一致団結で挑戦する姿勢を堅持 西日本ショウゼット工業会
更新日:2025/4/28

西日本ショウゼット工業会の会長に平村成二氏(テクア)が就任してから、6年の月日が経過した。同会は、レゾナック建材(旧・昭和電工建材)の防水・防食ラインナップである「ショウゼット工法」の施工技術向上・発展などを目的に、東日本ショウゼット工業会と共に設立された業界団体。就任の経緯を平村会長は、「前任の会長である太田氏が大変男気のある方で、私が理事の頃から何かと可愛がって頂いた。当会の先行きなどを取りまとめる力が抜群で、その太田会長から『あとは任せた』とバトンを渡された形で、会長職を引き継ぎ、今に至っている」と振り返る。

現在、工業会として注力する分野を平村会長は、「安全性が保証され、施工がしやすい新製品を開発していくこと」と断言する。工業会の方向性は、メーカーであるレゾナック建材(横浜市神奈川区)が描き、会員は細かな意見や運用方法を詰めていくケースが多い。製品の特徴に合わせた施工技術を各々で習得するのは困難を極めるため、工業会では定期的に各地域で研修会を開催し、会員のサポートを徹底している。最近では、一昔前に主流だった「勘」や「感覚」などでなく、明確な数値や論理的な言葉を用いながら技術の伝承を心掛けており、会員の理解度も飛躍的に進んでいるという。国家検定である「セメント系防水作業」と「積層防食作業」の対策を目的にした事業所内での訓練も好評を博しており、平村会長は「1社で手掛けられる範囲は限られている。良い製品・施工力を即座に確立・共有することで、全国の課題を解決し、当会の存在意義を示していきたい」と思いを語る。「全ては建設業界にある困りごとを解消するため」を体現している平村会長の言葉には、含蓄があり示唆に富んでいる。


平村会長は、「気付けば、会員の中で私が最年長になっていた」と感慨深そうに回想する。これまで自社のテクア内では、全ての新規事業部の立ち上げに携わるなど、専務取締役として持ち前の力を遺憾なく発揮してきた。現在も毎日のように現場に出向き、その全てを西日本ショウゼット工業会にも還元しているが、最近では「後進の育成について考える時間も増えた」と本音を語る。やる気に満ち溢れる若手が即座に要領を得た動きはできないが、長い時間寄り添い続けることで飛躍的な成長を遂げる瞬間が、堪らない喜びに繋がっているようだ。「外的要因による資材高騰で厳しい状況は変わらないが、今後もより安全で強化な製品・施工を突き詰めていく。建設業界に逆風が吹く状態が変わる気配はない。しかし、西日本ショウゼット工業会は、常にチャレンジする精神を堅持しながら、困難に打ち勝つ努力を続けていきたい」と改めて強い気持ちを表明した。

この記事を書いた人

クラフトバンク総研 編集長 佐藤 和彦
大学在学時よりフリーライターとして活動し、経済誌や建設・不動産の専門新聞社などに勤務。ゼネコンや一級建築士事務所、商社、建設ベンチャー、スタートアップ、不動産テックなど、累計1700社以上の取材経験を持つ。
2022年よりクラフトバンクに参画し、クラフトバンク総研の編集長に就任。企画立案や取材執筆、編集などを担当。現在は全国の建設会社の取材記事を担当。