感謝と使命感の両輪で社会を築く 小川工業
更新日:2025/4/8
舗装工事と土木工事などを担う小川工業の小川智史社長は、「地域あっての社会資本整備」と感謝の言葉を口にし、「企業理念である『揺るぎない信実で、社会を築く』を実現するため、全社員が一丸となり各々の職務を全うしていく」と宣言する。2024年2月に社長就任して以降、数々の改革を打ち出しており、「時代に応じた働き方、圧倒的なICT施工技術、自社で対応する業種の追加―を目指し更なる進化を遂げる」と語る姿に迷いはない。


学生時代、小川社長に家業を継ぐ気はなく、高校では電子科に在籍した。進路を決める時期に、父親からの誘いと電子科でモノづくりの面白さを見出したことが後押しとなり、1998年に入社を決意したという。記憶に残る現場として、高規格道路「中津日田道路山移―大島間」の工区を挙げる。国県市の期待を背負った一大事業が終盤に差し掛かる中、晴れやかな開通式典を控えた工事。通常の現場とは似ても非なる張り詰めた緊張感の中、「受発注者という立場を越えて意思の疎通を図った結果、『火事場の馬鹿力』とも言える強さを発揮できた」という経験が現在の折衝にも生きており、公共工事を受注する同社の強みになっている。


社長就任前から、徹底して無駄の撲滅に取り組んできた経緯がある。「ICT施工は、黎明期から積極的に導入しており、県内事業者の中でもトップクラスだ」と自信を覗かせる。自社では、ICT対応のグレーダーやアスファルトフィニッシャーなどを多数保有。このほど、中小企業省力化投資補助事業に追加されたチルトローテータを、4月に納品予定としており、大分県内で初めて導入した企業として「より一層の高みを目指す」と明確な意欲を示す。市内にある児童養護施設では、10年以上もクリスマスにプレゼントを渡すなど、四季のイベントを通じて地域を盛り立てている現実も厚い信頼に繋がっている。

どんな時でも身を粉にして業務に邁進する小川社長は、「今、あらゆる物事に全力を尽くすことが私の宿命」と受け止め、組織の運営を手掛けている。愛する中津市に安心・安全な街づくりを提供するだけでなく、様々なボランティア活動の継続により人々に活気も伝播させている。小川社長にそのエネルギーの原動力を聞くと「感謝と使命感の2つを両輪にしている」と即答する。会社が掲げる理念は「揺るぎない信実で、社会を築く」。常日頃から万策を講じる姿は、今後も社員はもちろん地域を巻き込み、明るい未来に導いていくはずだ。

この記事を書いた人

クラフトバンク総研 記者 信夫 惇
建通新聞社に10年間勤務。東京支局・浜松支局・岐阜支局にて、県庁などの各自治体や、建設関連団体、地場ゼネコン、専門工事会社などを担当し、数多くのインタビューや工事に関する取材に携わる。
2024年にクラフトバンクに参画。特集の企画立案や編集、執筆などを手掛けている。