西田技建が「空き家0円解体」の全国展開を目指す
更新日:2025/4/25
西田技建(大阪府東大阪市)は、「空き家0円解体」の普及促進に向けた活動を加速する方針を固めた。同サービスは、活用予定のない空き家の土地を買い取り、解体工事までをワンストップにすることで、顧客の負担をゼロで対応するもの。西田政治社長は、「空き家の放置が社会問題化する中、所有者の負荷を無くし、課題解決することを突き詰めた結果、『空き家0円解体』の提供に行き着いた。現在は、大阪府内を中心とした活動だが、いずれは全国展開できるよう実績を積み上げたい」と意気込みを語る。

西田社長は、解体業を「建設に着手する上で、全体の下地となる必要不可欠な業務」と位置付ける。「この解体作業を疎かにすると、全ての土台が崩れ落ちるのは明白。最近では遺品整理なども手掛けることで、可能性を広げている」と近況を語る。既に西田技建では、産業廃棄物収集運搬業許可証など、解体工事に関する複数の資格を取得。廃材を可能な限り減らす解体工事や、遺品をリサイクルに繋げるなど、徹底的に無駄を省く機敏な作業は、顧客からの厚い信頼に繋がっている。



現在、会社が克服すべき課題を西田社長は、「現場で働く社員の意識レベルを1つ上のステージに上げること」と明言する。「もちろん常日頃から従業員は頑張っている。しかし、取り組む姿勢をアップデートし続けない限り、その先にある景色を臨むことはできなくなる」と見立てを語る。直近では、「社員同士は、対面でのコミュニケーションを取る機会を増やすべき」と、本社と資材置き場を同じ敷地内に設置することを真剣に模索するようになったという。今年1月に迎えた創業10周年を機に、西田技建がどのように新たな力を習得していくか興味深い。


「当面は、『空き家0円解体』を全国展開することを中心に事業を進めていく」と西田社長は展望を語る。その先には、漠然とだが「建設業界に歴史を刻むインパクトを与えたい」という野望もあり、その為には具体的に必要な活動は何かが明確化しつあるようだ。営業部長と工事部長は、西田社長の同級生。社員同士が常に腹を割って忌憚のない意見を言い合える環境がある点も、西田技建の特徴である。「今後も世のため、人のため、お国のために、最高品質の施工を届け続けていく。当社には未経験からの入社でも、一人前に育て上げられる環境が整っている。多くの若者を雇用することで会社全体に勢いをつけ、目的達成のために最善な努力心掛けていきたい」と熱い胸の内を語った。

この記事を書いた人

クラフトバンク総研 編集長 佐藤 和彦
大学在学時よりフリーライターとして活動し、経済誌や建設・不動産の専門新聞社などに勤務。ゼネコンや一級建築士事務所、商社、建設ベンチャー、スタートアップ、不動産テックなど、累計1700社以上の取材経験を持つ。
2022年よりクラフトバンクに参画し、クラフトバンク総研の編集長に就任。企画立案や取材執筆、編集などを担当。現在は全国の建設会社の取材記事を担当。