クラフトバンク総研

川口智久さん(有限会社川口工業・代表取締役)

更新日:2025/6/24

 昨年、創業100周年を迎え、自身が3代目の社長に就任してから23年目を迎えている。バブル崩壊やリーマンショックなど、紆余曲折を経てきたが、「ここ数年は特に単価や人材も安定し、ようやく仕事が円滑に回るようになった」と実感を込めて語る。

 建設業は3Kというイメージや怪我・事故などマイナスのイメージを連想する人も多い。しかし、「実際は培った知識・経験をベースに、仲間と共に1つの作品を築くことができる魅力的な職種。一朝一夕では作り上げられないが、この醍醐味を次の世代にも伝えられるよう最善を尽くす」と意欲を見せる。

 現在は、社員の育成に意識を向けており、資格取得の支援も積極的に実施。合格を果たせば祝い金を送る制度も確立した。「やる気のある20代は想像以上に多い。この重要な時期に社員を後押しできるよう、基本給の引き上げも続けていきたい」と考えを示す。これまで左官業ではマンパワーに頼る要素が多かったが、「今後は、生産性向上も重視した組織運営ができるよう、最新の材料・機械の導入も進めたい」と戦略を語る。

 常日頃から掲げる基本理念は「誠実と信用」。目標は社員を15人以上に押し上げ、人材の安定化を図ること。実現には、顧客の満足度を積み重ねる必要があり、その継続こそが豊な社会づくりに繋がるはずである。

川口工業 有限会社のHP:https://kawaguchikougyou.jp/company.html

関連記事:業界リーダーに迫る 『新・担い手3法を追い風に、静岡県左官業組合が可能性を追求』

新着記事

  • 2025.07.17

    鈴木 太晴さん(邦栄メンテナンス株式会社・専務取締役)

     新卒で管清工業に就職し、現場技術者としての経験を蓄積。3年前から家業の邦栄メンテナンスに参画しており、下水道の維持管理など豊富な実体験を活かしている。  父・健一郎氏が代表を務める中でも、平社員からのスタートを「当然の […]
    クラフトバンク総研記者松本雄一
  • 2025.07.14

    佐藤 清史さん(株式会社髙千穂建設・代表取締役)

     入職の経緯は「家業を手伝うため、型枠の世界に飛び込んだから」。父親の仕事の関係で高校生の時、大阪府の進学校から島根県松江市内の通信制高校に編入した。日中は父親を手伝いながら夜間に勉強する日々の中、どちらも疎かにせず人一 […]
    クラフトバンク総研記者信夫 惇
  • 2025.07.10

    天野 雅弘さん(株式会社渡部建設・専務取締役)

     来年11月に創業20周年を迎える。17歳で建設業に入り、独立も視野に修行を積む中で、同社の社長である美和裕一郎氏の誘いを受けた。「当時の建設業はクリーンとは言い難く、『社会的保障や正当な評価がなされる会社を作りたい』と […]
    クラフトバンク総研記者川村 智子
  • 2025.07.07

    齋藤紗江さん(ゆうき総業株式会社・情報管理部)

     3年前、出産を機にサービス業から建設業に転職を果たした。同社を選んだきっかけは、リフォームに特化したショールーム「建築図書館」を見学できたこと。細部まで技能に溢れた施設を目の当たりにして、「ここで働きたいという意欲が芽 […]
    クラフトバンク総研記者川村 智子