Raglanが「点と点を繋ぐ」経営で未来を照らす
更新日:2025/10/27
電気工、電気通信工、再生可能エネルギー事業を手掛けるRaglan(愛知県豊橋市)は、「Good Life on Earth」をパーパスに、ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)など独自の事業展開を見せている。創業者である安形祐一社長は、海外での就労時に各地にあるインフラの重要性を痛感し、帰国後に電気通信関連の企業に就職。サラリーマンとして社会人経験を積む中で、「自分なりのやり方でもっと社会に深く関わりたい」との強い思いを抱き、20代後半で独立を決意した。


開業して数年後には無事に法人化を果たし、東海地区を皮切りに関西や九州にも営業エリアを拡大できた。事業はリモートワーク普及の波に乗れたと自負していたが、コロナ禍が落ち着きを見せた時期を経て、営業エリアの縮小を余儀なくされた。間もなく、既存の取引先を重視する戦略に舵を切ったが、負のスパイラルは止まらず、売り上げの6割を占める取引先との契約が消滅。「会社は2023年に存続の危機を迎えていた」と神妙な面持ちで振り返る。絶体絶命の中、安形氏が辿り着いた答えが「社会に求められていることは何か?」を追求すること。原点に立ち返り、人との繋がりを重視した活動を徹底すると、同業者からも多くのヒントを得られるようになり、「電気工事だけでない、生活の根幹であるインフラを維持できるよう、地域全体の持続可能性を高めていく」と強く誓ったという。


安形社長は、豊橋市で毎年開催する「ええじゃないか豊橋まつり」内の「HONOKUNIフェス」を主催している。イベントでは、誰でも参加できる「飛び込み総おどり」を企画するなど、お祭りに参加しやすい環境を提供することで、地域の活性化に貢献する。安形社長は、「最初は参加者が来るか不安だったが、今では毎年100人以上の高校生が集い、踊りに参加して賑わいを見せられたことが嬉しくて仕方ない」と本音を述べる。この活動は、単なるイベントというだけでなく、多くの若者を巻き込むことで、次世代の担い手を育成するという明確な目的がある。「地域ぐるみで祭りを盛り上げ、この雰囲気に触れた人々が街の未来を動かしていく。今は理想の段階にあるが、将来的には海外から豊橋に観光客を呼び込む起爆剤にすることが目標だ」と語る視線には熱を帯びている。


インタビューの最後に、安形社長は「やりたいのは『点と点を繋ぐ』こと」と明言した。グループ企業では、ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)や訪問看護サービスなど、多岐に渡る展開を見せており、「私が手掛ける全ての事業は、『人々の生活を豊かにし、未来へ繋ぐ』という一本の線で結ばれている」と胸を張る。いつどのような状況に置かれて失敗を恐れず、果敢な挑戦を続ける若き安形社長と、その意向を汲み取り下支えに徹する若き社員たち。7期目を迎えるRaglanが描く未来図は既に盤石化しつつあり、これからの地域社会が向かうべき道筋を明るく照らし出していくはずである。

HONOKUNIフェスのInstagram: https://www.instagram.com/honokuni.fes/?hl=ja
この記事を書いた人
クラフトバンク総研 記者 松本雄一
新卒で建通新聞社に入社し、沼津支局に7年間勤務。
在籍時は各自治体や建設関連団体、地場ゼネコンなどを担当し、多くのインタビュー取材を実施。
その後、教育ベンチャーや自動車業界のメディアで広告営業・記者を経験。
2025年にクラフトバンクに参画し、記者として全国の建設会社を取材する。









