シーバスハイが「会社No.2」確立に重点を置く
更新日:2025/7/7
シーバスハイ(大阪府高石市)は、昨年10月に会社設立10周年を迎えた。これまで大阪を中心にベストな足場を提供するために創業し、難易度の高い現場でも確かな技術力を長所に事業を展開してきた。鈴木宏謙社長が、「振り返ればあっという間だった」と感慨深げに語る通り、様々な現場経験を積み重ね続けたことで、「組めない足場はない」という確信に基づいた取り組みを続けている。


足場工事業への参画は、「現場で働く職の洗練された立ち振る舞いに強く魅了されたから」と回想する。入職当初は、1日・17時間にも及ぶ連日の長時間労働を担い、親方独自の「見て学ぶ」指導法に苦戦。足りない経験を圧倒的な行動量で補い、行く先々の現場で些細なことでも質問し続ける姿勢を貫いたことで、徐々に知見を蓄えていったという。独立後は、応援からのスタートとなったが、持ち前の人懐っこさや知人との繋がりを重視する仕事ぶりで徐々に信頼獲得を進め、2014年に法人化を果たした。

2018年9月に発生した台風21号の際は、補修作業などの需要が伸びたことで高単価の職人獲得競争が激化。当時在籍していた社員15名の全員が退職する事態に陥った。「受注していた高速道路やマンション大規模工事も、途中で完全にストップした。しかし、多くの方の支えによって辿り着けたポイントを考えると、安易に事業を止めることは出来ず、周囲からの応援も得ながら何とか乗り切った過去がある」と人生最大の危機を語る。一連の流れを体験後、協力会社の必要性を痛感し、足場会社のネットワークに加入。全国各地に仲間を得たことで新たな人間関係を作り、事業基盤を再構築するきっかけとなった。

鈴木社長は「入職当初からワンマン経営の状態で走り続けてきたが、近年は意欲的な若手も入ったことで、技術承継の段階に入ったと感じている」と率直に話す。現在は、「2番手となる存在を早期に育成し、私自身が不在になっても運営できる仕組みを目指したい」と意気込みを語る。現在の社員数は4名。人員拡大も視野に入れつつ、スムーズに技術指導ができる現場選びも心掛けている。「社員には『これ以上は教わることはない』という領域まで成長してほしい」と期待を込めており、自身が若手の頃に受けた『見て覚えろ』の指導方針は取り入れていない。若い時期から多様な現場経験を積むことができ、働く理由や目的の理解まで社員に浸透し始めているシーバスハイ。当社では、明確な「会社No.2」が生まれた後に、鈴木社長がどのような行動を起こしていくかに注目していきたい。

この記事を書いた人

クラフトバンク総研 記者 川村 智子
新卒で入社した建設コンサルタントで、農地における経済効果の算定やBCP策定などに従事。
建設業の動向や他社の取り組みなどに興味を持ち、建通新聞社では都庁と23区を担当する。
在籍時は、各行政の特徴や課題に関する情報発信に携わる。2024年よりクラフトバンクに参画。
記者として企画立案や取材執筆などを手掛けている。