ACCESSを基軸に、光陽が体制強化を促進
更新日:2025/10/24
光陽(大阪府門真市)の山本一樹専務が、今年5月に全国仮設安全事業協同組合(ACCESS)青年部の監事に就任した。青年部に加入して8年。公私ともに関係を深めた先輩らから「これまでにない動きを見せていきたいので、青年部の更なる若返りを図りたい」と依頼され、引き受けた重役となった。具体的な活動などは今後決めていく方針だが、青年部の活動を取りまとめるなど、大きな役割を担っていく予定である。

山本専務は他業種に従事した後、「光陽」に参画した経歴を持つ。現場作業から経験を積み上げ、会社を統括する現在地に至る過程には、「業界に慣習として残る様々な事柄を体験し、少しずつでも私たち世代で改善する必要があると痛感した」と本音を語る。直近の課題は「10年後には、社員の1/3が定年を迎えるため、残される社員のスキルアップを加速化すること」。従来までのやり方だけではキャッチアップが難しいと判断し、山本専務は休日を活用した研修を実施。足場だけでなく、PC・鉄骨・解体など多様な工事に関する実技・理論を学ぶ時間を提供することで、現場に立つ職人を万全な状態で送り出す体制を整えている。企業理念は、「『人づくり』から始まる『モノづくり』」。1人の職人が多くの資格・免許を所持し、プラスαの習得により納期短縮・コストダウンを実現する。光陽が選ばれる理由は、「品質力・スピード力・提案力・人材力」と定評があることを証明する取り組みで、現状からの進化が可能なのか興味深い。


山本専務は「いずれ会社のトップとして統率を執る」との覚悟は持ち合わせつつも、「今は知見を蓄える時期であり、まだ世代継承のタイミングではない」と冷静に状況を見極める。鳶職から発足した会社は紆余曲折を経て、数多くの多能工を育成できる組織にシフトできた。しかし、山本専務は「会社として、現場で求められる内容を的確に把握し、迅速に提供できる職人を、より多く育てられる体制強化を更に進める」と強い意気込みを示す。ACCESSには、同志とも呼べる仲間も多く、何か問題が発生すればフォローし合える安心感もある。地域の未来を創造し、地域と共に発展するため「建築・喜びの最先端を追求する」。光陽が会社として示すスタンスには、専門工事業者が生き残るために必要なエッセンスが含まれており、この飽くなき探求心から学ぶべき点は多いはずだ。

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この記事を書いた人
クラフトバンク総研 編集長 佐藤 和彦
大学在学時よりフリーライターとして活動し、経済誌や建設・不動産の専門新聞社などに勤務。ゼネコンや一級建築士事務所、商社、建設ベンチャー、スタートアップ、不動産テックなど、累計1700社以上の取材経験を持つ。
2022年よりクラフトバンクに参画し、クラフトバンク総研の編集長に就任。企画立案や取材執筆、編集などを担当。現在は全国の建設会社の取材記事を担当。









