M’s earxが「クール・ブルー」と未来を切り拓く
更新日:2026/1/13
M’s earx(兵庫県尼崎市)は、今年10月にブルーカラー職の価値を社会に正しく伝えることを使命にする「クール・ブルー」に参画した。同団体では関西支部に所属。松田鎮功社長は、「支部長の岡本光永氏(山田工業・代表取締役)などの志が同じ仲間と共に、ブルーカラーの誇りを取り戻し、その本質的な価値を社会へ広げたい」と力強く語る。松田社長の原動力は「解体工事に対する世間の見方を変えたい」という確固たる信念。長年、解体工事業に対しては「ガラが悪い」との固定観念が根深く存在しており、作業員が立っているだけで警戒され、不当な言葉を浴びることも珍しくない。その悔しさを胸に、同社では徹底した所作づくりを心掛け、清潔で統一感ある作業着、施工後の道路清掃や近隣への丁寧な説明を徹底。細部に渡る配慮の積み重ねを信用に変え、確かな評価を築くことができた。


松田社長は、19歳の時に建設業に飛び込んだ。大学を中退し家業の解体会社で働くことを望んだが、父からの返答は「自分で仕事を探せ」という厳しい一言。ハローワークで型枠大工の仕事を得て現場で鍛錬を積み、24歳で家業に戻る許可は下りたが、7年後に不況の影響を受け倒産。幼い子どもを抱え収入が途絶える中、妻の静かな励ましに支えられ独立を決断した経緯を持つ。個人事業主として着々と人脈を築き上げ、39歳で法人化を実現。順調に依頼を増やし続けており、創業5年目の現在は社員と次のステージを見据えている。


創業当初は売り上げだけを追い続けていたが、現場は疲弊し職場の空気を暗たんたる状態に陥れたこともある。このままでは誰も幸せにならない。この時に痛感した原体験により、自身の中で掲げる目標を「社員一人ひとりが幸せに働ける組織をつくること」に変えられたという。「どんな建設工事も解体から始まる。重機が家を倒す瞬間の迫力、構造を読み解く技術の奥深さは、この仕事特有の魅力。そうした側面も世間の方々に知って頂くために、当社が更なる活躍を遂げる必要がある」と明言する。利益・働き方の調和と、現場で働く醍醐味の共有。この絶妙なバランスが、同社が持つ独自の価値観をより際立たせている。


松田社長は「大きな会社を目指すつもりはない。ただし成長を止める訳にはいかない。会社としての進むスピードを上手に見極めていくことが私の責務だ」と改めて宣言する。この揺るぎない覚悟が、同社の未来を形作ることは間違いない。解体の現場に誇りを宿し、働く人の価値を押し広げるための固い決意。松田社長が描く道には会社の規模だけでは測れない力が宿っており、今後もクール・ブルーのメンバーと共に、建設業界に新たな光を届けていくはずだ。


この記事を書いた人
クラフトバンク総研 記者 川村 智子
新卒で入社した建設コンサルタントで、農地における経済効果の算定やBCP策定などに従事。
建設業の動向や他社の取り組みなどに興味を持ち、建通新聞社では都庁と23区を担当する。
在籍時は、各行政の特徴や課題に関する情報発信に携わる。2024年よりクラフトバンクに参画。
記者として企画立案や取材執筆などを手掛けている。








