クラフトバンク総研

王鑫さん(株式会社本陣・工事部課長代理)

更新日:2025/5/2

王鑫さん(株式会社本陣・工事部課長代理) 

本陣のホームページ= http://honjin.cc/

入社に気持ちが傾いたのは「就職活動中、当社が母国の中国と事業を手掛けているのをホームページで知ったから」と回想する。日本での大学卒業を前に、既に商社などから内定は貰っていた。しかし、2007年に「日本の大学で学んだ土木の知識を、母国とも関連ある企業で活かしたい」と決意。入社当初は、現場の掃除・手配など、監督の補助から始めた社会人生活だったが、現在は一級造園施工管理技士や一級土木施工管理技士、街路樹剪定士など、現場に必要な様々な資格を保有。現場監督として、常に全体のバランスと調和に細心の注意を払いながら、業務を進めている。

王氏は「土木と違って造園は見栄えを重視するため、監督の現場判断で事前の方針を変えることが多い」と話す。その際に必須な能力は「月並みだが日頃からのコミュニケーション。人間的な関係はもちろんだが、監督の理論や意図、前言撤回も有り得るなど、様々なシチュエーションを前もって伝えることで、物事をスムーズに進めることに注意している」と力を込める。現在は、更に自分と会社の可能性を拡げるため、一級建築施工管理技士への挑戦を開始するなど、日々ステップアップを目指す姿勢が輝きを増している。

これまで何か緊急事態が発生した際は、自力のみでの解決を試みてきたが、「週休2日制の義務化などを考慮すると、今後は他のメンバーも滞りなく対応できるよう工夫する必要がある。この点は、多くの現場を経験してきた私だからこそ伝承できるもの。私自身も1人で抱えずチームとして連動し、更なる飛躍が遂げられる形を学びたい」と先を見据える。既に王氏の中には、「今までの経験を蓄積したコンサル的な要素も取り入れた、新たな提案を行うスタイルを構築する」という戦略もある。王氏の活躍により、本陣がどのように変容していくか楽しみである。

関連記事:特集・業界リーダーに迫る「「社長を信じ業務に徹する」。本陣が次なる勝負への準備を開始」

新着記事

  • 2025.12.12

    大島 康正さん(株式会社はせがわ環境開発・代表取締役社長)

    今年8月に光ストレスの原因となる特定波長のみを抑制する窓ガラス用コーティング剤「SmartCoat®eyecare(スマートコート アイケア)」(特許取得済)の全国販売を開始した。「小学生の息子が光過敏症だと分かり、誰も […]
    クラフトバンク総研編集長佐藤 和彦
  • 2025.12.10

    五十嵐公一さん(株式会社官社・取締役)

    「これからは専門工事の力が主役になる」 清水建設で経験を積んだ後、確信を持って左官業を営む家業に戻った。大学では建築学を学び、前職では施工管理として大規模な現場を担当した。職人の配置や工程を統括する中で、左官を始めとする […]
    クラフトバンク総研記者川村 智子
  • 2025.12.04

    北川皓平さん(有限会社北八建設・取締役)

    8月にオープンした、まちの発掘拠点「IRIFUNE(いりふね)」の統括責任者として奔走した。IRIFUNEは、地域の滞在体験の向上を目指す、宿やカフェなどの機能を備えた複合施設。全国から集まった建築学生13人が率先して、 […]
    クラフトバンク総研編集長佐藤 和彦
  • 2025.12.02

    山脇一夫さん(山脇組・代表取締役)

    世界文化遺産・姫路城における「昭和の大修理」を中心に、創業から90年以上に渡り、兵庫の地で左官業を担い続けてきた。白く輝く漆喰壁や屋根目地の補修・修理は、城の威容を支える象徴的な仕事であり、「自らが手掛けた建造物が後世に […]
    クラフトバンク総研記者川村 智子