不可能に挑戦を続ける、岩城建装が目指す先
更新日:2025/4/30
「やりたいことが次々と浮かぶ。目標をクリアすると、不思議と次の野望が生まれる。現状に満足することはない」。
岩城建装(三重県伊賀市)の岩城健人社長は、「やらないと言わないこと」をポリシーに掲げる。かつて老朽化した一般住宅で、劣化状況と予算の兼ね合いなどから、競合他社の全てが躊躇なく手を引いた案件を受注した。周囲からは「絶対に無理だ」と連呼されたが、「このような状況の方がむしろ燃える」と宣言した通り、社員間でのアイデア共有や突き詰めた技術の模索を繰り返した結果、顧客からの要望以上の成果を残せた実績を持つ。この様子を見ていた近隣住民から「岩城建装は信用できる!」と口コミが広がった過去を、岩城社長は「忘れられない貴重な体験。限界までやり切って得られる経験・信頼は、何にも変え難いと再認識した」と感慨深げに振り返る。周囲の評価に惑わされることなく、あらゆる物事に対して常に全力で向き合い、ゼロから信頼関係を構築してきた岩城社長の言葉には重みがあり、周囲からの絶大な信頼を寄せられる現実も頷ける。

このような人間性は、雇用にも好影響を与えており、全社員が「一緒に働かせてほしい」と自ら社長に懇願して入社に辿り着いている。「社員教育は厳しいと自負している」と語りながらも、「実は、塗装業を『生業にしたい!』と豪語する社員も多いんだ」と照れながら話す一面も垣間見せる。熱意を込めた指導に呼応するように、社長のこだわり抜いた丁寧な施工やアフターサービスは社員に浸透しており、売り上げも年々の上昇を見せることができていることが強みである。


岩城社長には、プロボクサーとして活動した経歴がある。ストイックさや集中力、持久力は、ボクシングで身に着けた財産。引退後もサークル活動などを継続し、昨年には自社で塗装を手掛けたキックボクシングジムを開業した。「塗装業とボクシング、どちらもこよなく愛しているからこそ、両者とも手を抜かず全力で挑めた。周囲からは不可能と言われ続けたが、この1年をやり抜いた経験で更なる自信が付き、周囲の見る目も変わってきたことを感じる」と誇らしげに語る姿が印象的である。


直近の目標を岩城社長は、「地域で一番の塗装業者になること」に設定。「『岩城建装』と聞けば、『あの良質な施工をする伊賀の塗装屋さんね』と認知されるくらいのブランド力を作り上げたい。これまで戸建て中心の事業展開だったが、徐々に大型案件を獲得する機会も増えてきた。5年以内に伊賀市でトップの塗装屋になれるよう全力を尽くす」と意気込む気持ちは誰よりも熱い。今年は半年先まで受注で埋まっており、身動きが取れない状況が続く。実力で現在地までのし上がることが出来た岩城建装が、伊賀市内だけでなく全国を視野に入れる日は遠くなさそうだ。
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この記事を書いた人

クラフトバンク総研 記者 川村 智子
新卒で入社した建設コンサルタントで、農地における経済効果の算定やBCP策定などに従事。
建設業の動向や他社の取り組みなどに興味を持ち、建通新聞社では都庁と23区を担当する。
在籍時は、各行政の特徴や課題に関する情報発信に携わる。2024年よりクラフトバンクに参画。
記者として企画立案や取材執筆などを手掛けている。