光和が施工を通した社会貢献を継続へ。
更新日:2025/5/2
光和(東京都葛飾区)の佐々木裕也社長は2017年末、愛知県の自動車関連企業に勤務しており、東海地方全体の営業面を統括していた。メンバーは全員で200人以上。そのような状況下でも、「叔父の創業した『光和』が、塗装工事業者として更なる発展が可能と証明したい」という信念の下、2018年2月に入社を果たした。未経験からの入社だったこと、前職とは勝手が違うことも多く当初は四苦八苦したが、持ち前の段取り力と順応性を発揮し、「社内では早期に仲間として定着することができた」と振り返る。2019年10月には代表取締役社長に就任し、20年には日本塗装工業会・東京支部に入会した。

社長就任後からしばらくは順調な日々が続いていたが、20年4月から国内で新型コロナウイルス感染症拡大に伴う外出制限が発令。公共工事全体の発注が大幅に減少し、会社としての受注件数が極端に少ない状態が数ヶ月以上も続く事態になった。苦しい状況が一定期間あったものの、一致団結した社員が必死に営業先の確保・拡大に飛び回ったことで複数の案件獲得に成功。それ以降は負の流れを断ち切ることができ、現在は東京都が発注した橋梁の塗り替えや、高速道路のリニューアル工事などが決定している。今期も手堅い増収増益を予定しているようだ。

佐々木社長は「地域・社会貢献につながる施工」を常に心掛けている。安全最優先を大前提とした日頃の事業展開が功を奏し、現在は組織拡大・強化を手掛ける領域に入った。会社としての利便性や次なる伸展も想定し、昨年11月には新社屋を購入し本社の移転を実施。安定的に増加の傾向を見せる業務量を考慮し、社員の増員や新たな協力会社の募集も進めている。「当社が事業を進める上で掲げる重要なテーマは、『顧客と社会のニーズに応える恒久の企業』として確立すること。不透明な時代に突入したが、最近ではコンクリートの補修施工のノウハウを習得し成果を残すなど、新たに開始した挑戦も実を結び始めている。今後も顧客の需要を重視した施工を基に、地道な社会貢献を続けていきたい」と展望を語った。佐々木社長の柔軟かつ実直な組織運営により、光和は今日も成長を続けている。

この記事を書いた人

クラフトバンク総研 編集長 佐藤 和彦
大学在学時よりフリーライターとして活動し、経済誌や建設・不動産の専門新聞社などに勤務。ゼネコンや一級建築士事務所、商社、建設ベンチャー、スタートアップ、不動産テックなど、累計1700社以上の取材経験を持つ。
2022年よりクラフトバンクに参画し、クラフトバンク総研の編集長に就任。企画立案や取材執筆、編集などを担当。現在は全国の建設会社の取材記事を担当。