クラフトバンク総研

平山建設が「200年企業」を見据えた経営に着手

更新日:2026/2/3

「入社直後に約1億円もの赤字の存在を知ったんだ」。

平山建設(千葉県成田市)の平山秀樹社長は、少し複雑そうな微笑みを浮かべながら当時を語る。数年前にあったはずの売り上げは40億円から21億円まで減少していた。「この後の5年間は、プライベートな時間は皆無に等しかった」と話すほど、一心不乱に広域エリアにて短工期の現場をこなし続けた。しかし、間もなくどれだけ繰り返しても、次に繋がらない薄利多売な構造だと悟り、「何か差別化を図らなければ、本当に手遅れの状態に陥る」と新たな模索を始めた経緯を振り返る。

会社としてのターニングポイントを、平山社長は「2000年にホテルを開業したこと」と言明する。ホテル事業を運営する上で、順調に回せていた日・週・月次に関するPDCAサイクルを建設事業にも移植できたこと。また、地元である成田市を最優先にした経営に舵を切れたことで、停滞していた業績は徐々に改善。その後、中期計画として策定した「55期までに売り上げ50億円・経常利益5億円にする」という目標を、前倒しで達成することができた。苦境から脱却した経験は、社内に「今後も成長を続けるため、人への投資を増やすべき」という風土の醸成に直結。既に設計から施工までフルBIMによる案件も手掛けるように変化しており、意匠・構造・設備などの各分野で飛躍的に生産性向上を果たすなど、DXの活用と組織基盤の整備を同時に進められている。

平山社長は、現時点での課題に「人手不足と酷暑での現場をスムーズに対応していくこと」を挙げる。これら全てを克服するには、「社内にBIMだけでなく、AIなども含めたDXを駆使できる人材を更に育成し、協力会社とも共同で働き甲斐のある職場環境を強化する必要がある」と意向を示す。特に夏・冬における極端な気候に対する対策としては、設計初期から負担軽減を前提にしたBIM活用を想定するなど、これまで暗黙知としてきた業務のデジタル化にも備えている。

創業125年を迎えた平山建設では、今後は「200年企業」として定着することを目指し、「後継者の選定にも意識を傾ける」と展望を掲げる。近い将来に実施すべき計画としては、「社員の平均年収を約660万円に押し上げること」を設定。年々、少しずつでも待遇面をアップするため、「当社のビジョンである『ふるさとづくり・まちづくり・建物づくり』を追求していく」と改めて覚悟を見せる。市内では、成田空港の機能強化に伴う居住需要に応じる他、環境デザイン研究所と共同での計画が進行するなど、これまで以上の活発な活動を続ける方針を目指す。地域社会に「平山建設が成田にあって良かった」との評判が根付くよう、平山社長は今後もDXの運用を念頭に置いた組織運営を手掛けていく。

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