天野 雅弘さん(株式会社渡部建設・専務取締役)
更新日:2025/7/8
来年11月に創業20周年を迎える。17歳で建設業に入り、独立も視野に修行を積む中で、同社の社長である美和裕一郎氏の誘いを受けた。「当時の建設業はクリーンとは言い難く、『社会的保障や正当な評価がなされる会社を作りたい』との思いが一致した」と創業の経緯を語る。若さゆえの勢いも手伝い、新たな挑戦を開始した瞬間となった。

立ち上げ当初は仕事が思うように受注できず苦戦するも、愚直に業務に励み続けたことが功を奏し、1年後には社員数10人規模の会社に拡大。「友人に声をかけ人員を確保し、紹介が次の紹介に連鎖できたことで定着率も自然と高まった」と急成長の要因を分析する。

2021年4月には、大阪四条畷に本社を構える上場企業、溶接金網のリーディングカンパニー「株式会社トーアミ」のグループ企業として参入し、事業拡大を加速させると共にグループ内の活性化を図っている。

こうした成長過程と自社施工の特化を強みに、型枠工事だけでなく、造成・外構工事、舗装・地盤改良工事などの領域にも進出。「職人が仕事を選べる環境を整えたい」という思いのもと、多様な分野への取り組みを意識している。今年2月には、公園や学校施設の施工・修繕を担う「遊具事業」を新たに立ち上げ、「子どもたちの未来をつくり、地域貢献と活性化を更に進めていきたい」と明確な意欲を示す。

創業時から掲げるテーマは「みんなで豊かに」。「培った技術力と品質を武器に、社員が働きやすく成長できる環境を整備したい。『自分の子どもを入社させたくなるような会社』を目標に、グループ一丸となって邁進していく」と熱い思いを胸に組織を統括している。

株式会社渡部建設のHP:https://www.wataken-hamamatsu.jp/
この記事を書いた人

クラフトバンク総研 記者 川村 智子
新卒で入社した建設コンサルタントで、農地における経済効果の算定やBCP策定などに従事。
建設業の動向や他社の取り組みなどに興味を持ち、建通新聞社では都庁と23区を担当する。
在籍時は、各行政の特徴や課題に関する情報発信に携わる。2024年よりクラフトバンクに参画。
記者として企画立案や取材執筆などを手掛けている。