若手による県内の業界活性化を目指す 栃木県建設業協会・青年経営者連合会
更新日:2025/4/28

2024年6月、栃木県建設業協会・青年経営者連合会の会長に岩澤賢典氏(岩澤建設・専務取締役)が就任した。岩澤会長は、「行事が集中する期間でもあり、時間が過ぎるのが本当に早かった」と振り返る。

着任直後に取り掛かったのは、「建FES GO!」の準備。これは、協会創立100周年を記念して2022年に開始したイベントであり、2024年で3回目を迎えた。建設業の魅力を周知する場として進化を続け、前会長である菊池祥一氏(山本建設)が推進した広報活動を受け継ぐ形で、岩澤会長は地域社会に対するPR活動を強化。近隣の茨城県や群馬県の取り組みを参考に、テーマ設定に工夫を凝らすなど、今年は建設機械の操作や現場の仕組みを学べる企画を実施した。来場者数を前年の4000人から5000人に増加するなど結果を残せたことを、岩澤会長は「多くの方々の協力があってこそ実現できた。来年はより多くの方々に建設業の素晴らしさを届けられるようにしたい」と益々の発展を目指す。

青年経営者連合会では、若手経営者の育成するため、定期的に勉強会を開催している。法改正や災害対応をテーマにした講習会・懇親会などを通じて、実践的な学びと支部間の交流を促進する。岩澤会長は「会員数は減少傾向にあるが、フェスを通じて横の結束が一層深まった印象を受ける。昨年の会合では参加者が例年を上回り、会場が狭く感じられるほど盛況だった」と喜びの表情を浮かべながら話す。連合会としての活動が拡大を見せる中、イベントの充実化も同時に進めるなど、既に連携強化の兆しがあることも特徴である。

岩澤会長は、建設業の魅力を「社会貢献に直結する点」と即答する。もちろん民間企業として利益の追求は必須条件だが、それ以上に人々の役に立つ仕事をしているという充足感と共に業務を進められているという。「災害時の対応や道路整備など、目に見える形で地域社会のために働けることが醍醐味。工事完了後に地元住民の方から『ありがとう』という感謝の言葉を受ける瞬間は格別であり、他の業界では得がたい格別な喜びだ」と笑顔で語る姿が全てを象徴しているようである。「今後も他県との連携も強めながらも、建設業の魅力を広く発信していく。特に次世代を担う若手人材の獲得は急務。実現には、賃金の向上や長時間労働の是正、週休2日制の導入など、待遇改善とDXを活用した生産性向上の実施は必須だ。課題が多い中でも、連合会全体で今できる最善策に取り組み、業界全体の活性化に貢献したい」と並々ならぬ意気込みを見せた。

この記事を書いた人

クラフトバンク総研 記者 川村 智子
新卒で入社した建設コンサルタントで、農地における経済効果の算定やBCP策定などに従事。
建設業の動向や他社の取り組みなどに興味を持ち、建通新聞社では都庁と23区を担当する。
在籍時は、各行政の特徴や課題に関する情報発信に携わる。2024年よりクラフトバンクに参画。
記者として企画立案や取材執筆などを手掛けている。