野々山建設が上場に向けた動きを加速化
更新日:2026/1/11
野々山建設(愛知県知立市)で取締役部長を務める野々山昌峰氏は、大学で構造設計を学んだ後、大成建設の設計本部でキャリアを積んだ。スーパーゼネコンで専門性を磨き続ける未来も見据えていた。しかし、父・正春氏が率いる野々山建設で続いていた人手不足。そして「地方から建設業を底上げしたい」という強い使命感が背中を押し、2022年3月に家業に戻る決意をした。


入社直後に直面した問題は、古巣であるスーパーゼネコンとの社員に対する待遇格差だった。「このままでは人が来ない」と憂慮し、早期に社内体制の再構築に着手。完全週休2日制への移行や、初任給を26万円まで引き上げるなど、「新4K」を意識した働き方改革を積極的に推進してみせた。組織内の変革は着実に定着し始めており、わずか2年で新卒採用に成功するなど顕著な成果が表れている。日頃から「建設業の醍醐味は、何もない土地に建築を作り上げられること」と述べる野々山取締役は、この魅力を自らが発信するために、会社・個人双方のSNSアカウントを創設。SNSを駆使することで、リアルな交流・問い合わせにも繋げるなど、文字通り「時代に適応し続ける情報発信」を現在進行形で続けている。


野々山取締役が参画したことで、社内には経営面でも好循環が起きている。公共・民間工事を請け負う同社は、2022年度に約9億円だった売り上げが、今年度は16億円に届く見通しである。前職で培った知見を活かし、社員一丸で工事成績評定の高得点を目指しながら、自ら営業の最前線に立てたことで可能性は拡張。公共工事では、愛知県総合射撃場トラップピットなどの建設を受注に繋げた他、民間ではクリニックや高齢者向け施設の継続受注を結ぶなど、追い風が吹いている。「少数精鋭のメンバーが集まり、自らの手で企業規模を拡大しているという自負がある。この良い流れに乗ることで、2027年には30億円を目指す体制を構築したい」と明確な目標を設定している。


社外では、日本建設青年会議建設部会の国際ミッション運営委員会の委員長を務めている。幹部らと綿密な議論を重ね、JICAインド事務所の協力も得て、約30名の会員らとインド・デリーでの視察を成功させた実績もある。短期間でも、共に濃密な時間を過ごす意識をすることで「人脈・経験を広げられる」と実体験から知っており、わずか2年ほどの部会での在籍期間だが、今なお団体内では卓越した行動・実現力を発揮しているようだ。

野々山取締役は、「建設業の魅力を発信し、建設業の待遇改善や快適なまちなみを造りあげることで日本を改善したい。そのためには当社の上場は不可欠で、信用力と知名度を高め、市場の開拓を一気に加速させる」と確固たる覚悟を示す。企業としての成長だけでなく、業界全体を押し上げるという明確な使命。次なるステージへの力強い歩みは既に始まっており、上場を達成するまでの過程にこそ同社の魅力が凝縮されていると筆者は考える。

野々山氏のYouTube:https://www.youtube.com/@nonoyamamasataka
野々山氏のInstagram:https://www.instagram.com/masataka_nonoyama/
この記事を書いた人
クラフトバンク総研 記者 信夫 惇
建通新聞社に10年間勤務。東京支局・浜松支局・岐阜支局にて、県庁などの各自治体や、建設関連団体、地場ゼネコン、専門工事会社などを担当し、数多くのインタビューや工事に関する取材に携わる。
2024年にクラフトバンクに参画。特集の企画立案や編集、執筆などを手掛けている。








