RELIEFが「GOEN」で人手不足解消に挑む
更新日:2025/4/25
足場工事を手掛けるRELIEF(東京都西多摩郡)のソーシャルメディア事業部(SMJ)が、今年の夏を目処に伴走型ブランディングシステム「GOEN」をリリースする。GOENは、人手不足に悩む建設企業に対して、これまで同社が蓄積した採用・集客面のノウハウなどを提供するプロジェクト。現在のメンバーは、坂本れい子氏、荻原胡桃氏、神田夏海氏で組成されており、SNSの活用手法からSEO(検索エンジン最適化)・MEO(マップ検索エンジン最適化)対策に至るまでの具体策を伝授する。同社で運用を開始すると、前年度の売り上げ150%アップを達成した体験を基軸にしており、様々なコンテンツを求人・動員に繋ぐ実践的な知見を得ることができる。



SMJを発足した経緯を落合裕樹社長は、「当社が採用に苦慮していたコロナ禍に、現状打破を目的に立ち上げた。定着するまで社内でも疑問を呈する声は出ていたが、結果が出始めると会社全体がSMJを頼る形になり、今夏のGOEN提供に辿り着けた」と振り返る。その後、この立ち上げの意志を引き継ぐ形で、現メンバーの坂本氏と荻原氏がSMJに参画。坂本氏は、「コンテンツ作りからナレッジの共有など、大部分の業務を所属員の意思と判断に任されることで、全員に当事者意識と責任感が生まれ業務を推進できた」と率直に話す。業界全体が先行きに不安を抱いた時期に、敢えて勝負に出て、途中参加の社員が見事に繋いだ斬新な施策。荻原氏も「常に不安定な状況との格闘はあるが、『会社の人手不足をテクノロジーで解決する』という課題を解決するため、成果が出るまで微修正を続けたことがポイントだったはず」と経過を述べる。活用するSNSは、YouTubeやTikTok、Instagram、Facebookなど多岐に渡る。コンテンツの特徴を勘案し発信手法に変化を付けることで、最適なリアクションを獲得する。具体的な正解はないが、閲覧者数・求人数という形で結果は出る。現在、所属する3人は見事にやり甲斐・使命感を持ちながら働き続けているようだ。RELIEFの求人者数が急増した話を聞き付け、全国からヒアリングに訪問する企業数は予想を上回り始めており、GOENの正式リリース以降、業界全体の採用難をどれだけ軽減できるか注目である。


落合社長は、「足場は工事終了後、形としては無くなるが、人々の記憶には残り続けるもの」と断言する。「あらゆる施工は、私たちの設置した足場を基にスタートする。現場で作業する方々の命を預かるという責任感を誇りに、引き続き万全な足場施工を実施していく」という意志は誰よりも強い。社内にある外壁・外装の改修工事全般を行うリフォーム工事部と、ドローンを活用して外壁調査を手掛けるドローン事業部は今も躍進を続けており、会社としての可能性は日々拡張している。組織一体となった成長を続け、業界が抱える採用課題に1つの答えを提示できるのか。落合社長が率いるRELIEFが手掛ける新たな挑戦には、底知れぬ希望が詰まっている。



この記事を書いた人

クラフトバンク総研 編集長 佐藤 和彦
大学在学時よりフリーライターとして活動し、経済誌や建設・不動産の専門新聞社などに勤務。ゼネコンや一級建築士事務所、商社、建設ベンチャー、スタートアップ、不動産テックなど、累計1700社以上の取材経験を持つ。
2022年よりクラフトバンクに参画し、クラフトバンク総研の編集長に就任。企画立案や取材執筆、編集などを担当。現在は全国の建設会社の取材記事を担当。