から父と共に四国中を練り歩き、各地で飛び込み営業を繰り返した後、青年会議所に入り関係構築を進めた。真室社長は、「青年会議所で信頼関係を結べた後は、そこで多くの得意先を双方で紹介し合えるようになった」と語る。現在のインテリアダイシンと取引をする企業は、ほぼ全て真室社長がゼロから作った顧客となっており、今も尚その関係性は広がりを見せ続けているという。


最近では、工事業だけでなく、医療法人や介護施設、ホテルなどを対象にした、カーテンランドリー事業に注力する。多額の費用を使って設備投資し、独自で開発したクリーニング機を駆使。一般店ではなかなか落としきれない汚れや、衛生面に徹底的に配慮し、施工時間にもこだわった、他にはないサービスを提供する。真室社長は、「建設工事業だけに固執していては、何かのきっかけで流れが急変した時に、柔軟な対応不能になるリスクがあると、カーテンランドリー事業を開始した。特にコロナ以降は、以前と比較にならないほど引き合いが多く、利益率も高いなどメリットは多い。この需要をしっかり掴みつつ、新たな可能性を模索するスタンスを維持したい」と本音を話す。カーテンランドリー事業に力を入れる一方、「現在の課題は、職人不足の一点に尽きる。当社に在籍する職人の技術を更に向上させ、それを継承できる体制を早急に構築する必要がある」と危機感を募らせる。これを象徴するように真室社長は、インテリアダイシンと取引する協力会社や1人親方の単価の引き上げを敢行。「内装業の技術は繊細で、少しずつレベルアップしていくもの。声高に叫ぶだけでなく、『当社にとって協力業者は必要不可欠な存在』という姿勢を示すため単価の引き上げを決めた」と経緯を語る。

「創業44年の当社だが、今後は100年続く企業を目指す」と真室社長は意気込みを語る。徐々にだが若手社員も増えている。既に事業承継の準備にも入っており、真室社長は若い社員達に対し「常に成長を目指す組織を作らないと、やり甲斐を見失うぞ」と発破をかけているという。「工事業とカーテンランドリー事業。この2つをバランス良く両治癒できるよう、信頼あるサービス提供と施工を心掛けていく」と見通しを語った。
この記事を書いた人

クラフトバンク総研 編集長 佐藤 和彦
大学在学時よりフリーライターとして活動し、経済誌や建設・不動産の専門新聞社などに勤務。ゼネコンや一級建築士事務所、商社、建設ベンチャー、スタートアップ、不動産テックなど、累計1700社以上の取材経験を持つ。
2022年よりクラフトバンクに参画し、クラフトバンク総研の編集長に就任。企画立案や取材執筆、編集などを担当。現在は全国の建設会社の取材記事を担当。